自然環境で過ごすことと薬剤(向精神薬、降圧薬、喘息治療薬)の使用頻度に関連性はありますか?(横断研究; Occup Environ Med. 2023)

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根拠となった試験の抄録

背景:自然環境への曝露は人間の健康に有益であると考えられているが、その証拠には一貫性がない。

目的:フィンランドにおいて、都市環境における緑と青の空間への曝露が精神的・身体的健康と関連しているかどうかを調べること。

方法:2015〜2016年にフィンランドのヘルシンキ、エスポー、ヴァンターでヘルシンキ首都圏環境健康調査を実施した(n=7,321)。回答者の自宅周辺半径1km以内の住宅用緑地・青地の量(Urban Atlas 2012に基づく)、自宅からの緑地・青地の眺め、緑地訪問と、自己申告による向精神薬(抗不安薬、催眠薬、抗うつ薬)、降圧薬、喘息の使用との横断的関連性をロジック回帰モデルで検討した。健康行動の指標、交通関連の屋外大気汚染や騒音、社会経済的地位(SES)を共変数として用い、最後の共変数は潜在的な効果修飾因子としても使用した。

結果:住宅地の緑地・青地の量や自宅からの緑地・青地の眺望は、薬と関連しなかった。しかし、緑地の訪問頻度は、向精神薬の使用オッズの低下(3~4回/週:OR 0.67、95%CI 0.55~0.82; 5回/週以上:OR 0.78、0.63~0.96)、降圧薬(3~4回/週:OR 0.64、0.52~0.78; 5回/週以上:OR 0.59、0.48~0.74)、ぜん息(3~4回/週:OR 0.74、0.58~ 0.94; 5回/週以上:OR 0.76、0.59~0.99)との関係があった。観察された関連は、肥満度によって減衰したが、SES指標との一貫した交互作用は観察されなかった。

結論:都市環境における向精神薬、降圧薬、喘息薬の使用頻度の低さは、緑地面積や青地面積、自宅からの緑や青の眺めの多さではなく、頻繁に緑地を訪れることと関連していた。

キーワード:横断的研究、環境、疫学、公衆衛生

引用文献

Cross-sectional associations of different types of nature exposure with psychotropic, antihypertensive and asthma medication
Anu W Turunen et al. PMID: 36646464 PMCID: PMC9887361 DOI: 10.1136/oemed-2022-108491
Occup Environ Med. 2023 Feb;80(2):111-118. doi: 10.1136/oemed-2022-108491. Epub 2023 Jan 16.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36646464/

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