― 高齢者230万人から優先対応すべき処方カスケードを探索した研究(BMJ. 2026)
- 高齢者の処方における課題とは?
- 臨床疑問
- 研究の背景
- 研究デザイン
- PECO
- 「優先すべき処方カスケード」をどう決めた?
- 65種類のうち24種類が優先候補に
- 試験結果から明らかになったことは?
- aSR 2.55とはどういう意味?
- Prescription Sequence Symmetry Analysisとは?
- 性別で結果はほぼ同じだった
- 主要結果をまとめると
- この研究を薬剤師としてどう読むか
- 批判的吟味:研究の限界
- この研究の強み
- 「処方カスケード」をメディケーション・レビューにどう組み込むか
- 実務的には「Drug BからDrug Aへ遡る」
- まとめ
- ✅まとめ✅ カナダの後ろ向きコホート研究の結果、優先順位付けされた24の不適切な処方カスケードが示唆された。本研究結果は、高齢者の薬剤安全性を個々の患者レベルおよび集団レベルで改善するための処方および減薬に関する取り組みや政策策定に役立つ可能性がある。
- 根拠となった試験の抄録
- 引用文献
高齢者の処方における課題とは?
高齢患者の処方を見ていると、
薬Aを開始
↓
新しい症状が出現
↓
別の疾患だと判断
↓
症状を治療するため薬Bを追加
ということがあります。
しかし、その「新しい症状」が実は薬Aによる有害事象(副作用)だったとしたらどうでしょうか。薬Bを追加するより、薬Aの減量・中止・変更を検討した方がよかったかもしれません。
これが処方カスケード(prescribing cascade)の基本的な考え方です。近年のレビューでも、処方カスケードは特に高齢者の不適切なポリファーマシーにつながり得る一方、既存研究の多くが後ろ向き研究で、定義や評価法にも異質性があることが指摘されています。
今回のBMJ研究は「では、数多く提唱されている処方カスケードのうち、実際の高齢者集団で優先して注意すべきものはどれなのか?を約230万人という巨大なリアルワールドデータから検討しました。
臨床疑問
地域在住高齢者において、潜在的に不適切な処方カスケードのうち、原因薬の使用頻度、カスケード発生率、薬剤開始順序の時間的関連から、優先的に注意すべき組み合わせはどれか?
研究の背景
処方カスケードとは?
典型的な処方カスケードは、
Drug A
↓
有害事象
↓
新しい疾患・症状と判断
↓
Drug Bを追加
という流れです。
例えば、一般論として「Ca拮抗薬 → 下肢浮腫 → 利尿薬追加」のようなパターンが代表例として研究されています。2025年のアイルランドの研究でも、Ca拮抗薬→利尿薬は調整済みシーケンス比(aSR)1.93(95% CI 1.79–2.09)というシグナルを示しました。問題なのは、薬が増えることだけではありません。
薬Bにも有害事象があり、そこからさらに薬Cが追加されれば、Drug A → Drug B → Drug C……とポリファーマシーが複雑化する可能性があります。
65種類の候補から「優先順位」をつける
今回の研究でユニークなのは、処方カスケードの存在を単に列挙したのではなく「どのカスケードを優先して対策すべきか」を定量的に評価したことです。
研究者らは、2025年の国際デルファイ法による専門家による合意によって特定された「65種類の不適切な処方カスケードが生じる可能性」を対象としました。
そして3つの指標を使って優先順位を決めています。
研究デザイン
Population-level retrospective cohort study(集団レベル後ろ向きコホート研究)です。対象はカナダ・オンタリオ州の医療行政データ。2022年1月1日時点で生存していた地域在住の66歳以上が対象です。
総対象者数は2,297,942人、女性は54.3%でした。つまり約230万人という非常に大規模な高齢者集団です。
PECO
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| P:対象 | カナダ・オンタリオ州の地域在住66歳以上、2,297,942人 |
| E:曝露 | 65種類の潜在的に不適切な処方カスケードにおける最初の薬剤の新規使用 |
| C:比較 | 処方シーケンスの対称性解析における薬剤開始順序 |
| O:評価 | 原因側薬剤の集団使用率、カスケード発生率、調整済みシーケンス比(aSR) |
| 研究デザイン | 集団レベル後ろ向きコホート研究 |
「優先すべき処方カスケード」をどう決めた?
今回の研究では3条件すべてを満たすものを優先順位付けされたカスケードとしました。
- 最初の薬剤の集団使用率 ≥5%
- 処方カスケード発生率 ≥1%
- 調整済みシーケンス比(aSR)>1
さらに厳密には、各指標について95% CIの下限も対応する閾値を上回ることが条件でした。この設計はなかなか合理的です。
例えば強い時間的関連があっても、対象となる薬剤をほとんど誰も使っていなければ人口への影響は限定的です。
逆に非常によく使われる薬同士でも、薬Bが薬Aの後に増えるという時間的シグナルがなければ、処方カスケードとして優先する根拠は弱くなります。
つまり、「よく使われる」×「実際に組み合わせが発生する」×「A→Bという時間的関連がある」の3方向から評価したわけです。
65種類のうち24種類が優先候補に
結果として24/65種類(37%)が3つの優先順位付けの基準をすべて満たしました。つまり、専門家のコンセンサスで「潜在的に問題になり得る」とされた65種類すべてが、人口レベルで同じ重要度だったわけではありません。
最初の薬として最も広く使われていたのは心血管系薬
優先順位リストの中で、処方カスケードを開始する薬剤として集団使用率が高かったのは、cardiovascular drugs(心血管系薬)でした。
薬剤クラスによる使用率は19.0~65.9%でした。
高齢者で降圧薬などの心血管系薬が広く使用されていることを考えると、個々のカスケードの発生確率だけでなく、母集団への影響の大きさを考える必要があります。
試験結果から明らかになったことは?

発生率が最も高かった処方カスケード
ここからが具体的な結果です。
最も発生率が高かったのは次の3つでした。
| 処方カスケード | 発生率 | 95% CI |
|---|---|---|
| 鉄剤 → 下剤 | 11.9% | 11.7–12.1% |
| HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン) → 鎮痛薬 | 10.9% | 10.7–11.0% |
| コリンエステラーゼ阻害薬 → 睡眠薬 | 10.3% | 9.9–10.7% |
いずれも約10人に1人前後という数字です。ただし、ここで非常に重要な注意があります。
11.9%の「鉄剤→下剤」がすべて鉄剤による便秘を治療するために処方された、と証明されたわけではありません。
行政データから観察された処方連鎖の可能性です。この区別は本研究全体を通して重要です。
① 鉄剤 → 下剤:11.9%
今回最も発生率が高かったのが鉄剤 → 下剤でした。臨床的には、経口鉄剤による便秘はよく知られているため、
鉄剤開始
↓
便秘
↓
下剤追加
というカスケードは充分に考えられます。ただし、行政データ上は「なぜ下剤が処方されたか」まで確定できません。したがって、11.9%=鉄剤による便秘発生率ではありません。
② スタチン → 鎮痛薬:10.9%
2番目はスタチン → 鎮痛薬でした。臨床的にはスタチン使用後の筋症状などが想定されるカスケードですが、ここも「スタチンによる筋痛だった」とデータベースから証明されたわけではありません。鎮痛薬を必要とする別の疾患が後から発生した可能性もあります。
③ コリンエステラーゼ阻害薬 → 睡眠薬:10.3%
3番目はコリンエステラーゼ阻害薬 → 睡眠薬でした。認知症患者ではもともと睡眠障害を伴うこともあり、Drug A → adverse effect → Drug Bという単純な因果関係だけでは説明できません。
この点も後ほど批判的吟味で重要になります。
「時間的関連」が最も強かったカスケード
次に研究者らは、調整済みシーケンス比(aSR)を用いて「薬Bは薬Aより前ではなく、薬Aの後に開始されやすいか?」を評価しました。aSRが1より大きいほど、A→Bという順序が逆順より多いことを示します。
最も強かったのは次の3つでした。
| 処方カスケード | aSR | 95% CI |
|---|---|---|
| 副腎皮質ステロイド → 抗精神病薬 | 2.55 | 2.47–2.64 |
| 下剤 → 止瀉薬 | 2.53 | 2.43–2.65 |
| コリンエステラーゼ阻害薬 → 制吐薬 | 2.24 | 1.90–2.65 |
これは非常に興味深い結果です。
aSR 2.55とはどういう意味?
例えば、副腎皮質ステロイド → 抗精神病薬:aSR 2.55という結果があります。これは大まかには、研究で設定された解析条件のもとで、副腎皮質ステロイド → 抗精神病薬という開始順序が、その逆順よりも期待以上に多かったことを意味します。
しかし、「副腎皮質ステロイドを使うと抗精神病薬が必要になるリスクが2.55倍」と解釈してはいけません。aSRは通常のコホート研究のリスク比ではありません。
処方順序対称性解析(PSSA)による順序の非対称性を表す指標です。
Prescription Sequence Symmetry Analysisとは?
この研究を理解するうえで最も重要な方法論です。
例えば、Drug A → Drug Bという処方カスケードを疑うとします。もし両薬剤が無関係なら、A→BとB→Aという開始順序は、おおむね対称になるはずです。
ところが、A→Bが明らかに多いのであれば、「Aの開始後にBが必要になる何らかの理由が存在するのでは?」というシグナルになります。
これを利用するのがprescription sequence symmetry analysis(PSSA:処方順序対称性解析)です。
さらに今回のaSRでは、時間経過による処方トレンドなどを調整しています。PSSAは近年の処方カスケード研究で最も頻繁に用いられている手法の一つです。
性別で結果はほぼ同じだった
研究では性別による層別解析も行っています。ほとんどの処方カスケードでaSRは男女間で一貫していました。例外となったのが、SSRIまたはSNRI → 過活動膀胱治療薬です。
男性ではaSR 1.21(95% CI 1.10–1.33)、女性ではaSR 1.02(95% CI 0.96–1.09)でした。
つまり、この処方順序の非対称性は男性でより強く観察されたという結果です。ただし、これも、「男性だけにSSRI/SNRIが過活動膀胱を起こす」と証明したものではありません。
主要結果をまとめると
約230万人の地域在住高齢者を解析した結果、65候補中24種類(37%)が、①原因側薬剤の使用率、②カスケード発生率、③時間的関連の3基準をすべて満たしました。
特に目立ったのは、以下の3つです。
- 鉄剤 → 下剤:11.9%
- スタチン → 鎮痛薬:10.9%
- コリンエステラーゼ阻害薬 → 睡眠薬:10.3%
そして、時間的関連として関連性が高いのは以下の3つでした。
- ステロイド → 抗精神病薬:aSR 2.55
- 下剤 → 止瀉薬:aSR 2.53
- コリンエステラーゼ阻害薬 → 制吐薬:aSR 2.24
この研究を薬剤師としてどう読むか
今回の結果を「この24組は処方してはいけない組み合わせ」と読むのは間違いです。むしろ、「Drug Bが新しく追加されたときに、Drug Aの副作用を治療するための処方になっていないか、一度立ち止まって確認する価値が高い組み合わせ」と理解するのが実務的です。
例えば、鉄剤を飲んでいる患者に下剤が追加されたとき、「便秘ですね。下剤を追加しましょう」だけではなく、「便秘はいつからなのか?」、「鉄剤開始後なのか?」、「鉄剤の必要性や剤形・用量を再評価するタイミングか?」、「他の要因はないか?」というメディケーション・レビューにつなげるわけです。
批判的吟味:研究の限界
① 最重要:「処方カスケードの可能性」であって、実際の因果関係を証明していない
今回の研究で最も重要な注意点です。
研究者らが評価したのは、潜在的に不適切な処方カスケードです。例えば、スタチン → 鎮痛薬という順序が観察されても、
スタチン
↓
筋痛
↓
鎮痛薬
だったとは限りません。たまたま変形性関節症が悪化して鎮痛薬が処方された可能性もあります。
つまり、処方順序 ≠ 薬剤使用による有害事象(薬の有害反応)による因果関係です。
② 行政データなので「なぜ処方されたか」が分からない
Health administrative data(医療行政データ)は、約230万人という巨大な集団を解析できる反面、臨床的な処方理由を詳細に把握することには限界があります。
処方カスケードを本当に確定するには、Drug A開始 → 有害事象発生 → それを別疾患と判断 → Drug B開始という臨床経過を確認する必要があります。
行政データだけでは、この全過程を直接確認できません。
実際、別の2026年のオランダ研究では、データベースで抽出した処方カスケードの可能性を医師・薬剤師が診療録から個別レビューする方法も採られています。
③ aSRはリスク比ではない
これは数字を紹介するとき特に注意が必要です。ステロイド → 抗精神病薬
aSR 2.55だからといって「ステロイドで抗精神病薬処方リスクが155%増加した」とは言えません。
aSRはA→BとB→Aという処方開始順序の非対称性を評価する指標です。通常のRR、HR、ORとは意味が異なります。
④ 時間的関連は因果関係ではない
Bradford Hill Criteria(ブラッドフォールド・ヒル基準:因果性を判断するための目安)的に考えても、一時性は因果推論の重要な条件です。しかし、AがBより先だっただけでは、AがBを引き起こしたとは言えません。
年齢、基礎疾患、疾患進行、医療機関受診、ポリファーマシーなどが両方の処方に影響している可能性があります。
⑤ 適切な処方カスケードも存在し得る
「prescribing cascade(処方カスケードの可能性)」という言葉そのものを、必ずしも「有害な処方」と同義にしてはいけません。原因薬Aに明確な治療上の利益があり、その有害事象を薬Bで適切に管理しながら継続する方が患者にとって利益が大きい場合もあります。
今回の研究も潜在的に不適切なカスケードを扱っています。したがって、処方カスケードを発見 → Drug Bを即中止ではありません。重要なのは、原因薬を続ける利益 vs 副作用 vs Drug Bを追加する利益・害を患者ごとに評価することです。
⑥ 優先順位の閾値は研究上の定義
今回の「有病率 ≥5%、発生率 ≥1%、aSR >1」という3条件は、研究者が集団レベルでの優先順位付けのために設定したものです。
したがって、基準を満たさなかった41種類=臨床的に重要ではないという意味ではありません。頻度は低くても、重篤な有害事象につながるカスケードなら個々の患者では非常に重要です。
人口への影響と個々の臨床的意義は別物です。
⑦ カナダ・オンタリオ州の66歳以上が対象
対象は、オンタリオの66歳以上の地域在宅の成人です。したがって、日本人、65歳未満、入院患者、施設入所者、処方慣行や保険制度の異なる国への一般化には注意が必要です。
特に薬剤の選択・処方頻度は国の医療制度や承認状況によってかなり変わります。
この研究の強み
一方、今回の研究には明確な強みがあります。まず、2,297,942人という非常に大きな人口ベースコホート研究です。さらに、研究者が恣意的に数個のカスケードを選んだのではなく、国際エキスパートコンセンサスで抽出された65種類を体系的に評価しています。
そして、有病率 + 発生率 + 時間的関連性という異なる3軸を組み合わせています。つまり、「存在しそうなカスケード」を列挙する研究から、「どれから対策するべきか」を考える研究へ一歩進めた点が、この論文の大きな価値でしょう。
「処方カスケード」をメディケーション・レビューにどう組み込むか
この研究は、以前取り上げたメディケーション・レビューとも非常に相性の良い考え方です。患者に新しい症状が出たとき「どの薬を追加するか?」の前に「最近開始・増量された薬はないか?」を確認する。
そして新しい薬が追加されたとき「この薬は、別の薬の副作用を治療するために追加されていないか?」と逆方向に処方歴をたどる。
上記の視点だけでもメディケーション・レビューの質はかなり変わります。今回の24種類は、そうしたレビューの優先的なトリガー候補として使える可能性があります。
実務的には「Drug BからDrug Aへ遡る」
処方カスケードというとDrug A → 有害事象反応 → Drug Bと覚えがちです。しかし薬剤師の実務では、逆向きに考える方が使いやすいかもしれません。
例えば、
下剤が追加された → 最近、鉄剤が始まっていないか?
鎮痛薬が追加された → 最近、スタチンが始まっていないか?
睡眠薬が追加された → コリンエステラーゼ阻害薬との時間関係は?
という考え方です。
つまり、新薬 → なぜ? → 既存の薬が原因の可能性はあるのか?というチェックです。
これは今回の研究結果を日常の薬歴レビューへ落とし込む、一つの実践的な方法でしょう。
まとめ
RochonらのBMJ研究は、カナダ・オンタリオ州の地域在住高齢者2,297,942人を対象として、国際エキスパート・コンセンサスで抽出された65種類の潜在的に不適切な処方カスケードを人口レベルで評価した後ろ向きコホート研究です。
原因側薬剤の使用率≥5%、カスケード発生率≥1%、aSR>1という3条件を満たしたのは24/65種類(37%)でした。
発生率が特に高かったのは、以下の3つでした。
鉄剤 → 下剤:11.9%
スタチン → 鎮痛薬:10.9%
コリンエステラーゼ阻害薬 → 睡眠薬:10.3%
一方、処方順序の時間的関連が特に強かったのは、以下の3つでした。
ステロイド → 抗精神病薬:aSR 2.55
下剤 → 止瀉薬:aSR 2.53
コリンエステラーゼ阻害薬 → 制吐薬:aSR 2.24
ただし、本研究が検出したのは処方パターンと時間的関連です。Drug Aが有害事象を引き起こし、それを新たな不定愁訴などと誤認してDrug Bが処方されたという個々の因果関係を証明したものではありません。
したがって、この論文の臨床的メッセージを一文で表すなら、高齢患者に新しい薬が追加されたとき、その薬だけを見るのではなく「これは以前から使用している薬の有害事象を治療するための追加処方ではないか?」と処方歴を一つ前に遡って考える。今回特定された24種類は、そのメディケーション・レビューを優先的に行うための手掛かりとなり得る というところでしょう。
特に薬剤師にとっては「新しい症状→新しい薬」という直線的な思考から「新しい症状→既存薬を再評価」という逆向きの思考へ切り替えるきっかけになる、実務との親和性が高い研究だと思います。
薬剤師は、しばしば薬剤による副作用(薬の有害反応)を念頭に置いてしまいますが、患者背景の変化(居住環境や食生活、行動パターンなど)の方が影響度は大きいと考えられます。
目の前の患者に何が起きていて、何が要因なのか、他の要因はないのか、そもそも是正した方が良いのか、など患者へのヒアリングや他の医療従事者の意見を参考にするなど、薬の有害反応に対する解像度を上げるための情報収集を行った方が良いでしょう(ケアマネージャーさんや訪問看護師さんからの情報はかなり有益です)。
目の前の患者にとって最良な状態とは何なのか?今一度、問い直したいところです。
再現性の確認を含めて更なる検証が求められます。
続報に期待。

✅まとめ✅ カナダの後ろ向きコホート研究の結果、優先順位付けされた24の不適切な処方カスケードが示唆された。本研究結果は、高齢者の薬剤安全性を個々の患者レベルおよび集団レベルで改善するための処方および減薬に関する取り組みや政策策定に役立つ可能性がある。
根拠となった試験の抄録
目的: 人口における有病率、発生率、および最初の薬剤と後続の薬剤との時間的関連性に基づいて、潜在的に不適切な処方連鎖を特定し、優先順位付けすること。
研究デザイン: 集団レベルの後向きコホート研究。
試験設定: カナダ、オンタリオ州の地域在住高齢者を対象とした、医療行政データ。
試験参加者: 2022年1月1日時点で生存している、地域社会で生活する高齢者2,297,942人。
主な評価指標: 2025年の国際専門家デルファイコンセンサスにより、潜在的に不適切な処方カスケードが65件特定された。各処方カスケードについて、分析コホートは、登録期間中に最初の薬剤とそれに続く薬剤の組み合わせを新たに使用した患者で構成された。処方カスケードを開始した薬剤の人口有病率と、最初の薬剤とそれに続く薬剤の組み合わせの発生率が測定され、処方シーケンス対称性分析から得られた調整済みシーケンス比を使用して、最初の薬剤とそれに続く薬剤間の時間的関連性の強さが評価された。優先されるカスケードは、最初の薬剤の人口有病率が5%以上、処方カスケードの発生率が1%以上、調整済みシーケンス比が1より大きく、95%信頼区間(CI)の下限が各指標の対応する閾値を超えるものであった。結果は性別で層別化された。
結果: コホートは66歳以上の2,297,942人(女性54.3%)で構成されていた。24の処方カスケード(37%)が3つの優先順位付け基準すべてを満たした。優先順位付けされたリストから、心血管系薬剤が処方カスケードの開始薬として最も多かった(薬剤クラス範囲19.0~65.9%)。最も発生率の高いカスケードは、鉄剤から下剤(11.9%、95%信頼区間11.7~12.1%)、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A還元酵素阻害薬から鎮痛剤(10.9%、10.7~11%)、コリンエステラーゼ阻害薬から睡眠薬(10.3%、9.9~10.7%)であった。調整済みシーケンス比として報告された時間的関連性は、コルチコステロイドから抗精神病薬(2.55、95% CI 2.47~2.64)、下剤から止瀉薬(2.53、2.43~2.65)、コリンエステラーゼ阻害薬から制吐剤治療(2.24、1.90~2.65)で最も高かった。調整済みシーケンス比は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬から過活動膀胱薬カスケードを除いて、性別で層別化した場合一貫していた。このカスケードは、高齢男性(1.21、1.10~1.33)の方が高齢女性(1.02、0.96~1.09)よりも強かった。
結論: この優先順位付けされた24の不適切な処方カスケードのリストは、高齢者の薬剤安全性を個々の患者レベルおよび集団レベルで改善するための処方および減薬に関する取り組みや政策策定に役立つ可能性がある。
引用文献
Exploring high priority potentially inappropriate prescribing cascades in older adults: population level retrospective cohort study
Paula A Rochon et al. PMID: 42727946DOI: 10.1136/bmj-2026-100499
BMJ. 2026 Sep 10:394:e100499.doi: 10.1136/bmj-2026-100499.
― 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42727946/


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