院内臨床悪化リスクのある成人の自動識別(N Engl J Med. 2020)

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Automated Identification of Adults at Risk for In-Hospital Clinical Deterioration

Gabriel J Escobar et al.

N Engl J Med. 2020 Nov 12;383(20):1951-1960. doi: 10.1056/NEJMsa2001090.

Funded by the Gordon and Betty Moore Foundation and others.

背景

入院中の成人で、病棟(集中治療室[ICU]以外の場所)にいる間に病状が悪化する患者は、かなりの罹患率と死亡率を示している。

臨床症状悪化のリスクがある患者の早期発見は、これまで手動で計算されたスコアに頼ってきた。

差し迫った臨床症状の悪化を自動で検出した後のアウトカムはあまり報告されていない。

方法

電子カルテの情報を用いて臨床悪化のリスクが高い入院患者を特定する有効なモデル(リアルタイムでのリスクスコアの自動計算が可能)に基づいて、高リスクと特定された患者のカルテを看護師が遠隔監視し、その結果を病院の迅速対応チームに伝える介入プログラムを開発した。

我々は、システムが稼働している病院(介入施設:アラートが臨床的な対応につながった病院)でアラートの閾値に達した入院患者(ICU内の患者を除く)のアウトカム(主要評価項目:アラート後30日以内の死亡率を含む)と、システムがまだ導入されていない病院(比較施設:システムが稼働していればアラート後に患者の状態が臨床的な対応の引き金となっていたであろう病院)のアウトカムを比較した。

多変量解析では、人口統計学的特徴、疾患の重症度、および共存する疾患の負担を調整した。

結果

・2016年8月1日から2019年2月28日までの間に、病院 19施設で段階的にプログラムを導入した。

・患者 326,816例が関与した 548,838件の非ICU入院を確認した。

・合計 43,949件の入院(患者 35,669例を含む)には、状態がアラート基準値に達した患者が含まれていた。介入コホートには15,487件の入院が含まれ、比較コホートには28,462件の入院が含まれていた。

・アラート後30日以内の死亡率は、介入コホートの方が比較コホートよりも低かった。

★調整後相対リスク 0.84、95%信頼区間 0.78~0.90;P<0.001

結論

迅速対応チームによる介入が可能なハイリスク患者を同定するための自動予測モデルの使用は、死亡率の減少と関連していた。

コメント

入院患者のリスクスコアをリアルタイムで自動計算

本試験の研究チームは、電子カルテの情報を用いて、入院患者のリスクスコアをリアルタイムで自動計算するモデルを作成したとのことです。このモデルにより臨床悪化のリスクが高い入院患者を特定することができるようです。

本研究から明らかになったことは?

2016年8月1日〜2019年2月28日に、対象病院 19施設で実施されました。

介入コホートには15,487件の入院が含まれ、比較コホートには28,462件の入院が含まれており、これらを比較すると、アラート後30日以内の死亡率は、介入コホートの方が比較コホートよりも低かったようです。調整後相対リスクは0.84(95%信頼区間 0.78~0.90;P<0.001)でした。

有料論文であるため、各コホートにおける死亡数やNNTはわかりませんでした。

今後の課題は?

比較的大規模に行われた研究であり、結果も有効のようですが、予測モデルの妥当性について、追加の研究が必要であると考えます。

またICU患者は除外されていますので、本予測モデルがどのような患者で有効であるのかについても、検証する必要があると考えます。

今後の研究結果に期待。

✅まとめ✅ 警告後30日以内の死亡率は、介入コホートの方が比較コホートよりも低かった

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