1型糖尿病に対するSGLT-2阻害薬の安全性は?(RCTのSR&MA; Diabetes Obes Metab. 2020)

bike chain number one Diabetes mellitus 糖尿病
Photo by Miguel Á. Padriñán on Pexels.com

Evaluation of the safety of sodium-glucose co-transporter-2 inhibitors for treating patients with type 1 diabetes

Weihao Wang et al.

Diabetes Obes Metab. 2020

PMID: 32436630

DOI: 10.1111/dom.14092

Keywords: safety, SGLT-2 inhibitors, type 1 diabetes.

目的

1型糖尿病(T1D)患者の治療に使用されるナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の総合的な安全性評価(ケトアシドーシス、性器感染症、体液量減少、肝・腎障害イベント、心血管イベント、下痢、重度の低血糖を含む)を行うこと。

材料と方法

2000年から2020年3月5日までにSGLT-2阻害薬を用いてT1Dを治療したランダム化比較試験を3つのデータベース(Pubmed、Embase、コクランライブラリー)で検索した。

結果

・検索基準に合致する論文1,653件のうち、22件の研究が定性的な結果を含んでおり、そのうち8件が定量的な結果を含んだランダム化臨床試験であった。

・SGLT-2阻害薬治療群は対照群と比較して、ケトアシドーシス(P<0.00001、OR 4.34、95%CI 2.37〜7.96、I2=18%)、中止に至るイベント(P<0.0001、OR 1.76、95%CI 1.34〜2.31、I2=0%)、性器感染症(P<0.00001、OR 3.64、95%CI 2.82〜4.70、I2=0%)、体液量減少(P=0.006、OR 2.10、95%CI 1.23〜3.59、I2=4%)、下痢(P=0.008、OR 1.64、95%CI 1.14〜2.36、I2=0%)の発生率増加が明らかになった。しかし、サブグループ解析によると、下痢のリスクは用量に関連していた。

・尿路感染症、心血管イベント、腎イベント、肝障害、骨折の発生率は、対照群と比較して治療群で有意差はなかった。

結論

治療法としての有望性を示したにもかかわらず、T1D患者へのSGLT-2阻害薬の適用は慎重に検討されるべきである。

コメント

1型糖尿病は、生体内(内因性)インスリンの絶対的な不足による持続的な高血糖状態を示す内分泌代謝異常であることから、基本的に即効型・持効型インスリンを使用します。

近年、1型糖尿病に対してSGLT-2阻害薬を使用することで、より血糖コントロールが良好となることが研究結果で示されています。2020年12月現在、1型糖尿病の適応を有するSGLT-2阻害薬はイプラグリフロジン(スーグラ®️)とダパグリフロジン(フォシーガ®️)だけです。

さて、本試験結果によれば、1型糖尿病に対するSGLT-2阻害薬の使用により、対象群と比較して、ケトアシドーシス、中止に至るイベント、性器感染症、体液量減少、下痢の発生率が増加しました。一方、尿路感染症、心血管イベント、腎イベント、肝障害、骨折については、対照群と差がみられなかったようです。

過去の報告と大きな乖離はないように思います。前述の副作用については、個々のイベント発生率も踏まえて注意深くモニタリングしていくことが重要であると考えます。

✅まとめ✅ 1型糖尿病に対するSGLT-2阻害薬の使用は、対象群と比較して、ケトアシドーシス、中止に至るイベント、性器感染症、体液量減少、下痢の発生率が増加した

コメント

タイトルとURLをコピーしました