高効率微粒子エアフィルター付き手術用ヘルメットシステムの使用はCOVID-19発症予防に応用できるのか?(小規模DB-RCT; Int Orthop. 2022)

woman wearing blue helmet 09_感染症
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高効率粒子状エアフィルター付き手術用ヘルメットシステムの効果はどのくらいなのか?

新型コロナウイルス感染症 2019(COVID-19)の急速な広がりにより、個人防護具の使用が増加していますが、その効果については充分に検証されていません。

そこで今回は、市販の無菌手術用ヘルメットシステム(SSHS)がCOVID-19に対して保護的かつ安全に使用できるか疑似的に検証した二重盲検ランダム化比較試験の結果をご紹介します。

ViVi® SSHSにHFD Hood(THI, Total Healthcare Innovation GmbH, Feistritz im Rosental, Austria)という高効率微粒子エアフィルターを装着した場合の呼吸器飛沫に対する防御効果を調べるために、二重盲検ランダム化比較試験が実施されました。

試験参加者40例が2群に分けられました。SSHSは、2つのコホートへのランダムな割り当てに基づき、サッカリンまたはプラセボ溶液を通して、呼吸器マスクの有効な定性テストを使用して評価されました。サッカリン液滴は、コロナウイルスのようなウイルスサイズのあらゆる要素に対して有効な代用マーカーです(サッカリンに触れた後に甘味を感じたという報告は、ViVi® SSHSが飛沫からの保護に無効であることを意味する)。

試験結果から明らかになったことは?

プラセボ群では21例中1例(4.8%)が味覚陽性と回答し、サッカリン群では19例中5例(26.3%)が味覚陽性と回答しました。再試験において、プラセボ群では21例中2例(9.5%)が、サッカリン群では19例中2例(10.5%)が味覚が陽性であると回答しました。

試験および再試験のいずれの測定においても、サッカリン群とプラセボ群の間に統計的に有意な差は見られませんでした(それぞれp = 0.085およびp = 1.000)。

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甘味料であるサッカリン液をエアロゾル化することにより、ウイルス粒子を模倣することができます。低コストで簡便な定性的試験であることから、マスクやヘルメットなどの感度テスト・フィットテストに用いられます。ただし、味覚異常を有している場合には検査できないこと、主観的な結果しか得られないこと点には注意を要します。

さて、小規模な二重盲検ランダム化比較試験の結果、HFD Hoodを搭載したViVi® 無菌手術用ヘルメットシステムが呼吸器飛沫を防止する可能性が示唆されました。COVID-19患者で外科的な手術が必要となる場合に、本試験で使用されたヘルメットが活用できそうですが、実際にCOVID-19などの感染症の発症リスクを低減できるのか、より大規模な前向き試験での検証が求められます。

SARS-CoV-2による感染流行は、終息の兆しがみられません。どのように共存していくのか、withコロナ時代における感染予防策の構築が求められます。

続報に期待。

crop doctor with stethoscope preparing for surgery in hospital

✅まとめ✅ 小規模な二重盲検ランダム化比較試験の結果、HFD Hoodを搭載したViVi® 無菌手術用ヘルメットシステムが呼吸器飛沫を防止し、ウイルスを含む複数の微生物に対する防御力を高める可能性が示唆された。COVID-19などの感染症の発症リスクを低減できるか検証が求められる。

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