笑いヨガは2型糖尿病の管理に有効なのか?
笑いには様々な健康効果があることが報告されています。しかし、介入としての “笑い” による糖尿病への長期的な影響に関するデータは限られています。
そこで今回は、笑いヨガ(Laughter yoga)が2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善できるかどうかを調査することを目的とした単一施設のランダム化比較試験をご紹介します。
本試験では、2型糖尿病患者42例を介入群と対照群のいずれかにランダムに割り付けました。介入は、12週間の笑いヨガプログラムで構成されました。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)、体重、ウエスト周囲径、心理的要因、睡眠時間をベースラインと12週目に評価しました。
試験結果から明らかになったことは?
群間差 笑いヨガ群 vs. 対照群 | |
HbA1c値 | -0.31% (95%CI -0.54 〜 -0.09) |
ポジティブ感情スコア | 0.62ポイント (95%CI 0.003〜1.23) |
Intention-to-treat分析により、笑いヨガグループの参加者は、HbA1c値(グループ間差:-0.31%、95%CI -0.54 〜 -0.09)およびポジティブ感情スコア(グループ間差:0.62ポイント、95%CI 0.003〜1.23)が大幅に改善しました。
睡眠時間は笑いヨガ群で増加する傾向にあり、群間差は0.4時間(95%CI -0.05 〜 0.86; P=0.080)でした。
笑いヨガプログラムの平均出席率は92.9%と高いことが示されました。
コメント
ヨガにより得られる利益については、ランダム化比較試験で示されていますが、笑いヨガについては充分に検証されていません。
そもそも笑いヨガとは、もともとはグループエクササイズとして作られたようです。お互いの顔を見合ったり、一緒に手拍子や声を出すことで、一体感を感じ、言葉のおもしろさやユーモアがなくても、自然に笑えるようになるようです。(日本笑いヨガ協会)。
さて、本試験結果によれば、12週間の笑いヨガプログラムは、2型糖尿病患者にとって実行可能であり、血糖コントロールが改善されました。ただし、本試験は42例と小規模な検討結果であり、さらにHbA1c値の群間差は-0.31%(95%CI -0.54 〜 -0.09)とかなり小さな効果です。本試験結果をもって笑いヨガの効果が示されたとはいえません。
続報に期待。
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