2022-01

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02_循環器系

【批判的吟味】ポリファーマシーを有する高齢者におけるスタチン中止は、心血管アウトカムと死亡率に影響しますか?(後向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2021)

人口の高齢化に伴い、併存疾患を有する患者数が増加しています。併存疾患があると、多剤併用(Polypharmacy, ポリファーマシー)となりやすく、これは避けられない問題です。しかし、慢性疾患の併発及びポリファーマシー、両方の状態にさらされていると、認知機能障害などのさらなる病的状態や、薬物間の相…
05_内分泌代謝系

2型糖尿病およびCKD患者の心血管/腎アウトカムに対するフィネレノンの有効性・安全性(RCTのプール解析; FIDELITY試験; Eur Heart J. 2021)

フィネレノンは、新規の選択的非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬です。2022年1月現在、MR拮抗薬は高血圧に対する適応が主ですが、このフィネレノン(商品名:ケレンディア)は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」を適応として承認申請されています。2022年1月28日の部会で承認につい…
12_血液・造血器系

静脈血栓塞栓症の予防および治療におけるDOAC使用に伴う重篤な出血リスクの比較(RCTのネットワークメタ解析; Eur J Vasc Endovasc Surg. 2021)

静脈血栓塞栓症(VTE)の予防および治療において、一般的にビタミンK拮抗薬(VKA)あるいは直接経口抗凝固薬(DOAC)が用いられます。近年ではDOACの使用数量が増えています。DOAC使用によるVTEの予防、治療により得られる益が大きいものの、これと引き換えに重篤な出血リスクが報告されていること…
05_内分泌代謝系

日本人集団におけるエンパグリフロジンの費用対効果は?(EMPA-REG OUTCOMEのアジア人サブグループ解析; 費用対効果分析; Clin Ther. 2019)

近の報告では、日本における糖尿病患者数は約1,000万人と推定され、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値(6.5%)や家族歴から糖尿病が強く疑われる成人男性は16.3%、女性は9.3%とされています。日本における糖尿病治療のための医療費は年間約1兆2,400億円で、国民医療費全体の約4%を占めています…
09_感染症

SARS-CoV-2感染外来患者に対する高用量の亜鉛とアスコルビン酸の補給と標準治療の効果に差はない(RCT; COVID A to Z試験; JAMA Netw Open. 2021)

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)は、エンベロープRNAウイルスの新型で、国際的なパンデミックを引き起こす致死性のウイルスとして登場しました。発症時の一般的な症状は、発熱、非生産的な咳、筋肉痛、疲労感など、インフルエンザに類似したものです。米国疾病対策予防センター(CD…
03_呼吸器系

気管支拡張症における吸入コルチコステロイド療法は、全死亡と関連する?(前向き研究; Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2021)

非嚢胞性気管支拡張症(BE)患者は、QoLが著しく低下し、罹患率および死亡率が増加します。非嚢胞性線維症BEは、放射線学的に、しばしば気道の内在性病変の結果としての、気道の永久的な病理学的拡大であると定義されています。BE の病理学的メカニズムとして、慢性気管支炎、粘膜繊毛クリアランスの低下、肺の…
08_炎症・免疫・アレルギー系

COVID-19患者におけるトシリズマブは標準治療やプラセボよりも優れていますか?(RCTのメタ解析; Br J Clin Pharmacol. 2021)

COVID-19のパンデミックは、ここ数年、数十年における人類の健康に対する最大の課題の1つです。2021年4月20日現在の公式データによれば、1億5,500万人以上が感染し、そのうち300万人以上が死亡しています。公式のデータは保守的なものであることから、実際の感染者数および死亡者数はさらに多い…
01_中枢神経系

軽度の虚血性脳卒中および一過性脳虚血発作患者において、アスピリンに追加してチカグレロルとクロピドグレルを比較すると?(ネットワークメタ解析; JAMA Neurol. 2021)

クロピドグレル(プラビックス®️)とアスピリンによる二重抗血小板療法(DAPT)は、軽度の虚血性脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)後の脳卒中再発予防に有効であることが報告されています。クロピドグレルよりも新しい抗血小板薬であるチカグレロル(ブリリンタ®️)とアスピリンの使用に関するエビデンスも集積…
01_ワクチン vaccine

SARS-CoV-2 オミクロン変異株に対するワクチン接種後の抗体価増加はどの程度?(プレプリント; medRxiv. 2021)

近年、SARS-CoV-2のB.1.1.159(オミクロン)変異型が出現し、国際的に拡散し、特に南アフリカで患者数が急増していることから、広く懸念されています。この新型ウイルスの病原性はまだ不明ですが、スパイクタンパク質のアミノ酸置換、挿入、欠損の多さ(ウイルスゲノム中の非同義変化約50個のうち3…
02_循環器系

心血管疾患を有する2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT-2阻害剤の効果はどのくらい?(SR&MA; Cochrane Database Syst Rev. 2021)

心血管疾患(CVD)は世界的な主要死因の一つです。近年、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤(DPP4i)、グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)、ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害剤(SGLT2i)が2型糖尿病患者の治療に認可されました。メトホルミンは依然として2型糖尿病患者に…
01_中枢神経系

うつ病の女性に対する運動の効果はどのくらい?(メタ解析; Medicine (Baltimore). 2021)

うつ病に対する運動の効果とは? うつ病は、精神障害として現れる一般的な病気です。世界保健機関の統計によると、2030年には、うつ病が世界の疾病負担原因のトップになると予想され(WHO)、毎年80万人近くがうつ病で死亡しています(WHO De...
07_腎・泌尿器系

ビタミンB12の血漿中濃度と全死亡率との関連性はどのくらい?(オランダの前向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2020)

ビタミンB12は水溶性ビタミンで、one carbon代謝経路に重要な役割を担っている。one carbon代謝経路は、ミトコンドリア代謝、免疫反応、非増殖性組織におけるヌクレオチドのホメオスタシスなど、胎児の発育以外にもいくつかの生物学的機能に関与しています。ビタミンB12欠乏症は、貧血、神経精…
09_感染症

COVID-19で入院した成人患者に対する2種類の中和モノクローナル抗体療法は有効ではない(DB-RCT; TICO試験; Lancet Infect Dis. 2021)

COVID-19で入院した患者(以下、入院患者)に対する有効な治療法を見つけることは、依然として重要な優先事項です。レムデシビル、副腎皮質ホルモン、その他の抗炎症剤は、COVID-19で入院した患者の一部で有効性が確認されています。しかし、COVID-19による罹患率および死亡率は依然として高く…
02_循環器系

食塩の代替が心血管イベントおよび死亡に及ぼす影響は?(オープンクラスターRCT; SSaSS試験; N Engl J Med. 2021)

食塩中のナトリウム比率を下げると脳卒中を予防できるのか? 食塩の摂取量増加に伴い血圧が上昇する食塩感受性高血圧が報告されています。本疾患は遺伝的な背景が強く影響していることから、遺伝子検査を実施する必要がありますが、充分に検討されていません...
02_循環器系

血圧低下と2型糖尿病の新規発症リスクとの関連性は?(個人データのメタ解析&NWM; Lancet. 2021)

糖尿病は、全世界の成人人口の約9%が罹患しており、多くの地域で有病率が上昇しています。糖尿病患者は血圧が高いことが多く、心血管疾患の発症リスクが不相応に高いことが知られています。血圧の低下は、2型糖尿病患者における微小血管および大血管イベントの予防戦略として確立されていますが、糖尿病自体の予防に対…
01_ワクチン vaccine

SARS-CoV-2 mRNAワクチン間で心筋炎または心膜炎リスクに違いはあるのか?(デンマーク人口ベースコホート研究; BMJ. 2021)

ファーマコビジランスの報告、医療システムのサーベイランス研究、ケースシリーズから、SARS-CoV-2ワクチン接種と心筋炎および心膜炎との関連が示唆されています。この関連は、特にmRNAワクチンBNT162b2(コミナティ、ファイザー・ビオンテック社製)およびmRNA-1273(スパイクバックス、…
02_循環器系

心房細動患者における頭蓋内出血リスクはDOAC間で差がありますか?(RCTのNWM; Am J Cardiol. 2022)

直接経口抗凝固薬(DOAC)を服用している心房細動(AF)患者は、頭蓋内出血(ICH)のリスクに曝されており、これは重篤で生命にかかわることさえあります。しかし、抗凝固薬のICHリスクについてはまだ議論の余地があります。そこで今回は、ビタミンK拮抗薬(VKA)とDOACの間でICHのリスクを比較し…
08_炎症・免疫・アレルギー系

eGFRおよび腎臓有害事象に対する低用量メトトレキサートの影響は?(RCTの二次解析; J Am Soc Nephrol. 2021)

メトトレキサートは腎機能障害を有する患者に対して禁忌です。eGFRなど腎機能に応じた投与量調節の基準等もありません。したがって低用量のメトトレキサート(LD-MTX)であっても進行した慢性腎障害(CKD)では禁忌です。しかし、腎機能が正常範囲内または軽度〜中等度のCKDにおける腎臓の安全性はあまり…
02_循環器系

診療ガイドラインにおける高齢者の降圧治療目標はどのくらい?(RCTのSR&MA; Age Ageing. 2021)

高血圧は、世界的にみても疾病負荷の主要な素因であり、最も重要な修正可能危険因子として、その管理は心血管疾患の一次予防に不可欠な柱を形成しています。世界的に、高血圧は成人のおよそ4人に1人が罹患しており、年齢とともに着実に上昇しています。例えば、Framingham Heart Studyのデータで…
11_皮膚・骨格筋系

ビデオベースの遠隔健康教育による運動および減量プログラムとオンライン教育による膝関節症のアウトカムの比較(Open-RCT; Ann Intern Med. 2021)

変形性膝関節症では、膝の関節軟骨の質が低下し、少しずつすり減ることで、歩行時に膝の痛みが出現します。平地での歩行では問題なくとも、階段での昇降で膝に疼痛(突出痛)が出現する、正座時に疼痛(突出痛や自発痛)が認められるなど、初期症状で気がつくことが多いとされています。さらに疾患が増悪していくと、次第…
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