心不全患者にメトグルコ®️を使っても問題ありませんか?(観察研究のSR; Circ Heart Fail. 2013.)

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Comparative safety and effectiveness of metformin in patients with diabetes mellitus and heart failure: systematic review of observational studies involving 34,000 patients. Review article

Eurich DT, et al.
Circ Heart Fail. 2013.
PMID: 23508758

【背景】

心不全(Heart Failure, HF)におけるメトホルミンの安全性と有効性に関しては、継続的な論争がある。 したがって本研究では、糖尿病およびHF患者におけるメトホルミンの試験および非試験的エビデンスの体系的レビューを実施した。

【方法と結果】

糖尿病およびHF患者におけるメトホルミンと心不全罹患率および死亡率との関連を評価することを目的とした。 対照研究の包括的な調査を実施した。 レビューア2人が引用を個別に識別し、データを抽出し、品質を評価した。 リスクの推定値が抽出され、必要に応じてプールされた。全体的な安全性の尺度として、すべての原因による死亡とすべての原因による入院を調査した。 ・9つのコホート研究が含まれた。ランダム化比較試験は特定されなかった。ほとんどの研究(9研究のうちの5研究)は2010年に発表され、質の高いものでした。 ・メトホルミンは、対照と比較して死亡率の低下に関連していた(主にスルホニル尿素療法):23% vs. 37% プール調整リスク推定値 =0.80, 95%信頼区間CI 0.74〜0.87; I(2)= 15%; P <0.001 ・左心室駆出率が低下した患者(死亡率プール調整済みリスク推定値 =0.91, 0.72〜1.14; I(2)= 0%; P = 0.34)、およびHFおよび慢性腎疾患の患者では、メトホルミンのリスク増加は観察されなかった(プール調整後リスク推定値 =0.81, 0.64〜1.02; P = 0.08)。 ・メトホルミンは、すべての原因による入院のわずかな減少と関連していた。 プール調整済みリスク推定値 =0.93, 0.89〜0.98; I(2)= 0%; P = 0.01 ・メトホルミンは、乳酸アシドーシスのリスク増加と関連していなかった。

【結論】

エビデンス総体について、糖尿病およびHFの患者、および左室駆出率の低下または付随する慢性腎臓病の患者でさえ、メトホルミン使用は他のグルコース低下治療と少なくとも同じくらい安全であることが示唆された。 治験データが利用可能になるまで、メトホルミンは、糖尿病とHFの患者にとって最適な治療法とみなされるべきである。

【コメント】

アブストのみ。 今更ながらメトグルコ®️の添付文書の禁忌の項に記載のある心不全が気になり論文検索を行った。 さて、結果としてはメトホルミン使用により総死亡や乳酸アシドーシスのリスク増加は認められなかった。 さらに対象集団によっては総死亡の減少が認められた。]]>

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