【コレステロールを下げた方が良いのはダレか?】寿命が1年以内ならスタチンを中止しても問題ないですか?(非劣性RCT; JAMA Intern Med. 2015)

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Safety and benefit of discontinuing statin therapy in the setting of advanced, life-limiting illness: a randomized clinical trial.

Kutner JS et al.

JAMA Intern Med. 2015 May;175(5):691-700. doi: 10.1001/jamainternmed.2015.0289.

TRIAL REGISTRATION: clinicaltrials.gov Identifier: NCT01415934.

PMID: 25798575

【試験の重要性】

予後が限られている患者の場合、特に利益が発生するのに何年もかかる場合、いくつかの投薬リスクが利益を上回る場合がある。スタチンはその一例である。

平均寿命が限られている患者のスタチン療法を中止するリスクと利点に関するデータが不足している。

【目的】

緩和ケア環境の患者に対するスタチン中止の安全性、臨床的および費用への影響を評価する。

【試験設計、設定および参加者】

本試験は、多施設、並行群、非盲検、実用的な臨床試験だった。適格性には、平均余命が1ヶ月〜1年の成人、心血管疾患の一次または二次予防のための3ヶ月以上のスタチン療法、最近の機能状態の悪化、最近の活動性心血管疾患がない成人が含まれる。

参加者は、スタチン療法を中止または継続するためにランダム化され、最大1年間、毎月モニターされた。

本研究は、2011年6月3日から2013年5月2日まで実施された。すべての分析は、治療目的のアプローチを使用して実施された。

【介入】

スタチン療法は、中止グループにランダム化された適格患者から中止された。継続群の患者は、スタチン投与を継続した。

【主なアウトカムと対策】

アウトカムには、60日以内の死亡(一次転帰)、生存、心血管イベント、パフォーマンスステータス、クオリティオブライフ(QOL)、症状、非スタチン薬の数、およびコスト削減が含まれた。

【結果】

・合計381人の患者が登録された。これらのうち189人がスタチン中止群、192人が治療継続群にランダム化された。

・平均(SD)年齢は74.1(11.6)歳で、参加者の22.0%が認知障害、48.8%が悪性腫瘍だった。

・60日以内に死亡した中止群と継続群の参加者の割合は有意差がなく(23.8% vs. 20.3%; 90%CI -3.5%〜10.5%; P = 0.36)、非劣性エンドポイントを満たしていなかった。

・総QOLはスタチン療法を中止したグループの方が優れていた(平均McGill QOLスコア 7.11 vs. 6.85、P = 0.04)。

・心血管イベントを経験した参加者はほとんどいなかった(中止グループでは13人、継続グループでは11人)。

・平均的なコスト削減は、1日あたり3.37ドル、患者あたり716ドルだった。

【結論と関連性】

本実地試験では、スタチンによる薬物療法を中止することが安全であり、QOLの向上、非スタチン系薬物の使用量の削減、それに対応する薬物費用の削減などのメリットが得られる可能性がある。本試験設定でのスタチン継続に関連するQOLの不確実な利点および潜在的な低下に関する患者とプロバイダーの慎重な議論が必要である。


【コメント】

アブストのみ。

とにかくアウトカム多い。またハードとソフトが混在しているため、複合しない方が良いのではないかと感じました。ただ全てのアウトカムで大きな差がないため結果的に試験デザインとして問題ないのかも。

さらに脱落が多い印象。少なくともフォローアップ100日ぐらいまでの結果の信頼性は高い方であると考えられる。試験参加者が約75齢と高齢であり予後が長くなかったためと考えられる。

つまるところ予後1年以内の高齢者であれば、スタチンを中止しても問題ないかもしれない。

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