デンマークのマスク着用者におけるSARS-CoV-2感染予防のための他の公衆衛生対策にマスク推奨を追加することでCOVID-19感染を防げますか?(Open-RCT; DANMASK-19; Ann Intern Med. 2020.

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Effectiveness of Adding a Mask Recommendation to Other Public Health Measures to Prevent SARS-CoV-2 Infection in Danish Mask Wearers : A Randomized Controlled Trial

Henning Bundgaard et al.

Ann Intern Med. 2020.

PMID: 33205991

DOI: 10.7326/M20-6817

ClinicalTrials.gov: NCT04337541

Primary funding source: The Salling Foundations.

背景

マスク着用は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染を軽減するという観察的証拠が示唆されている。

この観察された関連性が、感染していないマスク着用者の保護(保護効果)によるものなのか、感染したマスク着用者からの感染の減少(感染源制御)によるものなのか、あるいはその両方によるものなのかは不明である。

目的

マスクが一般的ではなく、推奨される公衆衛生対策にも含まれていない状況において、家庭外での手術用マスクの使用を推奨することで、マスク着用者のSARS-CoV-2感染リスクが低下するかどうかを評価すること。

試験デザイン

ランダム化比較試験(DANMASK-19 [Danish Study to Assess Face Masks for the Protection Against COVID-19 Infection])。

試験設定

デンマーク、2020年4月および5月。

試験参加者

職業用マスクを使用せずに1日3時間以上屋外で過ごす成人。

介入

コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の社会的遠距離対策に従うよう促すことに加えて、マスクの推奨なしまたは他のヒトの間で自宅外で手術用マスク着用の推奨のいずれかを、50枚の手術用マスクの供給と適切な使用方法の説明書とともに行う。

測定

一次アウトカムは、抗体検査、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、またはマスク着用者の1ヵ月後のSARS-CoV-2感染であった。

副次的転帰は、他の呼吸器ウイルスに対するPCR陽性率であった。

結果

・合計3,030例の参加者がマスク着用推奨群に、2,994例が対照群にランダム割り付けさ、4,862例が試験を終了した。

・SARS-CoV-2への感染は、マスク着用推奨群42例(1.8%)、対照群53例(2.1%)で発生した。群間差は-0.3%ポイント(95%CI -1.2~0.4%ポイント;P=0.38)であった。

★オッズ比 0.82[95%CI 0.54~1.23];P=0.33

・追跡期間の喪失を考慮した多重代入法でも同様の結果が得られた。観察された差は統計的に有意ではなかったが、95%CIは46%の減少から23%の感染増加に適合していた。

試験の限界

決定的な結果が得られていないこと、データが欠落していること、アドヒアランスにばらつきがあること、自宅での検査で患者から報告された所見があること、盲検化が行われていないこと、マスク着用者から他のヒトへの感染を減少させることができるかどうかの評価が行われていないこと。

結論

他の公衆衛生対策を補完するために手術用マスクの着用を推奨しても、感染率が中程度で、ある程度の社会的距離があり、一般的なマスクの使用が非一般的な地域では、マスク着用者のSARS-CoV-2感染率を50%以上低下させることはできなかった。

このデータは、自己防衛の程度が低い場合にも適合するものであった。

コメント

マスク着用によるSARS-CoV-2感染の抑制効果は?

以前からマスク着用によるSARS-CoV-2感染の抑制効果については議論が分かれていました。一方で、SRAS-CoV-2は飛沫感染することから、理論的にはマスクで飛沫を防ぐことができると考えられます。

マスク着用が一般的ではない地域での検討結果

デンマークにおいて、マスク着用が一般的ではない地域において、ソーシャルディスタンスの推奨に加え、配布した手術用マスクの着用を推奨することで、COVID-19感染拡大を抑えられるか検討されました。

今回の研究で明らかになったことは?

社会的遠距離対策に従うよう促すことに加えて、マスク推奨なしまたは自宅外で手術用マスク着用の推奨のいずれかを、手術用マスク50枚の供給と適切な使用方法の説明書とともに実施した本研究において、SARS-CoV-2への感染に差は認められませんでした。

ただし、本試験におけるマスク着用率は50%を下回っていました。試験デザインから、致し方ない面もありますが、本試験結果をもってマスクの効果がないとは言えません。

ソーシャルディスタンス、手洗い、アルコール消毒に加え、現時点においてはマスク着用が必要であると考えます。

✅まとめ✅ 手術用マスク着用を推奨しても、感染率が中程度かつ、ある程度の社会的距離があり、一般的なマスク使用が非一般的な地域においては、マスク着用者のSARS-CoV-2感染率を有意に低下させることはできなかったが、マスク着用率は50%未満であったことから内的妥当性が低いと考えられる

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