PCSK9阻害薬の効果はどのくらいですか?(RCTのSR&MA; Am J Cardiol. 2019)

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Meta-analysis of Randomized Controlled Trials Assessing the Impact of Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin Type 9 Antibodies on Mortality and Cardiovascular Outcomes

AlTurki A et al.

Am J Cardiol. 2019.

PMID: 31679643

【背景】

プロタンパク転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)モノクローナル抗体による阻害は、低密度リポタンパク質(LDL-C)を減らすことが示されているが、心血管(CV)の結果への影響は完全に説明されていない。

【目的】

本研究の目的は、PCSK9阻害剤について利用可能なすべてのランダム化臨床試験(RCT)のデータをプールすることにより、死亡率とCVアウトカムに対するPCSK9阻害の影響を評価することである。

【方法】

2018年12月1日までに、PCSK9阻害をプラセボまたはエゼチミブと比較し、死亡率と心血管転帰の一次または二次予防のために最大耐容性スタチンを受けている高コレステロール血症または冠動脈疾患の 患者の電子データベースの包括的な検索を実施した。

研究を要約するために、変量効果のメタ分析を使用した。

【結果】

・一次および二次予防に88,041人の患者を含む23のRCTを保持した。 フォローアップの範囲は6〜36ヶ月だった。

・PCSK9阻害は、総死亡率(オッズ比[OR] 0.91、95%信頼区間[CI] 078〜1.06; p = 0.22)およびCV死亡率(OR 0.95、95%CI 0.84〜1.07; p = 0.37)について、統計学的に有意なリスク減少を。示せなかった。

・一方、心筋梗塞(OR 0.80、95%CI 0.71〜0.91、p <0.0001)、脳卒中(OR 0.75、95%CI 0.65〜0.85、p <0.0001)、冠動脈血行再建(OR 0.82、95%CI 0.77〜0.88; p <0.0001)においては、有意なリスク減少を示した。

【結論】

PCSK9阻害は、心筋梗塞、脳卒中、および冠動脈血行再建の減少と関連していた。

将来の分析では、これら薬剤の恩恵を受ける可能性が高いハイリスク患者を特定する可能性があり、現在または新しい試験の長期追跡調査により死亡率低減の利益が示される可能性がある。


【コメント】

アブストのみ。

RCT23件のメタ解析。思ったよりも結果が良くなかった印象です。試験数や患者数は十分だと思うので、より長期のフォローアップ期間の結果か出ないことには判断が難しいところです。

ただ家族高コレステロール血症、特にホモ型にはスタチンの効果は期待できないため、PCSK9阻害薬に頼るしかなさそうですね。ヘテロ型の場合はストロングスタチン最大用量およびゼチーア®️使用してもLDL-Cコントロール不良患者には、PCSK9阻害薬の追加を考慮する流れでしょうか。

単に脂質異常症でコントロール不良な患者には必要なさそうですね。これも併存疾患や既往歴により左右されると思いますが。

いずれにしてもPCSK9阻害薬の適正使用については、もう少し使用対象者を絞り込みたいところ。なんせハイコスト。

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