ハイリスク心房細動患者における経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)と直接経口抗凝固薬は、どちらが優れていますか?(非劣性RCT; PRAGUE-17; JACC 2020)

Left Atrial Appendage Closure Versus Direct Oral Anticoagulants in High-Risk Patients With Atrial Fibrillation

Pavel Osmancik et al.

J Am Coll Cardiol. 2020 Jun 30;75(25):3122-3135. doi: 10.1016/j.jacc.2020.04.067.

PMID: 32586585

DOI: 10.1016/j.jacc.2020.04.067

Left Atrial Appendage Closure vs. Novel Anticoagulation Agents in Atrial Fibrillation [PRAGUE-17]; NCT02426944).

Keywords: atrial fibrillation; cardioembolic event; direct oral anticoagulant; left atrial appendage; stroke.

背景

経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)は、心房細動(AF)関連の脳卒中予防においてビタミンK拮抗薬(VKA)よりも劣るものではない。しかし、直接経口抗凝固薬(DOAC)はVKAよりも安全性が高く、LAACと比較して心血管および神経学的アウトカムに及ぼす影響は不明である。

目的

本研究では、ハイリスクの心房細動患者におけるDOACとLAACを比較することを目的とした。

方法

心房細動におけるLAACと新規抗凝固薬の比較試験(PRAGUE-17)は、LAACとDOACを比較する多施設ランダム化非劣性試験であった。

患者は非弁膜症性心房細動を有し、経口抗凝固療法(OAC)の適応を有し、介入または入院を必要とする出血の既往、OAC服用中の心筋梗塞イベントの既往、および/またはCHA2DS2-VAScが3以上、HAS-BLEDが2以上の患者が登録対象となった。

患者はLAAC投与群とDOAC投与群にランダム割り付けされた。

主要複合アウトカムは、脳卒中、一過性脳虚血発作、全身性塞栓症、心血管死、重篤または非重篤な臨床関連出血、手技・機器関連の合併症であった。

一次解析は修正治療意向によるものであった。

結果

・ハイリスク患者集団(CHA2DS2-VASc:4.7±1.5)をLAAC(n = 201)またはDOAC(n = 201)にランダム割り付けされた。

・LAACは201例中181例(90.0%)で成功した。DOAC群では、アピキサバンが最も多く使用された(201例中192例、95.5%)。

・追跡期間中央値19.9ヵ月の時点で、主要アウトカムの年率はLAAC群で10.99%、DOAC群で13.42%であった(部分分布ハザード比 subdistribution hazard function[sHR] 0.84、95%信頼区間[CI] 0.53~1.31、p=0.44、非劣性についてはp=0.004)。

・複合エンドポイントの構成要素である全脳卒中/TIA(sHR 1.00、95%CI 0.40~2.51)、臨床的に有意な出血(sHR 0.81、95%CI 0.44~1.52)、心血管死(sHR 0.75、95%CI 0.34~1.62)については、群間に差はなかった。

・主なLAAC関連の合併症は9例(4.5%)で発生した。

結論

脳卒中のリスクが高く、出血リスクが高い患者において、LAACは心房細動に関連した主要な心血管系イベント、神経学的イベント、出血イベントの予防においてDOACよりも劣っていなかった。

コメント

ハイリスク心房細動患者における脳卒中の予防戦略が求められています。心房細動の治療は、アブレーション、抗不整脈薬(レートコントロール、リズムコントロール)、抗凝固療法、経皮的左心耳閉鎖術(LAAC)があげられます。

LAACの適応となるのは、CHADS2スコア(またはCHA2DS2-VAScスコア)に基づく脳卒中および全身性塞栓症リスクが高い患者、抗凝固療法が推奨される患者、短期的にワーファリン®️(ワルファリン)投与が適応可能と判断されている患者、出血リスクが高く抗凝固療法を長期間実施できない妥当な理由がある患者です。過去の研究結果では、LAACはワルファリンに非劣性でした。一方で、LAACとDOACの比較は実施されていません。

さて、本試験結果によれば、LAACの使用は、DOACと比較して、主要複合アウトカム(脳卒中、一過性脳虚血発作、全身性塞栓症、心血管死、重篤または非重篤な臨床関連出血、手技・機器関連の合併症)に劣っていませんでした。また各構成要素についても差が認められませんでした。効果推定値をみると、LAACの方が主要複合アウトカムは減少傾向にありました。

LAACの適応となる患者では、実施しても大きなリスクはないのかもしれません。しかし、ワルファリンと比較して、エビデンスは少なく、今後のエビデンス集積が待たれます。

✅まとめ✅ ハイリスク心房細動患者において、LAACはDOAC使用と比較して劣っていなかった

コメント

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