長時間労働は脳卒中リスク?(フランス人口ベースのコホート研究; CONSTANCES cohort; Stroke 2019)

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Association Between Reported Long Working Hours and History of Stroke in the CONSTANCES Cohort. Fadel M, et al. Stroke. 2019. PMID: 31216962

【背景と目的】

長時間労働(Long Working Hours, LWHs)は脳卒中の潜在的な危険因子である。本研究の目的は、大規模な一般集団コホートにおいてこの関連を調査することだった。

【方法】

フランスの人口ベースコホートCONSTANCES(年齢、性別、喫煙、および勤務時間に関する情報をベースラインの自己管理型アンケートから検索するために使用)。 他の心血管系危険因子および以前の脳卒中の発生は、平行した医学的インタビューから得られた。 LWHは、少なくとも年間50日間に、1日10時間以上の労働時間 と定義した。 主にアルバイトをしている参加者は、LWH曝露前に脳卒中を患っている参加者と同様に除外された。 ロジスティックモデルを使用して、LWHと脳卒中の関連性を年齢、性別、職業別に層別化して推定した。 追加のモデル化では、最初に報告された作業曝露から5年以内に脳卒中が発生した被験者を除外した。

【結果】

・分析に参加した143,592人のうち、1,224人(0.9%)で脳卒中が報告され、42,542人(29.6%)がLWHを報告した。LWHのうち10年間以上だったのは14,481人(10.1%)。 ・LWHは脳卒中のリスク増加と関連していた。 調整後オッズ比 =1.29(95%CI 1.11〜1.49) ・LWHに10年以上さらされたことは脳卒中とより強く関連していた。 調整オッズ比 =1.45(95%CI 1.21〜1.74) ・上記の関連性において性差は認められなかったが、50歳未満のホワイトカラー労働者において関連性がより強く認められた。

【結論】

本大規模な分析結果は、脳卒中と10年間以上にわたるLWHへの曝露との間の有意な関連性を明らかにしている。 本知見は個人と世界の予防に関連している。

【コメント】

アブストのみ。 誘導期間として5年を設定している点が試験デザインとして優れているなと感じました。 本研究の長時間労働の定義は、1日10時間以上の労働を年間50日以上行うこととしていました。 言い換えると、1日2時間以上の残業を年間50回行うこと、つまり1日2時間以上の残業を、月に4回超コンスタントに行うということです。ただ医師の場合、優に超えている数字かなとも思います(本当にお疲れ様です)。 さて、結果としては長時間労働と脳卒中リスクとの間に有意な関連性が認められてました。しかし効果推定値をみるとリスクとしてはそこまで高くないな、という印象です。 もちろんリスク増加は少ないとしても、国民の数が多ければ、それだけ集団全体としての該当者が増えることになります。従って少しでもリスクを下げた場合の益は見込めます。 だらだら書いてきましたが言いたいことは一つです。 皆さん、仕事はほどほどにして休みましょう。]]>

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