コロナ後遺症のリスク低減効果に優れる薬剤はどれですか?(QB-RCT; COVID-OUT試験; Lancet Infect Dis. 2023)

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コロナ後遺症の発症リスクを低減する薬剤とは?

COVID-19後遺症(long COVIDとも呼ばれる)は、数百万人が罹患する可能性のある新たな慢性疾患です。しかし、有効な治療戦略は確立されていません。

そこで今回は、SARS-CoV-2感染後すぐにメトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミンによる外来COVID-19治療を行うことで、コロナ後遺症のリスクが低下するかどうかを検討することを目的としたランダム化比較試験の結果をご紹介します。

本試験は、米国の6施設で分散化、ランダム化、四重盲検、並行群間、第3相試験(COVID-OUT)でした。COVID-19の症状が7日未満で、登録前3日以内にPCRまたは抗原検査でSARS-CoV-2陽性が証明された30~85歳の過体重または肥満の成人を対象としました。参加者は、2×3の並行要因ランダム化(1:1:1:1:1:1)により、メトホルミン+イベルメクチン、メトホルミン+フルボキサミン、メトホルミン+プラセボ、イベルメクチン+プラセボ、フルボキサミン+プラセボ、プラセボ+プラセボの投与群にランダムに割り付けられました。参加者、治験責任医師、ケア提供者、アウトカム評価者は試験群の割り付けについてマスクされました。

本試験の主要アウトカムは14日目までの重症COVID-19であり、これらのデータは以前に発表されています。本試験は全国遠隔地で実施されたため、事前に設定された主要標本は修正intention-to-treat標本であり、つまり、試験治療を一度も受けなかった参加者は除外されました。医療提供者によるコロナ後遺症の診断は、事前に規定された長期副次的アウトカムでした。

試験結果から明らかになったことは?

2020年12月30日から2022年1月28日の間に、6,602例が適格性を評価され、1,431例が登録されランダムに割り付けられました。試験治療の投与を受け、修正intention-to-treat集団に含まれた1,323例の参加者のうち、1,126例が長期フォローアップに同意し、180日目のコロナ後遺症の評価後に少なくとも1回の調査に回答しました(564例がメトホルミンを、562例がマッチさせたプラセボを投与された;メトホルミン vs. プラセボ試験の参加者のサブセットは、イベルメクチンまたはフルボキサミンの投与群にもランダムに割り付けられた)。1,126例中1,074例(95%)が少なくとも9ヵ月の追跡を完了しました。1,126例中632例(56.1%)が女性、494例(43.9%)が男性であり、632例中44例(7.0%)が妊婦でした。年齢中央値は45歳(IQR 37〜54)、BMI中央値は29.8kg/m2(IQR 27.0〜34.2)でした。

メトホルミン投与群
(95%信頼区間)
プラセボ投与群
(95%信頼区間)
ハザード比 HR
(95%信頼区間)
コロナ後遺症の累積発生率6.3%
(4.2〜8.2)
10.4%
(7.8〜12.9)
HR 0.59
0.39〜0.89
p=0.012)
(症状発現後3日以内にメトホルミンを開始した場合)HR 0.37
0.15〜0.95

全体として、参加者1,126例のうち93例(8.3%)が300日目までにコロナ後遺症の診断を受けたと報告しました。300日目までのコロナ後遺症の累積発生率は、メトホルミン投与群では6.3%(95%信頼区間 4.2〜8.2)、マッチングプラセボ投与群では10.4%(同7.8〜12.9)でした(ハザード比[HR]0.59、95%信頼区間 0.39〜0.89;p=0.012)。メトホルミンの有益な効果は事前に規定されたサブグループで一貫していました。症状発現後3日以内にメトホルミンを開始した場合のHRは0.37(95%CI 0.15〜0.95)でした。

コロナ後遺症の累積発生率
(95%CI)
イベルメクチンHR 0.99(0.59〜1.64
フルボキサミンHR 1.36(0.78〜2.34

イベルメクチン(HR 0.99、95%CI 0.59〜1.64)またはフルボキサミン(1.36、0.78〜2.34)はプラセボと比較してコロナ後遺症の累積発生率に影響を及ぼしませんでした。

コメント

新型コロナ感染症の終息は困難であり、季節性インフルエンザのように共存していくことが求められています。Withコロナ時代で課題となるものの一つにコロナ後遺症があげられ、治療方法の確立が求められています。

さて、四重盲検ランダム化比較試験の結果、メトホルミンによる外来治療は、プラセボと比較してコロナ後遺症(long COVID)を約41%減少させ、絶対減少率は4.1%でした。一方、イベルメクチンやフルボキサミンの効果は認められませんでした。

なぜメトホルミンがこのような効果を示すのかについては解明されていませんが、今後コロナ後遺症の治療選択薬の一つにあげられるようになるのかもしれません。追試が求められます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ 四重盲検ランダム化比較試験の結果、メトホルミンによる外来治療は、プラセボと比較してコロナ後遺症(long COVID)を約41%減少させ、絶対減少率は4.1%であった。一方、イベルメクチンやフルボキサミンに同様の効果は認められなかった。

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