中耳炎患者におけるティンパノメトリーの検査精度はどのくらいですか?(小規模横断研究; Acta Otorhinolaryngol Belg. 1995)

この記事は約3分で読めます。
ランキングに参加しています!応援してもよいよという方はポチってください!

The accuracy of tympanometry assessed by its sensitivity and specificity. Szucs E, et al. Acta Otorhinolaryngol Belg. 1995. PMID: 7484149

【試験背景】

ティンパノメトリーは、滲出性中耳炎(OME)診断のために広く受け入れられている診断ツールである。 本研究では、ティンパノメトリーの感度と特異性を計算することで技術精度を評価した。

【方法と結果】

慢性滲出性中耳炎と再発性中耳炎の子供40人が研究に参加した。術前のティンパノグラムを鼓室穿刺術の手術所見と比較し、感度と特異度のデータを計算した。 手術の待機期間中に、B型ティンパノグラム(滲出液)の約3分の1がA型(滲出液なし)またはC型(滲出液あり)に変化し、中耳腔からの液体の吸収を示した。 感度スコアは、C型ティンパノグラムで95%だった。 C型ティンパノグラムを計算に含めると、感度は73%に低下し、Cタイプのティンパノグラムの場合には液体が頻繁に存在することを示していた。 腺様(アデノイド)肥大の存在下におけるティンパノメトリーの感度は83%、特異度は90%と、より信頼性があると評価された。 アデノイド肥大が存在しないと、感度が58%に低下し、特異性が71%に低下した。 これらの結果は、吸入による麻酔の誘導が、アデノイド肥大およびそれに伴う耳管機能不全の存在下で中耳に与える影響が少ないことを示している可能性がある。

【結論】

ティンパノメトリーは、滲出性中耳炎の診断において、信頼できる診断ツールであることが証明された。術前の長い待ち時間とアデノイド肥大の欠如は、術前のティンパノグラムと鼓室穿刺で観察される中耳の状態との相違の原因となり得る。

【コメント】

アブストのみ。
近所の耳鼻科では使用していないティンパノメトリー。中耳炎における精度はどのくらいなのか気になり本論文を読んでみました。 もともとティンパノメトリーは、鼓膜の動きの程度を調べる医療機器です。 medickのサイトにわかりやす解説がありました↓ https://medick.biz/resources/upload/products/th-k-01202.jpg 別のグラフはこちら↓ A型(ピークが 0 mmH2O, daPa)正常 B型(ピークがなく平坦)中耳炎の可能性あり C型(ピークが -100 daPa以下に見られる)耳管狭窄症の疑い またティンパノメトリーの精度は、アデノイド肥大があるときに最大化(感度83%, 特異度90%)するようです。 アデノイドについてはMSDマニュアルのサイトがわかりやすかったです↓
The Trusted Provider of Medical Information since 1899
MSDマニュアル(米国およびカナダではMerckマニュアルと呼ばれます)は、1899年以後現在に至るまで、医師、学生、および家庭向けの医学文献マニュアルのグローバルスタンダードになっています。
ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における耳、鼻、のどの病気/扁桃とアデノイドの腫れ アデノイドを観察するには鼻腔からのファイバースコープとかが必要でしょうか。専門家の先生にご教示いただきたいところ。]]>

コメント

タイトルとURLをコピーしました