【Up To Date for DOAC】DOACの有効性・安全性比較(ナラティブレビュー; 最終更新月2021年8月)

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DOAC/OACをどのように使い分けるのか?

直接経口抗凝固薬(Direct Oral Anticoagulant, DOAC)あるいは経口抗凝固薬(OAC)は、ビタミンK拮抗薬であるワルファリンと比較して、食事との相互作用が少なく、頻繁なモニタリングを必要としない(正確にはモニタリングできる検査項目がほぼない)薬剤です。

これまでに4種類の薬剤が発売されていますが、どのように使い分けるのかについての情報は限られています。

そこで今回は、DOAC/OACの情報をまとめ比較表を作成しました。

DOAC/OACのまとめ・比較表

追加情報:心房細動患者における非ビタミンK拮抗薬の経口抗凝固薬 NOACsの使用に関する実践的ガイド(欧州不整脈学会 European Heart Rhythm Association, EHRA 2021)

Table 1. 心房細動患者におけるNOAC治療の適応と禁忌の選択

患者の状態NOACの適格性コメント
機械的人工弁禁忌■主要なランダム化比較試験の
対象患者から除外されている。
■2件の臨床試験では
転機悪化が示された
RE-ALIGN試験RIWA試験
中等度〜重度の僧帽弁狭窄症
(通常はリウマチ性)
禁忌■主要なランダム化比較試験の
対象患者から除外されている。
■VKAに比べ有効性・安全性が
低いことの根拠が乏しい
その他の軽度〜中等度の
心臓弁膜症
NOAC試験に
組入れられている

使用許可
■有効性と安全性に関するデータは、
心臓弁膜症のない患者と同様(ESC、17-22)
■NOACランダム化比較試験からのいくつかのデータ
VKAに対する非劣性を示した単一のRCT(RIVER試験)
心房細動のない患者は通常、術後3〜6ヵ月で
アスピリンを使用するため、心房細動と診断された場合、
脳卒中予防のためにNOAC療法が許容される
重症の大動脈弁狭窄症限られたデータ
RE-LY試験
除外されている)
■有効性と安全性が低いとする病態生理学的な根拠がない
■ほとんどの人が介入を受ける
経カテーテル大動脈弁留置術使用許可■RCT 1件 + 観察データ
 おそらく抗血小板療法の併用が必要
経皮的大動脈弁形成術慎重投与■前向きデータはない
 おそらく抗血小板療法の併用が必要
肥大型心筋症使用許可■VKAと比較して有効性と安全性が劣ることの合理性はない
 観察データによればNOACsの方が良い結果

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