プリン様(アロプリノールおよびオキシプリノール)および非プリン(フェブキソスタットおよびトピロキソスタット)キサンチンオキシダーゼ阻害剤(XOI)は、プリン代謝に由来する活性酸素種の産生を減少させることによって抗酸化特性を示す。
酸化ストレスは、内皮機能不全および虚血 – 再灌流障害に関連する重要な因子であり、心不全、高血圧、および虚血性心疾患の病因に関係している可能性がある。
ただし、XOIによる心血管(CV)保護効果については相反する結果が報告されている。
【試験の目的】
プラセボまたは無治療に対してXOIを検証したランダム化比較試験(RCT)における主要有害心血管イベント(MACE)、死亡率、特定および総CVイベント(TCE)発生率を比較すること。
【方法】
PubMed、EMBASE、Web of Science、Cochrane Central、Lilacsデータベースについて、ハンドサーチとともに、個々のデータベース運用開始から2016年12月30日まで検索した。
対象論文の検索は言語の制限なく行った。また試験期間が4週間以上かつ成人のみを含むRCTを適格とした。
個々に独立した研究者2人は、対象研究を選択しデータを抽出した。
予想されるイベントの希少性を考慮して、PetoおよびDerSimonian / Lairdオッズ比(OR)(異質性を検討する場合は後者)を分析に使用した。
ランダム効果メタ回帰を使用して、異質性を調査した。
【結果】
MACEの分析を含む適格論文は81報だった(10,684人の患者、6,434人の患者 – 年)。
XOIはMACE(OR•Peto =0.71, 95%CI 0.46〜1.09)および死亡リスク(0.89, 0.59〜1.33)を有意に減少させなかったが、TCEリスクを減少させた(0.60, 0.44〜0.82; 深刻なTCE:0.64, 0.46〜0.89)。
また高血圧(0.54, 0.37〜0.80)、虚血性イベント既往(0.42, 0.23〜0.76)を有する患者においてMACEに対する保護効果が認められた。
XOIの中でもアロプリノールは、心筋梗塞(0.38, 0.17〜0.83)、高血圧(0.32, 0.18〜0.58)、TCE(0.48, 0.31〜0.75, I2 =55%)および重篤なTCE(0.56, 0.36〜0.86, I2 =44%)を予防した。
メタ回帰はアロプリノールの用量増加とTCEおよび重篤なTCEのリスクが高いことを示した(P <0.05)。したがって、アロプリノールの低用量(≦300 mg /日)は、高用量とは異なり、TCEリスクを減少させた。
非プリン様XOIは有害なCVイベントのリスクを有意に減少または増加させなかったが、信頼区間は広かった。エビデンスの質は一般的に中程度から低かった。
【結論】
プリン様XOIは有害なCVアウトカムの発生率を低下させる可能性がある。しかしながら、より高用量のアロプリノール(> 300 mg/日)使用は、CV防御の喪失と関連している可能性がある。
【コメント】
アブストのみ。
キサンチンオキシターゼ阻害薬は、日本において3種類が上市されている。
・ザイロリック®️あるいはアロシトール®️(アロプリノール)
・ウリアデック®️あるいはトピロリック®️(トピロキソスタット)
・フェブリク®️(フェブキソスタット)
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