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12_血液・造血器系

高齢者における抗凝固薬と出血性脳卒中リスク:北海道の大規模データを用いた後向き研究(Aging Clin Exp Res. 2025)

高齢者に対する抗凝固療法は、脳梗塞や全身塞栓症の予防を目的として広く行われています。一方で、出血性脳卒中(脳出血)は高齢者で特に重篤なアウトカムをもたらすため、抗凝固薬処方に伴う出血リスク評価は不可欠です。今回ご紹介する研究は、日本・北海…
07_腎・泌尿器系

重度アシデミア+急性腎障害に重炭酸ナトリウムは有効か?|大規模RCTが示した「死亡率改善なし」(BICARICU-2試験; JAMA. 2025)

集中治療領域では、重度の代謝性アシデミア(pH≤7.20)を呈する患者に対し、重炭酸ナトリウム(商品名:メイロン®など)の投与が行われることがあります。しかし、急性腎障害(AKI)を合併した重症患者に本当に有効なのかについては、これまで明…
04_相互作用、薬物相互作用

レンボレキサント併用でクロザピン血中濃度が上昇?|薬物相互作用の可能性を示した症例報告(Br J Clin Pharmacol. 2024)

クロザピン(Clozapine, CLZ)は、治療抵抗性統合失調症(treatment-resistant schizophrenia, TRS)に対する最も有効な選択肢の一つですが、重大な有害事象や薬物相互作用(drug-drug in…
09_感染症

タミフル服用で異常行動は増えたのか?|添付文書改訂後の処方動向と副作用報告を検証(Drugs Real World Outcomes. 2024)

タミフル®(オセルタミビル)はインフルエンザ治療の中心的存在として長年使用されています。しかし2007年、10代での異常行動が相次いで報告され、添付文書に「10歳以上には原則使用しない」という制限が設けられました。その後、安全性に関する知…
07_腎・泌尿器系

慢性腎臓病(CKD)は「進行を遅らせる時代」から「寛解をめざす時代」へ|治療パラダイムの変化(Kidney Int. 2025)

慢性腎臓病(CKD)は、これまで「進行を少しでも遅らせる」という消極的な治療目標が主流でした。しかし近年、複数の大規模試験の成果により、CKDでも “寛解(remission)” が現実的な治療目標になりつつあると報告されています。Kid…
05_内分泌代謝系

DPP-4阻害薬はCKD合併2型糖尿病の心血管・腎イベントを防げるのか?(CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2025)

2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)の併存は、心血管疾患・腎不全・死亡リスクを大きく高めます。治療選択は複雑化しており、血糖降下薬が心血管イベントや腎イベントを抑制できるかは、臨床現場での重要な意思決定ポイントです。今回紹介するのは、DPP-…
01_中枢神経系

妊娠中のアセトアミノフェン使用と自閉スペクトラム症・ADHDの関連性は?(SR&MA; BMJ. 2025)

妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)は、国内外のガイドラインで比較的使用経験が多く、推奨される解熱鎮痛薬として位置づけられてきました。一方で近年「胎児期のアセトアミノフェン曝露と自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(AD…
02_循環器系

DOAC・ワルファリンの服薬遵守率は“80%で十分”ではない?|最新エビデンスが示す「最適アドヒアランス閾値」を解説(人口ベースコホート研究; J Thromb Haemost. 2025)

心房細動(AF)における脳卒中予防の柱となる 経口抗凝固薬(OAC:ワルファリン/DOAC)。長年、服薬アドヒアランスの基準として「PDC 80%(服薬遵守率80%)」が使用されてきました。しかし、この “80%ルール” (80%基準)は…
00_その他

たった一言の「無礼さ」が医療チームの診断力と手技能力を低下させる?|NICUチームを対象としたRCT(Pediatrics. 2015)

日常診療において、医療者間のコミュニケーションは患者安全の根幹を支えています。ところが近年「無礼な言動(rudeness)」が医療チームのパフォーマンスに悪影響を与える可能性が指摘されてきました。今回ご紹介する研究は、新生児集中治療室(N…
09_感染症

風邪(急性上気道感染)に抗生物質は効く?最新エビデンスで読み解く「本当に必要なケース」とは(CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2025)

「風邪なんですね?抗生物質を出してくれませんか?」——実臨床ではいまだに耳にするフレーズです。しかし、風邪(急性上気道感染:URTI)に抗生物質は効果がないというのは、長年繰り返し示されてきた事実です。今回紹介するのは、Cochraneが…
00_その他

子供も大人も「親切の効果を過小評価」する?|ランダムな親切行動が相手に与える影響を測った実験研究(J Exp Psychol Gen. 2023)

他者に親切にすると、自分自身の幸福感が高まることは多くの研究で示されています。しかし実際には、「迷惑だと思われないかな…」「大したことないと思われそう…」といった不安から、親切な行動をためらってしまう場面も少なくありません。今回ご紹介する…
未分類

無症候性頸動脈高度狭窄に対する治療はどう選ぶ?|CREST-2試験が示したステント vs 内膜剥離術 vs 集中的薬物治療(PROBE法; N Engl J Med. 2025)

無症候性の頸動脈狭窄(asymptomatic carotid stenosis)は、脳梗塞予防の観点で治療方針が近年議論になっています。ステント治療(carotid-artery stenting, CAS)頸動脈内膜剥離術(carot…
01_ワクチン vaccine

RSVワクチン(RSVpreF)は心血管疾患を持つ高齢者にも有効か?

2023年以降、60歳以上を対象としたRSVワクチン(RSVpreF)が世界的に承認され、呼吸器感染症対策として注目を集めています。一方、RSV感染は高齢者において心筋梗塞・心不全増悪・脳卒中などの心血管イベント増加と関連が指摘されており…
02_循環器系

PCI前のP2Y12阻害薬プレトリートメントは有効か?|5万件超のリアルワールドデータから得られた新知見(Can J Cardiol. 2025)

経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける患者に対して、P2Y12阻害薬(クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルなど)をPCI前に投与すべきか否かは、長年議論されてきたテーマです。特に、慢性冠症候群(CCS)や非ST上昇型心筋梗塞(NSTE…
08_炎症・免疫・アレルギー系

日本における「鼻出血(epistaxis)」治療の実態は?|全国データベースから見えた季節性・地域差・患者背景(Auris Nasus Larynx. 2025)

鼻出血は日常的によくみられる症状ですが、その治療には「ガーゼパッキング」と「焼灼(cauterization)」という2つの主要な方法が使われます。しかし、これらの治療がどの季節に多いのか、どの年代で多いのか、地域差はあるのかといった全国…
00_その他

「声」はストレスを軽減し、オキシトシンを高めるのか?(比較研究; Evol Hum Behav. 2012)

日常生活の中で、私たちは電話・対面・メール・SNSなど、さまざまな方法で家族や友人とコミュニケーションを取っています。しかし 「声を聞く」ことが、身体のストレス反応にどれだけ影響するかを科学的に検討した研究は限られています。今回ご紹介する…
00_その他

「デタッチメント・パラドックス」とは?

「仕事以外の時間はしっかり休んだほうが、生産性が上がる」これは近年の心理学・労働科学研究で広く支持されている結論です。しかし実際の職場ではどうでしょうか?休暇を取りづらい、定時後もメールを返すことが「当然」、休日に連絡が来るのが当たり前、…
02_循環器系

GLP-1受容体作動薬リラグルチドは脳梗塞再発を減らせるのか?(PROBE法; LAMP試験; JAMA Intern Med. 2025)

糖尿病(T2D)を合併する患者では、脳梗塞や心血管イベントのリスクが高く、それらの再発予防は臨床上の大きな課題です。GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は心血管イベント低減効果が示されていますが、急性期脳梗塞に対するランダム化比較試験…
02_循環器系

GLP-1受容体作動薬とチルゼパチドの消化管イベントリスクに違いはある?(人口ベースコホート研究; Ann Intern Med. 2025)

2型糖尿病(T2D)治療では、体重減少・心血管アウトカム改善など多面的な効果が期待できる GLP-1受容体作動薬 が広く使われています。近年は チルゼパチド(GIP/GLP-1受容体作動薬) の登場もあり、処方選択の幅が一気に広がりました…
07_腎・泌尿器系

UACRとUPCRはどちらが腎予後をよりよく予測するのか?|約15万人のデータを用いた個別患者レベル・メタ解析(Ann Intern Med. 2025)

慢性腎臓病(CKD)は進行すると腎不全や心血管疾患を引き起こす重大な疾患であり、尿蛋白の評価は予後予測の最重要指標として位置づけられています。臨床現場では、尿アルブミン・クレアチニン比(UACR)尿蛋白・クレアチニン比(UPCR)の2つが…
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