骨減少症の高齢女性に対するリクラスト®️の効果はどのくらいですか?(NEJM 2018)

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Fracture Prevention with Zoledronate in Older Women with Osteopenia.

Reid IR et al. N Engl J Med. 2018 Dec 20;379(25):2407-2416. doi: 10.1056/NEJMoa1808082. Epub 2018 Oct 1. PMID: 30575489

試験の背景

ビスホスホネート製剤は、骨粗鬆症(osteoporosis)患者の骨折を予防しますが、骨減少症(osteopenia)の女性におけるそれらの有効性は不明です。閉経後女性における骨折のほとんどは骨減少症の女性に起こるため、骨減少症の女性に対する有効な治療法が必要です。

方法

65歳以上の骨減少症の女性2,000例(両側の股関節または大腿骨頸部のいずれかでTスコアが -1.0-2.5)を含む6年間の二重盲検試験を実施した。 参加者は、ゾレドロネート(リクラスト®️、ゾレドロネート群)または生理食塩水(プラセボ群)のいずれかを18ヶ月間隔で4回投与するようにランダムに割り当てられた。 11gのカルシウムの食事摂取が勧められましたが、カルシウムのサプリメントは提供されませんでした。 ビタミンDサプリメントを摂取していない参加者は、試験開始前(2.5 mgの単回投与)および試験中(1.25 mg /月)にビタミンD3であるコレカルシフェロールを投与されました。 主要評価項目は、非椎骨または脊椎の脆弱性骨折が最初に発生するまでの時間でした。

結果

ベースライン時の平均(±SD)年齢は71±5歳、大腿骨頸部のTスコアは-1.6±0.5、中央値10年の股関節骨折リスクは2.3%でした。 脆弱性骨折は、プラセボ群の女性190人およびゾレドロネート群の女性122人に発生した(ゾレドロネートのハザード =0.63, 95%信頼区間 0.500.79; P <0.001)。 1人の女性における骨折の発生を防ぐために治療を必要とする女性の数は15人でした。 プラセボ群と比較して、ゾレドロネートを投与された女性は非脊椎脆弱性骨折(ハザード比 =0.66; P = 0.001)、症候性骨折(ハザード比 =0.73; P = 0.003)、脊椎骨折(オッズ =0.45; P = 0.002)、および身長の減少(P <0.001リスクが低かった。

結論

非脊椎または脊椎の脆弱性骨折リスクは、プラセボを投与された女性よりもゾレドロネートを投与された骨減少症の女性において有意に低かった。 (ニュージーランド健康研究評議会による助成。オーストラリアニュージーランド臨床試験登録番号、ACTRN 12609000593235)。

コメント

アブストのみ ゾメタ®️かと思ってました💦リンコ先生、ご指摘ありがとうございます! ビスホスホネート系薬剤であるリクラスト®️使用により、骨減少症の高齢女性における脊椎および非脊椎骨折リスクが低かった。NNTBは15とかなり良い値。是非ともクラスエフェクトであって欲しいところ。 ただリクラスト®️は点滴静注なのですよねー。腎機能に応じて用量調節し、15分以上かけて点滴するところがネックですよね。年1なら負担は軽そう。 話は変わりますが、恥ずかしながら、骨減少症という概念を知りませんでした。 世界保健機構(World Health Organization, WHO)が2004年に提唱した定義によると、正常骨減少症骨粗鬆症重度の骨粗鬆症というように4つに分類しているようです。データは白人の閉経後女性からのみとのことで他の人種への適用を考慮しなくてはなりませんが、今のところ他に指標となりそうなものが見当たりませんので以下の指標を使おうかなと。Tスコアが重要そうですな。  
The categories for diagnosis are: ・normal (T-score -1.0 and above) ・low bone mass, referred to as osteopenia (T-score between -1.0 and -2.5) ・osteoporosis (T-score -2.5 and below) ・severe osteoporosis (T-score -2.5 and below with history of a fracture) These criterion applied only to white postmenopausal women since the research data was primarily limited to this group. In addition, diagnosis could only be based on three skeletal sites of measurement: lumbar spine, hip, or forearm.
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