2023-03

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01_中枢神経系

下剤の慢性使用と認知症発症の関連性はどのくらい?(コホート研究; Neurology. 2023)

脳-腸-微生物軸(以前は腸脳相関)仮説は、無菌マウスを用いた研究結果から提唱されました。本仮説は、腸内細菌がストレス受容や脳の神経系の発達・成長、そして行動に関わる存在であることを示したものです。具体例として、過敏性腸症候群(IBS)が挙…
02_循環器系

心房細動患者の腎関連アウトカムに対するDOACとワルファリンどちらが優れていますか?(PSマッチコホート研究; SCREAM試験; Am J Kidney Dis. 2023)

非弁膜症性心房細動患者の脳卒中予防には、ビタミンK拮抗薬(VKA)に代わって直接経口抗凝固薬(DOAC)が徐々に使用されるようになってきました。VKAと比較して、DOACは出血性合併症の発生が少ないことが報告されています。しかし、その他の…
09_感染症

COVID-19入院患者に対するモルヌピラビルとニルマトレルビル-リトナビルの有効性はどのくらい?(TTE試験; Ann Intern Med. 2023)

COVID-19非入院(外来)患者に対する経口抗ウイルス薬の有効性が示されています。しかし、入院患者にCOVID-19経口抗ウイルス薬が有効であるかどうかについては結論が得られていません。そこで今回は、オミクロンアウトブレイク時のCOVI…
01_ワクチン vaccine

安定冠動脈疾患および急性冠症候群の予防治療に対するインフルエンザワクチン接種の効果はどのくらい?(RCTのメタ解析; Am J Med. 2023)

インフルエンザは、冠動脈疾患患者に大きな負担を与える可能性があります。したがって、インフルエンザワクチン接種により、冠動脈疾患の発症リスクを低減できる可能性があります。そこで今回は、急性冠症候群と安定冠動脈疾患患者におけるインフルエンザワ…
01_中枢神経系

治療抵抗性の老年期うつ病患者における抗うつ薬の増強と切替え、どちらが良いですか?(Open-RCT; OPTIMUM試験; N Engl J Med. 2023)

うつ病に対する治療において、第一選択薬で治療が奏功しない場合があり、これを治療抵抗性うつ病と呼びます。日本の診療ガイドライン(2022年)によれば、第一選択薬による治療に成功しない高齢者のうつ病に対して、抗うつ薬を変更あるいは併用(増強療…
04_相互作用、薬物相互作用

DOACの出血リスク増加とCYP3A4阻害薬との相互作用との関連性はどのくらい?(FAERSデータベース研究; Br J Clin Pharmacol. 2023)

直接経口抗凝固薬(DOAC)とCYP3A4阻害薬は一般的に使用されていますが、その相互作用の可能性に伴う出血リスクについては、充分に検討されておらず、コンセンサスが得られていません。そこで今回は、マクロライド系抗生物質とアゾール系抗菌薬の…
01_中枢神経系

妊娠中のロイコトリエン受容体拮抗薬の使用と子孫の精神神経系イベントとの関連性は?(台湾データベース研究; JAMA Netw Open. 2023)

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は、喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性気道疾患の治療に使用される薬剤の一種です。米国食品医薬品局(FDA)は、長年にわたり、LTRAの最初の薬剤であるモンテルカストに関連する精神神経系イベントの…
02_循環器系

産後高血圧のコントロールにおけるヒドロクロロチアジドとリシノプリル併用療法 vs. ニフェジピン(パイロットRCT; Am J Obstet Gynecol. 2023)

アンジオテンシン変換酵素阻害薬と利尿薬は、妊娠中の催奇形性のため、産後高血圧に対して充分に使用されていない可能性があります。治療薬は出産後も継続され、治療薬が変更されることはほぼありません。したがって、産後高血圧のコントロールにおいて、よ…
30_小児

ストーマを有する新生児における粘液瘻への注入の効果はどのくらい?(観察研究のメタ解析; Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 2023)

粘膜瘻への注入(再給餌:Mucous Fistula Refeeding, MFR)とは、腹部手術後にストーマ(ストマ:ostomy)を活用している場合に、近位ストーマからの排水を遠位粘膜瘻に導入して腸の生理機能を維持することです。このよ…
05_内分泌代謝系

糖尿病患者のアルブミン尿に対するSGLT-2阻害薬とMR拮抗薬の併用療法は有益ですか?(ネットワークメタ解析; Diabetes Obes Metab. 2023)

糖尿病(Diabetes mellitus:DM)は慢性腎臓病の主要な原因であり、特にアルブミン尿を有している場合、心血管死亡のリスク上昇と関連していることが報告されています。ナトリウム・グルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬とミネ…
04_消化器系

小児の抗生物質関連下痢予防のためのプロバイオティクスの効果はどのくらい?(コクランレビュー; CDSR. 2019)

抗生物質は腸内細菌叢のバランスを変化させ、抗生物質関連下痢症(AAD)を引き起こします。特に小児においてはバランスが乱れやすいことから整腸剤などのプロバイオティクスが併用されます。プロバイオティクスは、腸管バリア、腸内細菌叢の回復、および…
00_その他

デンマークにおけるインフルエンザワクチン接種率向上のための電子ナッジの効果は?(クラスターRCT; Lancet. 2023)

インフルエンザワクチン接種率は、インフルエンザ感染と関連する合併症の予防に有効であるにもかかわらず、依然として最適とは言えません。ワクチン接種は個々人の任意であることから、個人の意思を尊重した接種向上施策が求められます。今回ご紹介するのは…
04_消化器系

プロトンポンプ阻害薬の使用と薬剤耐性腸内細菌の獲得リスクとの関連性は?(コホート内症例対照研究; JAMA Netw Open. 2023)

PPI使用は薬剤耐性腸内細菌の獲得リスクと関連しているのか? プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、薬剤耐性菌のコロニー形成リスクと関連していることが報告されています。しかし、生活習慣関連因子や疾患の重症度による交絡の可能性があり、この関連性に...
02_循環器系

冠動脈疾患患者の心血管イベントに対するTreat-to-Target vs. 高強度スタチン(RCT; LODESTAR試験; JAMA. 2023)

冠動脈疾患患者では、LDL-Cを少なくとも50%減少させるために、高強度スタチン系薬による初期スタチン治療を推奨する診療ガイドラインがあります(Fire and Forget)。別のアプローチとしては、中強度のスタチンから開始し、特定のL…
02_循環器系

心不全の有無にかかわらず心房細動患者における総・心血管死亡率に対するジゴキシンの効果はどのくらい?(メタ解析; Eur J Clin Pharmacol. 2023)

心不全を伴う心房細動に対してジゴキシンが使用されますが、死亡リスクが増加する報告もあることから、さらなる検証が求められています。そこで今回は、心不全(HF)の有無にかかわらず、心房細動(AF)患者におけるジゴキシン使用に伴う死亡リスクに関…
07_腎・泌尿器系

ヒドロクロロチアジドは腎結石の再発を予防できますか?(RCT; NOSTONE試験; NEJM. 2023)

腎結石症は、腎臓に影響を及ぼす最も一般的な疾患の一つであり、再発のリスクが高いことが特徴です。腎結石の再発予防にはサイアザイド系(チアジド系)利尿薬が広く使われていますが、プラセボと比較した有効性に関するデータは限られています。さらに、用…
02_循環器系

高血圧治療における血管内超音波腎除神経術の効果はどのくらいですか?(DB-RCT; RADIANCE II試験; JAMA. 2023)

2件の初期プラセボ対照試験により、軽度から中等度の高血圧および治療抵抗性の高血圧患者において、超音波腎除神経(Endovascular Ultrasound Renal Denervation、腎デナベーション)が血圧(BP)を低下させる…
02_循環器系

スタチン不耐患者におけるベンペド酸は心血管アウトカム発生リスクを低減できますか?(DB-RCT; CLEAR Outcomes試験; N Engl J Med. 2023)

ATPクエン酸リアーゼ阻害剤であるBempedoic acid(ベンペド酸)は、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を低下させること、筋肉関連の有害事象の発生率が低いことが示されています。しかし、心血管アウトカムへの影響は不明です。そこで今回は、スタチン系薬剤を服用できない、または服用し…
食事

メタボリックシンドロームを有する性腺機能低下男性における低炭水化物食は勃起機能を改善する?(小規模Open-RCT; BMC Endocr Disord. 2023)

メタボリックシンドロームはいくつかの疾患のリスクファクターです。なかでもメタボリックシンドロームと性腺機能低下症との関係はよく知られています。過去の報告で、テストステロン低下と炭水化物または脂質の摂取量について検証されています。この結果に…
20_妊婦

早発性子癇の高リスク妊婦において妊娠24~28週でアスピリンを中止しても問題ない?(Open-RCT; JAMA. 2023)

アスピリンは、子癇(しかん)前症のリスクが高い妊婦において、早発子癇の発生率を62%減少させることが示されています。しかし、アスピリンは周産期出血のリスク上昇と関連する可能性があります。このリスクは、妊娠期(妊娠37週)前にアスピリン…
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