医療従事者のCOVID-19予防において医療用マスクとN95マスクはどちらが優れていますか?(RCTのSR&MA; Influenza Other Respir Viruses. 2020)

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Medical Masks vs N95 Respirators for Preventing COVID-19 in Healthcare Workers: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials

Jessica J Bartoszko et al.

Influenza Other Respir Viruses. 2020 Apr 4.

doi: 10.1111/irv.12745.

PMID: 32246890

Keywords: COVID-19; N95 respirators; SARS-CoV-2; coronavirus; masks; meta-analysis; systematic review.

背景

呼吸器保護装置は、2019年新型コロナウイルス疾患(COVID-19)の感染ハイリスクにある医療従事者から保護するために重要である。

しかしながら、推奨事項は相反するものであり、COVID-19に対する相対的な有効性に関する疫学的データは限られている。

目的

医療従事者における実験室で確認されたウイルス感染とコロナウイルスを含む呼吸器疾患を特異的に予防する上で、医療用マスクをN95マスクと比較すること。

データソース

2014年1月1日から2020年3月9日までのMEDLINE、Embase、CENTRAL。

1990年1月1日から2014年12月9日までに実施された公開検索の更新。

研究の選択

医療従事者における医療用マスクとN95マスクの保護効果を比較したランダム化比較試験(RCT)。

データ抽出

査読者2人が独立してスクリーニングを行い、データを抽出し、バイアスのリスクとエビデンスの確実性を評価した。

データ合成

・RCT4件をクラスタリングを調整してメタ分析した。

・医療用マスクの使用は、N95マスクと比較して、実験室で確認されたウイルス(コロナウイルスを含む)呼吸器感染(OR =1.06;95%CI 0.90〜1.25;I2 = 0%;エビデンスの確実性は低い)または臨床的呼吸器疾患(OR =1.49;95%CI 0.98〜2.28;I2 = 78%;エビデンスの確実性は非常に低かった)を増加させなかった。

・コロナウイルスを別々に評価した試験は1件のみで、2群間の差は認められなかった(P = 0.49)。

試験の限界

利用可能な証拠の間接性と不正確さ。

結論

確実性の低い証拠は、医療用マスクとN95マスクは、エアゾールを発生させないケア中の医療従事者のコロナウイルスを含むウイルス性呼吸器感染症に対しても同様の保護を提供することを示唆している。

このパンデミックでは、高リスクでエアゾールを発生させる処置のためのN95マスクの保存は、供給が不足している場合に検討されるべきです。

コメント

マスクの性能比較についてはよく話題にあがりますね。

さて、今回の研究では、医療用マスクとN95マスクの効果を比較するために、RCTを対象にメタ解析を行っています。レビュー後に採択された研究は4 件と少なく、またアウトカムによっては異質性が高いため、結果をそのまま受け入れるのは難しいと考えます。

ただし、コロナウイルスを含むウイルス呼吸器感染については、異質性がない(あるいはかなり低い)ため、結果の方向性は一貫していそうです。しかし、エビデンスの確実性、つまり内的妥当性は低そうです。

ウイルス呼吸器感染については、医療用マスクとN95マスクで感染予防効果に差はなさそうですが、結果の信頼性は低いかもしれない、という矛盾を含んでいます。

医療資源が限られている場合は、N95マスクの温存のため、医療用マスクを優先して使用する根拠となるかもしれませんね。

✅まとめ✅ 医療用マスクはN95マスクと比較して、コロナウイルスを含むウイルス呼吸器感染または臨床的呼吸器疾患の感染リスクを増加させなかった

コメント

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