02_循環器系

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急性心不全で入院中の患者におけるエンパグリフロジン使用は有用ですか?(RCT; EMPULSE試験; Nat Med. 2022)

急性心不全は、65歳以上の高齢者における入院の最も一般的な原因であり、重大な罹患率、死亡率、QOLの低下と関連しています。急性心不全で入院した患者に対する薬物療法を検証した複数のランダム化比較試験では、退院後の転帰の改善は認められず、重大なアンメットニーズが浮き彫りになっています。急性心不全で入院…
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血液透析患者において血清リン値が高いとスタチン治療の有効性が低下する?(事後解析; Clin J Am Soc Nephrol. 2022)

透析患者におけるスタチンの心血管系疾患リスク低減効果は、一般人口に比べ低いことが報告されています。最近の実験データでは、リン酸塩過剰が3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル・コエンザイムA(HMG-CoA)還元酵素の活性化を通じて細胞のデノボコレステロール合成を促進することが示されました。したがって…
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心房細動患者における直接経口抗凝固薬とワルファリンとの比較(個人データを用いたNWM&MA; COMBINE AFデータベース; Circulation. 2022)

心房細動患者においてDOACとワルファリン、どちらが良いのか? 心房細動は、心房が小きざみに震え、十分に機能しなくなる不整脈のひとつです。 動悸がしたり、めまいや脱力感、胸の不快感を訴えます。心房細動では心房が小きざみにに震えることから血栓...
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2型糖尿病の腎アウトカムにおけるセマグルチドおよびリラグルチドの効果はどのくらい?(SUSTAIN6およびLEADERの事後プール解析; Circulation. 2022)

2型糖尿病(T2D)は、一般に糖尿病性腎臓病(DKD)と呼ばれる慢性腎臓病の発症・進展の主要な危険因子です。T2D患者の約50%が生涯にDKDを発症し、腎不全患者の約半数が糖尿病に起因しています。T2Dが世界的に負担増となっているのに伴い(WHO)、腎不全の有病率も増加傾向にあります。2030年ま…
02_循環器系

安定した胸痛におけるCTまたは侵襲的冠動脈造影検査(RCT; DISCHARGE試験; N Engl J Med. 2022)

閉塞性の冠動脈疾患(CAD)の診断において、コンピュータ断層撮影(CT)は侵襲的冠動脈造影(ICA)に代わる正確で非侵襲的な診断法です。しかし、CADの管理におけるCTとICAの比較有効性は、主要な有害心血管イベントの発生頻度を減少させるかどうかは不明です。そこで今回は、安定した胸痛患者におけるC…
02_循環器系

臓器障害を伴わない白衣性高血圧症による心血管死亡や死亡リスクはどのくらいですか?(データベース研究; Hypertension. 2022)

白衣性高血圧(WCH)は、心血管疾患などの既往、つまり臓器障害を有さなければ、心血管リスクをほとんど増加させない可能性が報告されています。このため、循環器系の診療ガイドラインにおいても同様の記載がなされていますが、この点において充分なエビデンスはありません。そこで今回は、PAMELA(Pressi…
02_循環器系

日本人ACS患者におけるクロピドグレルベースのDAPT 1~2ヵ月 vs. DAPT 12ヵ月(非盲検RCT; STOPDAPT-2 ACS; JAMA Cardiol. 2022)

急性冠症候群(ACS)患者は、慢性冠症候群(CCS)患者と比較して、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の心血管イベントの長期リスクが高いと考えられてきた。そのため、PCI後の二重抗血小板療法(DAPT)の推奨期間は、ACS患者ではCCS患者よりも長く設定されていました。最新の欧米ガイドライ…
02_循環器系

脳卒中二次予防においてスタチン系治療によるLDL-C減少はより強い方が良いですか?(RCTのメタ解析; JAMA Neurol. 2022)

脳卒中二次予防のためにスタチンを用いた積極的LDL-C低下療法を行なった方が良いのか? 低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値の上昇は、虚血性脳卒中を含む心血管疾患の危険因子です(PMID:26451029)。虚血性脳卒中の既往がある...
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高齢者における血圧治療後の脳卒中減少が得られるまでの時間はどのくらい?(メタ解析; J Am Geriatr Soc. 2022)

高血圧は、脳卒中の強力かつ一般的な修正可能な危険因子である。米国では、高血圧は成人の47%(2億4500万人)、65歳以上の高齢者の76%(4800万人)が罹患しています。脳卒中の有病率は年齢依存性が強く、高血圧は高齢者の脳卒中リスクを劇的に上昇させます。脳卒中の有病率は年齢依存性が強く、高血圧は…
02_循環器系

心房細動を伴う虚血性脳卒中後のDOAC開始における「1-2-3-4-Day」ルールは有用?(病院ベースコホート研究; Stroke. 2022)

非弁膜症性心房細動(NVAF)に関連した急性虚血性脳卒中(IS)または一過性脳虚血発作(TIA)後早期に開始した直接経口抗凝固薬(DOAC)を用いた抗凝固療法は、実際の臨床現場においてワルファリンと比較して、主に頭蓋内出血(ICH)のリスク低下に起因する不良臨床評価項目のリスク低減と関連しているこ…
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日本人早期心房細動患者に対するカテーテルアブレーションは予後およびQOLを改善する(コホート研究; KiCS-AFレジストリー; Heart Rhythm 2022)

カテーテルアブレーションはQOLが低下した患者の第一選択治療として広く用いられていますが、日本の心房細動(AF)症例において、カテーテルアブレーションが生存率やその他のアウトカムを改善するかどうかはまだ不明です。今回ご紹介するのは、慶應義塾大学病院の心房細動治療の診療および予後調査のためのレジスト…
02_循環器系

急性期脳卒中における脳卒中発症前の降圧薬継続と一時的な中止、どちらが良さそうですか?(患者個々のデータを用いたメタ解析; Hypertension. 2017)

急性期脳卒中患者における脳卒中発症前の降圧薬継続と一時的な中止、どちらが良いのか? 急性期脳卒中患者では血圧の一般的な上昇がみられ、そのうちの約75%は140/90mmHg以上であることが報告されています(PMID:17157679、PMI...
02_循環器系

【再掲】楽観主義者は悲観主義者と比較して心血管系イベントおよび全死亡リスクが低い?(コホート研究のSR&MA; JAMA Netw Open. 2019)

ネガティブな感情、社会的要因、ある種の慢性的なストレス状態と心臓の有害なアウトカムとの間に関連性があることは、広範なエビデンスによって証明されています。しかし、ポジティブ(楽観主義)およびネガティブ(悲観主義)なマインドセットと心臓リスクとの関連性については、あまり研究されていません。このような研…
02_循環器系

2型糖尿病に対するインスリン治療と急性冠症候群後の主要有害心血管イベントのリスクとの関係性は?(RCTの事後解析; BETonMACE試験; Cardiovasc Diabetol. 2021)

急性冠症候群(ACS)患者は、主要な有害心血管イベント(MACE)の発生リスクがより高いことが報告されています。2型糖尿病患者はACS患者の約30%を占め、2型糖尿病を有さない患者に比べてMACE再発のリスクが最大で2倍となることが報告されています。2型糖尿病患者の約25%では、高血糖をコントロー…
02_循環器系

日本人の非弁膜症性心房細動患者におけるエドキサバンの長期的な安全性と有効性は?(観察研究; ETNA-AF-Japan試験; J Arrhythm. 2021)

日本人心房細動患者に対するエドキサバンの長期的な安全性・有効性は? ランダム化臨床試験の結果、心房細動(AF)患者の脳卒中予防において、ワルファリンに対する直接経口抗凝固薬(DOAC)のアドバンテージが示されています(PMID: 19717...
02_循環器系

帯状疱疹後の脳卒中リスクはどのくらい?(ドイツ自己対照ケースシリーズ研究; PLoS One. 2016)

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染によって引き起こされる疾患ですが、その発症は、潜伏していたVZVの再活性化によって引き起こされます。帯状疱疹の重篤な合併症はVZV血管障害であり、虚血性または出血性脳卒中を引き起こす可能性があります。しかし、帯状疱疹後の脳卒中リスクがどの程度かにつ…
02_循環器系

臨床現場におけるGLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の比較:腎臓および心血管予後の関連性(コホート研究; Kidney Int. 2022)

2型糖尿病に対して多くの治療薬が上市されています。中でもグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬による心血管イベントの抑制効果が示されています。SGLT2阻害薬は心血管イベントだけでなく腎関連アウトカムについてもイベント発生抑制効果が報告され…
02_循環器系

コントロール不良の高血圧患者における自己血圧測定は血圧コントロールを改善しますか?(Open-RCT; TASMINH2試験; Lancet. 2010)

血圧のコントロールは心血管疾患予防の重要な要素ではありますが、血圧目標値の達成は困難です。血圧は病院や診療所で測定した場合と、家庭で測定した場合とで値が異なることが報告されています。このため、血圧の測定環境により血圧の目標値が異なります(高血圧治療ガイドライン2019)。基本的には病院や診療所にお…
02_循環器系

【批判的吟味】ポリファーマシーを有する高齢者におけるスタチン中止は、心血管アウトカムと死亡率に影響しますか?(後向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2021)

人口の高齢化に伴い、併存疾患を有する患者数が増加しています。併存疾患があると、多剤併用(Polypharmacy, ポリファーマシー)となりやすく、これは避けられない問題です。しかし、慢性疾患の併発及びポリファーマシー、両方の状態にさらされていると、認知機能障害などのさらなる病的状態や、薬物間の相…
01_中枢神経系

軽度の虚血性脳卒中および一過性脳虚血発作患者において、アスピリンに追加してチカグレロルとクロピドグレルを比較すると?(ネットワークメタ解析; JAMA Neurol. 2021)

クロピドグレル(プラビックス®️)とアスピリンによる二重抗血小板療法(DAPT)は、軽度の虚血性脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)後の脳卒中再発予防に有効であることが報告されています。クロピドグレルよりも新しい抗血小板薬であるチカグレロル(ブリリンタ®️)とアスピリンの使用に関するエビデンスも集積…
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