ゼチーア®️併用によりワーファリン®️の効果が増強され安定化される?(Heart Vessels. 2017)

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Ezetimibe enhances and stabilizes anticoagulant effect of warfarin.

Hashikata T, et al.

Heart Vessels. 2017.

PMID: 27052207

【目的】

エゼチミブは、ニーマンピックC1様タンパク質1(Niemann-Pick C1-like protein 1, NPC1L1)を阻害することにより、低密度リポタンパク質コレステロールの血漿レベルを低下させる。最近の研究では、NPC1L1がビタミンKを含む脂溶性ビタミンの吸収に重要な役割を果たすことが実証された。エゼチミブの追加治療がワルファリンを服用している患者の抗凝固に影響するかどうかを評価した。

【方法】

2007年10月から2015年3月までに、ワルファリンによる経口抗凝固療法をすでに受けていた合計101人の外来患者に対してエゼチミブの投与が開始された。

血中脂質レベル、プロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)および治療INR範囲(TTR)の時間を後向き(遡及的)に分析した。

【結果】

71人の患者(70%)は、エゼチミブ治療後にPT-INRの増加を示した(1.96±0.45〜2.20±0.61、p <0.001)。臨床適応のために101人中9人においてワルファリン投与量を減らす必要が生じた。

ベースラインでのPT-INR変化とスタチン使用量の間には、有意な正の相関があった(p = 0.03)。スタチンを服用している患者のPT-INR変化の平均値(0.34±0.54 vs. 0.06±0.36、p = 0.03)、TTRの増加(52±26 から 61±23%、p <0.0001)およびエゼチミブ併用後のワルファリン投与量を変更する頻度の減少[735検査日のうち45回(6%)から695検査日のうち20回(3%)、p = 0.02]は、スタチンを服用していない患者よりも有意に大きかった。

【結論】

本研究データは、ワルファリンとエゼチミブの薬物相互作用の可能性を示唆している。 エゼチミブは、特にスタチンを服用している患者において、ワルファリンの抗凝固効果を高め、安定させる可能性がある。


【コメント】

アブストのみ。

ワーファリン®️とゼチーア®️のビタミンKを介した相互作用、作用機序としては相関していそう。実際にワーファリン®️の用量変更に至ったのは10人に1人程度でしょうか。ワーファリン®️服用中(特にスタチン併用)の患者における新規のゼチーア®️使用により、PT-INRが延長した場合は、相互作用の可能性も考慮した方が良いのかもしれないですね。もちろん食事や環境の変化についてヒアリングは必要ですが。

ただ如何せん検討した症例数(101例)が少ない。

今後の報告に期待したい。

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