2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬は痛風リスクを低下できますか?(アメリカ人口ベース コホート研究; Ann Intern Med. 2020)

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Assessing the Risk for Gout With Sodium–Glucose Cotransporter-2 Inhibitors in Patients With Type 2 Diabetes: A Population-Based Cohort Study

Fralick et al.

Ann Intern Med. 2020.

DOI: 10.7326/M19-2610

Primary Funding Source: Brigham and Women’s Hospital.

PMID: 未

背景

高尿酸血症は、2型糖尿病患者によくみられ、痛風を引き起こすことが知られている。ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害剤は、グルコースの再吸収を防ぎ、血清尿酸値を低下させる、

目的

SGLT2阻害剤を処方した成人とグルカゴン様ペプチド1(GLP1)受容体アゴニストを処方した成人との間の痛風の割合を比較する。

設計

人口ベースの新規ユーザーコホート研究。

設定

2013年3月から2017年12月までの米国の商業保険データベース。

試験参加者

SGLT2阻害剤を新たに処方された2型糖尿病患者は、GLP1アゴニストを新たに処方された患者と一致する1:1の傾向スコアだった。痛風の既往がある場合、または以前に痛風特有の治療を受けていた場合は除外された。

アウトカムの測定

主なアウトカムは、痛風の新規診断だった。COX比例ハザード回帰を使用して、主要転帰と95%CIのハザード比(HR)を推定した。

結果

本研究では、SGLT2阻害薬またはGLP1アゴニストを新たに処方された2型糖尿病の295,907人の成人を特定した。 痛風発生率は、SGLT2阻害剤を処方した患者(1,000人年あたり4.9イベント)でGLP1アゴニストを処方した患者(1,000人年あたり7.8イベント)よりも低く、HRは0.64(95%CI 0.57〜0.72))および1,000人年あたり-2.9(CI -3.6〜 -2.1)のレート差だった。

試験の限界

未測定の交絡、欠落データ(すなわち不完全な検査データ)、痛風のベースラインリスク低。

結論

SGLT2阻害剤を処方された2型糖尿病の成人は、GLP1アゴニストを処方された成人より痛風の発生率が低かった。 ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬は、2型糖尿病成人の痛風リスクを低下させる可能性があるが、本観察を確認するには更なる研究が必要である。

コメント

アブストのみ。

コホート研究であるため、あくまでも相関関係だがSGLT2 阻害薬使用はGLP-1受容体刺激薬よりも痛風リスクが低かった。

個人的にはアウトカムを腎障害リスクにした方が良かったのではないかと感じました。

痛風は心疾患や腎疾患との関連性が示唆されていますが、不明な部分も多く結論は得られていません。

しかし心臓や腎臓疾患のハイリスク因子である糖尿病患者においては、痛風と関連する可能性が高いと考えられます。

今後の研究結果に注目したいと思います。

✅まとめ✅ SGLT2阻害薬はGLP-1アナログと比較して痛風リスクを低下させるかもしれない

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