安定した関節リウマチ患者に対するプレドニゾロン継続の有効性と安全性はどのくらいですか?(DB-RCT; SEMIRA trial; Lancet 2020)

elderly person during drawing therapy 未分類
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Continuing versus tapering glucocorticoids after achievement of low disease activity or remission in rheumatoid arthritis (SEMIRA): a double-blind, multicentre, randomised controlled trial

et al.

Lance. 2020 Jul 25;396(10246):267-276.

doi: 10.1016/S0140-6736(20)30636-X.

PMID: 32711802

DOI: 10.1016/S0140-6736(20)30636-X

Funding: F Hoffmann-La Roche.

背景

関節リウマチなどの炎症性疾患患者には、しばしばグルココルチコイドが投与されるが、長期的な使用は副作用をもたらす可能性がある。

経口グルココルチコイドの漸減を導くためのランダム化比較試験からのエビデンスは乏しい。

我々は、関節リウマチ患者において、低用量の経口グルココルチコイドを継続して使用する場合と比較して、経口グルココルチコイドを漸減させる方法を検討した。

方法

Steroid EliMination In Rheumatoid Arthritis(SEMIRA)試験は、6ヵ国(フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、セルビア、チュニジア)の39施設で実施された二重盲検、多施設、2つの並行群間比較ランダム化試験である。

トシリズマブとグルココルチコイド5~15mg/日を24週間以上投与されている成人の関節リウマチ患者は、プレドニゾン5mg/日を4週間以上投与されており、ランダム化試験の4~6週間前と当日のDAS28-ESR(Disease Activity Score for 28 joints-erythrocyte sedimentation rate)が3~2以下であることが確認された、安定した低疾患活動性を有する場合に組み入れの対象となった。

患者は1:1の割合でランダム割り付けられ、プレドニゾン5mg/日(盲検下)を24週間継続するか、16週目に0mg/日に達するまでプレドニゾンを漸減するか(盲検下)のいずれかに割り付けられた。

全患者にトシリズマブを投与(162mgを毎週皮下投与、または8mg/kgを4週ごとに静脈内投与)し、24週間の試験期間中は安定した用量で維持した。

主要アウトカムは、ベースラインから24週目までの平均DAS28-ESR変化率の差であり、継続群と漸減群の間で0.6以上の差を臨床的に関連性があると定義した。

所見

・2015年10月21日から2017年6月9日までの間に患者 421例がスクリーニングされ、259例(女性 200例[77%]、男性 59例[23%])が本試験にリクルートされた。

・プレドニゾン継続群に割り付けられた患者 128例では、プレドニゾン漸減群に割り付けられた患者 131例と比較して、疾患活動性のコントロールが優れていた。

・ベースラインから24週目までのDAS28-ESRの推定平均変化量は、プレドニゾン漸減群で0.54(95%CI 0.35〜0.73)、プレドニゾン継続群で-0.08(-0.27~0.12)であり(差 0.61 [0.35〜0.88]; p<0.0001)、1日5mgのプレドニゾンを24週間継続した方が有利であった。

・治療成功(24週目に疾患活動性が低く、24週目に関節リウマチのフレアがなく、副腎不全が確認されなかったと定義)では、プレドニゾン継続群 99例(77%)に対し、プレドニゾン漸減群 85例(65%)であった(相対リスク 0.83、95%CI 0.71〜0.97)。

・重篤な有害事象が発現したのは、漸減群で7例(5%)、継続群で4例(3%)であり、症候性副腎不全は認められなかった。

解釈

トシリズマブで低疾患活動性を達成し、少なくとも24週間のグルココルチコイド治療を継続した患者では、1日5mgのグルココルチコイドを24週間継続することは、3分の2の患者が安全にグルココルチコイドの用量を漸減することができたが、より安全で良好な疾患コントロールを提供したのはグルココルチコイドの継続の方であった。

コメント

グルココルチコイドは強力な抗炎症作用を有することから、自己免疫性疾患における疾患活動性の高い時期に使用されます。しかし、漫然と投与されることも多く、長期使用においては副作用が生じやすいことから漸減、これに続く使用中止の是非が問われています。

さて、本試験結果によれば、トシリズマブとグルココルチコイド5~15mg/日を24週間以上投与されている成人の関節リウマチ患者において、ベースラインから24週目までのDAS28-ESRの推定平均変化量は、プレドニゾン漸減群で0.54(95%CI 0.35〜0.73)、プレドニゾン継続群で-0.08(-0.27~0.12)であり、その差は0.61(0.35〜0.88; p<0.0001)でした。

アウトカム評価時点が24週目であり、この設定が短かった可能性はあります。より長期間の試験では結果に差がないかもしれません。また本試験では、群間差0.6以上を臨床的に関連性があると定義していますが、根拠となる文献等は示されていません。この設定が妥当であるか否かについて、今後のエビデンス集積を待ちたいと思います。

慢性疾患において24週間は比較的、実施期間が短いと考えます。トシリズマブ及びグルココルチコイド5~15mg/日を24週間以上投与され、疾患活動性が低く保たれている患者においては、漸減しないほうが良いのかもしれません。どのような患者で早期にグルココルチコイドを漸減できるのか、今後追っていきたいと思います。

✅まとめ✅ トシリズマブで低疾患活動性を達成し、少なくとも24週間のグルココルチコイド治療を継続した患者におけるベースラインから24週目までのDAS28-ESRの推定平均変化量は、プレドニゾン漸減群で0.54(95%CI 0.35〜0.73)、プレドニゾン継続群で-0.08(-0.27~0.12)であり、1日5mgのプレドニゾンを24週間継続した方が有利だった

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