02_循環器系

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血圧低下と2型糖尿病の新規発症リスクとの関連性は?(個人データのメタ解析&NWM; Lancet. 2021)

糖尿病は、全世界の成人人口の約9%が罹患しており、多くの地域で有病率が上昇しています。糖尿病患者は血圧が高いことが多く、心血管疾患の発症リスクが不相応に高いことが知られています。血圧の低下は、2型糖尿病患者における微小血管および大血管イベントの予防戦略として確立されていますが、糖尿病自体の予防に対…
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心房細動患者における頭蓋内出血リスクはDOAC間で差がありますか?(RCTのNWM; Am J Cardiol. 2022)

直接経口抗凝固薬(DOAC)を服用している心房細動(AF)患者は、頭蓋内出血(ICH)のリスクに曝されており、これは重篤で生命にかかわることさえあります。しかし、抗凝固薬のICHリスクについてはまだ議論の余地があります。そこで今回は、ビタミンK拮抗薬(VKA)とDOACの間でICHのリスクを比較し…
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診療ガイドラインにおける高齢者の降圧治療目標はどのくらい?(RCTのSR&MA; Age Ageing. 2021)

高血圧は、世界的にみても疾病負荷の主要な素因であり、最も重要な修正可能危険因子として、その管理は心血管疾患の一次予防に不可欠な柱を形成しています。世界的に、高血圧は成人のおよそ4人に1人が罹患しており、年齢とともに着実に上昇しています。例えば、Framingham Heart Studyのデータで…
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【再掲】エンパグリフロジンによる治療初期に認められる「eGFR dip」の特徴と意味は?(EMPA-REG OUTCOME試験の事後解析; Kidney Int. 2021)

ナトリウム・グルコース共輸送担体-2(SGLT2)阻害薬は、血糖降下薬として開発されましたが、2型糖尿病患者の心血管疾患、心不全および腎疾患に対する新しい治療選択肢となっています。SGLT2阻害薬の臨床試験において、心血管疾患および腎疾患の治療成績の改善が確認されています。SGLT2iは、その腎臓…
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急性冠症候群におけるP2Y12阻害剤のルーチン使用 vs. ガイド付誘導療法(RCTのネットワークメタ解析; Eur Heart J. 2021)

診療ガイドラインでは、急性冠症候群(ACS)患者の虚血イベント抑制のために、クロピドグレルよりも強力なP2Y12阻害剤の使用が推奨されています。しかし、このことは出血リスク増加という犠牲の上に成り立っています。P2Y12阻害剤を適切に選択することは、この出血リスク増加を克服できる可能性があります。…
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SGLT2阻害薬による心血管・腎に対するリスク・ベネフィットの検証(主要RCTのメタ解析; Int J Cardiol. 2021)

グルコースコトランスポーター2(SGLT2)阻害剤は、心不全や腎臓保護に大きな効果を発揮することが報告されています。その一方で、あまり知られていない、重篤な副作用を誘発する可能性もあります。SGLT2阻害剤のリスク・ベネフィット・プロファイルに対する理解が不充分なため、処方者や患者がSGLT2阻害…
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静脈血栓塞栓症の急性期院内死亡率において、DOAC間で差はありますか?(日本のPSマッチコホート研究; Am J Cardiovasc Drugs. 2021)

静脈血栓塞栓症(VTE)に対する直接経口抗凝固薬(DOAC)の選択は医師の裁量によります。しかし、DOACの臨床データの特徴や差を知ることは、医師の選択の参考になります(他の薬剤との相互作用や適応症については、別の記事でまとめてありますので、そちらをご参照ください)。しかし、実臨床における院内死亡…
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安定した冠動脈疾患を有する心房細動に対するフレカイニド長期使用の有効性は?(PSマッチコホート研究; Am Heart J. 2022)

診療ガイドラインでは安定CAD患者集団におけるクラス1C抗不整脈薬を使用しないことが推奨されているが、、、 クラス1c抗不整脈薬(AAD)は、心筋梗塞の既往がある心室性不整脈の治療を受けている患者に害を及ぼすことが知られています。これは主に...
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新規2型糖尿病と診断された患者におけるインスリン治療の早期開始と糖尿病合併症との関連性は?(韓国PSマッチコホート研究; J Diabetes Investig. 2021)

インスリンは必須かつ強力な血糖降下剤である。2型糖尿病患者にとって、インスリン治療は経口糖尿病薬(OADs)による治療が無効となった後だけでなく、ヘモグロビンA1c値>9.0%で症候性高血糖または代謝異常がある患者の最初の治療として検討することができます。いくつかの研究により、新たに2型糖尿病と…
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心血管疾患または糖尿病患者におけるイコサペント酸エチルの有益性は腎機能に影響されない?(RCTの事後解析; REDUCE-IT RENAL試験; Circulation. 2021)

心血管系疾患(CVD)または心血管系危険因子が確立している患者において、低比重リポタンパク質コレステロールを標的とした薬物療法は、生存率を改善し、初回またはその後の心血管系イベントを予防し、冠動脈再灌流の必要性を低減します。高トリグリセリド血症は心血管イベントの独立した予測因子であるが、ナイアシン…
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心房細動患者の心血管アウトカムに対する早期のリズムコントロール vs. レートコントロール(後向き人口ベースコホート研究; J Am Heart Assoc. 2021)

心房細動は、脳卒中や心不全による死亡や罹患のリスクを高め、QOL(生活の質)を低下させることが報告されています。代表的なAFFIRM(Atrial Fibrillation Follow-up Investigation of Sinus Rhythm Management)試験を含む、リズムコン…
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心血管ハイリスク2型糖尿病に対するチルゼパチド vs. インスリン グラルギン(オープンRCT; SURPASS-4試験; Lancet. 2021)

Tirzepatide(チルゼパチド)は、グルコース依存性インスリン刺激性ポリペプチド(GIP)と、グルカゴン様ペプチド(GLP)-1の両インクレチンの作用を単一分子に統合した新規の週1回投与のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬です。GIPは当初、グルカゴン分泌を増加させ、血糖増加や脂質の蓄積…
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2型糖尿病患者の心血管イベントおよび全死亡率に対するピオグリタゾンの効果は?(RCTのメタ解析; NMCD 2021)

2型糖尿病は、インスリン分泌不全およびインスリン抵抗性を呈する内分泌代謝異常です。現在、さまざまな治療薬が上市されており、多くのエビデンスが蓄積されてきています。インスリン抵抗性を改善する薬剤としては、メトホルミン、ピオグリタゾン、イメグリミンが使用されていますが、有効性・安全性プロファイルは異な…
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心房細動におけるDOACの過少投与・過剰投与の有効性と安全性は?(SR&MA; Front Pharmacol. 2021)

脳卒中を予防するための治療、特に経口抗凝固薬の使用は、心房細動患者の管理に不可欠です。ランダム化比較試験(RCT)により、直接経口抗凝固薬(DOAC)の脳卒中予防効果は、ビタミンK拮抗薬(VKA)と比較して劣ることが確認されており、出血リスクも低いとされています。そのため、ダビガトラン、リバーロキ…
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急性心筋梗塞におけるサクビトリル-バルサルタン vs. ラミプリル(RCT; PARADISE-MI試験; N Engl J Med. 2021)

急性心筋梗塞患者に対するARNI使用はACE阻害薬よりも優れているのか? 動脈硬化により冠動脈の閉塞が進むと狭心症、心筋梗塞が引き起こされます。心筋梗塞の大半は急性心筋梗塞であり、突然襲われる胸痛発作が特徴的です。心筋梗塞発症後、通常2〜1...
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心不全を有さない心筋梗塞後患者に対するβ遮断薬の効果は?(SR&MA; Cochrane Database Syst Rev. 2021)

心血管疾患は、世界的に見ても死亡原因の第1位です。世界保健機関(WHO)によると、2012年の虚血性心疾患による死亡者数は740万人で、全死亡者数の15%を占めています。急性心筋梗塞後の心不全患者には、国内外の診療ガイドラインにおいてβ遮断薬が推奨されているため、よく使用されています。しかし、急性…
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α-グルコシダーゼ阻害剤が糖尿病発症および心血管アウトカムに与える影響は?(RCTのメタ解析; Cardiovasc Diabetol. 2019)

アカルボース、ミグリトール、ボグリボースなどのα-グルコシダーゼ阻害剤(AGI)は、糖尿病の管理に用いられる経口薬で、主に食後のグルコース濃度を低下させます。 耐糖能異常(IGT)の集団に使用することで、糖尿病への進行を遅らせることができるとされていますが、心血管(CV)への影響はまだ不明です。以…
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進行性CKDを伴う高血圧症に対するサイアザイド系利尿薬の降圧効果(RCT; CLICK試験; N Engl J Med. 2021)

進行した慢性腎臓病(CKD)患者の高血圧治療にサイアザイド系利尿薬を使用することを支持するエビデンスはほとんどありません。高血圧治療ガイドライン2019において、一般的に利尿薬を使用する場合は利尿作用は低いものの降圧作用が強いサイアザイド系利尿薬を、ループ利尿薬よりも優先して使用するよう記載されて…
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高齢者の心血管リスクにおける運動トレーニングの効果はどのくらい?(RCT; Eur Heart J. 2021)

高齢者は加齢に伴い身体機能の低下、心血管イベントのリスク増加が報告されています。高齢者の心血管リスクプロファイルにおける運動トレーニングの効果は明らかになっていません。そこで今回は、高齢者の心血管リスクプロファイルに対して、5年間の監督付き運動トレーニング(ExComb)の効果を検証したランダム化…
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心不全患者(HFpEF)の血漿中NT-proBNP濃度および最大下肢運動能力に対するサクビトリル/バルサルタン vs. 標準的薬物療法(代用のアウトカム; RCT; PARALLAX試験; JAMA. 2021)

心不全で左室駆出率が軽度低下または維持されている患者において、サクビトリル/バルサルタンと幅広いレニン・アンジオテンシン系阻害薬のバックグラウンド療法との比較で、サロゲート・アウトカム・マーカー(代用のアウトカム)である6分間歩行距離、QOLに及ぼす効果については、限られたエビデンスしかありません。
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