米国成人の死亡率と低炭水化物および低脂肪食の関連性はどのくらいですか?(米国人口ベース後向きコホート研究; JAMA Intern Med. 2020)

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Association of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets With Mortality Among US Adults.

Shan Z et al.

JAMA Intern Med. 2020 Jan 21.

doi: 10.1001/jamainternmed.2019.6980.

PMID: 31961383

PMCID: PMC6990856 [Available on 2021-01-21] 

試験の重要性

低脂肪・低炭水化物食と死亡率との関連を調査する際には、炭水化物と脂肪の質と種類を取り入れることが極めて重要である。

目的

米国成人の総死亡率および原因別死亡率と低炭水化物および低脂肪食の関連を調査する。

試験デザイン、設定、参加者

本プロスペクティブコホート研究では、1999年から2014年までの米国国民健康・栄養検査調査(US National Health and Nutrition Examination Survey)のデータを用い、20歳以上の成人37,233人の24時間食事想起データを用いた。

データは2019年7月5日から8月27日まで分析した。

曝露

炭水化物、脂肪、タンパク質の総量およびサブタイプとしてのエネルギーの割合に基づく、全体的、不健康、および健康的な低炭水化物食および低脂肪食のスコア。

主要アウトカムと測定方法

ベースラインから2015年12月31日までの全死亡率を、全米死亡インデックス死亡率データにリンク。

結果

・合計 37,233 人の米国成人(平均[SD]年齢 49.7[18.3]歳;女性19,598人[52.6%])が今回の解析に含まれた。

・297,768人・年の追跡調査期間中に4,866人が死亡した。

・全体的な低炭水化物食と低脂肪食のスコアは総死亡率と関連していなかった。食事スコアの20%上昇あたりの総死亡率の多変量調整ハザード比は、以下の通り;

   不健康な低炭水化物-食事スコアでは HR =1.07(95%CI 1.02〜1.11;傾向についてはP = 0.01)

   健康な低炭水化物-食事スコアでは HR =0.91(95%CI 0.87〜0.95;傾向についてはP < 0.001)

   不健康な低脂肪-食事スコアではHR =1.06(95%CI 1.01〜1.12;傾向としてはP = 0.04)

   健康的な低脂肪-食事スコアではHR =0.89(95%CI 0.85〜0.93;傾向としてはP < 0.001)の相関がみられた。

・層別化解析および感度解析においても、関連は同様であった。

結論と関連性

本研究では、全体的な低炭水化物食および低脂肪食のスコアは総死亡率とは関連していなかった。不健康な低炭水化物食と低脂肪食のスコアは総死亡率の高さと関連していたが、健康な低炭水化物食と低脂肪食のスコアは総死亡率の低さと関連していた。

これらの所見から、低炭水化物および低脂肪食と死亡率との関連は、多量栄養素の質および食品供給源に依存する可能性があることが示唆された。

コメント

低炭水化物食および低脂肪食スコアと総死亡率との関連性について検討した試験。

試験結果によれば、不健康な低炭水化物食と低脂肪食スコアは総死亡率の高さと関連し、健康な低炭水化物食と低脂肪食のスコアは総死亡率の低さと関連していた。

ただし、本研究は観察研究であり、あくまでも相関関係。また個人的に、効果推定値はそこまで高くないと考える。死亡リスク増加への影響は他の因子の方が大きいのではないでしょうか。

✅まとめ✅ あくまでも相関関係であるが、不健康な低炭水化物食と低脂肪食スコアは総死亡率の高さと関連し、健康な低炭水化物食と低脂肪食のスコアは総死亡率の低さと関連していた

コメント

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