多嚢胞性卵巣症候群における不妊に対してクロミッド®️やMetformin XRは効果がありますか?(RCT, NEJM 2007)

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Clomiphene, metformin, or both for infertility in the polycystic ovary syndrome. Randomized controlled trial

Legro RS, et al.
N Engl J Med. 2007.
ClinicalTrials.gov number, NCT00068861 o PMID: 17287476

【背景】

多嚢胞性卵巣症候群は不妊の一般的な原因である。クロミフェンとインスリン増感剤は排卵を誘発するために単独でまたは組み合わせて使用されているが、一つのアプローチが優れているかどうかは不明である。

【方法】

多発性嚢胞性卵巣症候群626人の不妊女性に、①クロミフェンクエン酸塩(50 mg)とプラセボ、②徐放性メトホルミン(500 mg)とプラセボ、または③メトホルミンとクロミフェンの併用療法を最大6ヶ月間投与するようにランダムに割り付けた。 妊娠が確認されたときに投薬を中止し、対象は分娩まで追跡した。

【結果】

・追跡期間中の妊娠は、クロミフェン群では22.5%(209人中47人)、メトホルミン群では7.2%(208人中15人)、併用療法群では26.8%(209人中56人)であった。 P < メトホルミンとクロミフェンおよび併用療法の両方で0.001 クロミフェンと併用療法の両方でP = 0.31 ・妊娠中、多胎率はクロミフェン群で6.0%、メトホルミン群で0%、そして併用療法群で3.1%であった。 ・妊娠初期の妊娠喪失率は、グループ間で有意差はなかった。 ・しかしながら、排卵した被験者の受胎率は、クロミフェン群(39.5%, P = 0.002)または併用療法群(46.0%, P <0.001)のいずれよりもメトホルミン群(21.7%)の方が有意に低かった。 ・妊娠合併症を除いて、メトホルミン群のほうがクロミフェン群よりも胃腸の副作用がより頻繁に見られ、血管運動および排卵の症状がより頻繁に見られなかったが、有害事象の発生率はすべての群で類似していた。

【結論】

多嚢胞性卵巣症候群の不妊女性でクロミフェンはメトホルミンよりも出生時に優れているが、多胎出産は併用群で優れている。

【コメント】

アブストのみ。 産婦人科や生殖器医療関連の病院の処方箋にクロミフェンとメトホルミンが記載されていることがある。気になり論文検索を行ったところ、本論文を見つけられたため読んでみた。 インスリン抵抗性は不妊を招くことが過去に報告されており、またインスリン抵抗性改善を促すメトホルミンの有用性が示唆されている。 さて、本試験の結果から単剤よりは併用が良さそう。ちなみに試験に用いられたのはメトホルミン徐放錠500 mgであり、1日1回投与。それに対して日本で用いられているのは即崩錠という点は念頭におきたい。 これらの剤型の差は、単純に服薬回数や作用時間だけでなく、小腸下部への薬剤の到達濃度にあらわれてくる。しかし、その差がどのくらい不妊治療に影響するかは不明。 続報を待ちたい。]]>

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