02_循環器系

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急性非代償性心不全患者に対するフロセミド療法はボーラス投与と持続注入、高用量と低用量とで差はありますか?(DB-RCT; DOSE試験; N Engl J Med. 2011)

急性代償性心不全は、65歳以上の高齢者における入院の最も一般的な原因であり、米国では年間100万人以上の入院の原因となっています。ループ利尿剤の静脈内投与は、現在の治療において不可欠な要素であり、心不全で入院した患者さんの約90%に投与されています。ループ利尿薬は数十年にわたる臨床経験があるにもか…
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心不全におけるSGLT2阻害薬カナグリフロジンの効果は?(RCT; CHIEF-HF試験; Nat Med. 2022)

臨床試験の実施にかかる費用は時代とともに大幅に増加し、診療の指針として必要なエビデンスを得るために新しい試験デザインが求められています。これらのコストの大きな要素(最大50%)は、施設におけるデータ収集の負担であり、1990年から2010年にかけてほぼ4倍に増加しています(NBER)。現在進行中の…
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DELIVER試験の結果、SGLT2阻害薬は心不全に恩恵をもたらすと結論づけて良いのか?(Eur Heart J. 2022)

DELIVER試験(Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction:PMID: 36027570)では、左室駆出率(LVEF)40%以上の慢性心不全(HF)患者において、ナトリウム-…
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非弁膜症性心房細動合併の2型糖尿病患者における経口抗凝固薬投与時の骨折リスクは?(PSマッチ後向きコホート研究; Diabetes Care. 2022)

2型糖尿病患者は、骨代謝の減衰と骨微細構造の障害により、骨折リスクが高くなることが報告されています。しかし、心房細動(AF)を併発した2型糖尿病患者において、ワルファリンと非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の骨折発生に対する比較効果については充分に検討されていません。そこで今回は、香港病院局…
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2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害剤とGLP-1受容体作動薬の比較とドライアイ発生率との関係は?(台湾の後向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2022)

国際糖尿病連合(IDF)は、世界の糖尿病患者数を2019年に4億6300万人、2045年に7億人と推定しています。 糖尿病に伴う病変には大血管障害(動脈硬化)、細小血管障害(神経障害、腎症、網膜症)などがあります。糖尿病網膜症は、慢性的な高血糖による眼の合併症としてよく知られていますが、ドライアイ…
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駆出率が保たれている心不全患者に対するエンパグリフロジンの効果に性差はありますか?(RCTの事後解析; Circulation. 2022)

心不全(HF)で駆出率(EF)が保たれている女性と男性では、その臨床的特徴や治療への反応性が異なる可能性があります。2020年に実施されたメタ解析では、2型糖尿病の主要な有害心血管イベントへの予防効果おいて、GLP-1受容体作動薬ではなく、SGLT2阻害薬で性差が認められました。閉経前の女性では、…
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心不全治療におけるポリファーマシーの定義と、その割合はどのくらい?(システマティックレビュー; Heart Fail Rev. 2022)

ポリファーマシーは、ますます一般的になってきている現象で、一人の個人が複数の薬剤を使用することを指しています。ポリファーマシーの普遍的な定義はありませんが、毎日5種類以上の薬を服用するという数値的な定義が一般的です。ポリファーマシーの出現は、人口の高齢化と多疾病(すなわち、複数の疾患の存在)の蔓延…
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経皮的冠動脈インターベンションを受ける安定化した急性心筋梗塞患者におけるDAPTにはチカグレロルとクロピドグレルどちらが良さそうですか?(PROBE; TALOS-AMI試験; Lancet. 2021)

チカグレロル(商品名:ブリリンタ)はcyclo pentyl triazolo pyrimidine(CPTP)系の薬剤に分類される抗血小板薬です。クロピドグレルやプラスグレルなどのチエノピリジン系の薬剤は血小板のP2Y12受容体に"不可逆的"に結合して血小板凝集作用を阻害するのに対し、チカグレロ…
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日本における高血圧妊婦への降圧剤処方傾向の推移は?(後向きコホート研究; Hypertens Res. 2022)

高血圧症は妊婦において、高頻度で認められる疾患の一つです。妊婦を対象としたランダム化比較試験の実施は倫理的側面から困難であり、主にレジストリー研究やコホート研究の結果を参照することになります。妊娠中の降圧薬使用は、胎児への影響があることから、使用できる薬剤は限られており、これまでメチルドパ(商品名…
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急性非心臓塞栓性虚血性脳卒中後の脳梗塞や脳出血に対する第XIa因子阻害剤アスンデキサンの効果はどのくらいですか?(BD-RCT; PACIFIC-Stroke試験; Lancet 2022)

第XI因子(FXI)は血栓形成に深く関わっていますが、止血への関与は部分的であることが明らかになっています。したがって、FXIの活性阻害によって、出血リスクを高めずに病的血栓形成を抑制できる可能性が示唆されており、新たな抗凝固薬開発のターゲットになっています。Asundexian(アスンデキサン:…
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急性心筋梗塞に対するエンパグリフロジンの効果は?(DB-RCT; EMMY試験; Eur Heart J. 2022)

駆出率低下型慢性心不全(HFrEF)において、ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)は、心不全による入院のリスクを低減し、全死亡および心血管死亡のリスクを低減することが示されています。また、最近のエビデンスでは、急性心不全後の治療開始が有益であることが示されています。さらに、エンパ…
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治療抵抗性高血圧患者における第4降圧薬としてアルドステロン拮抗薬とβ遮断薬、どちらが良いのか?(後向きコホート研究; Hypertension. 2022)

治療抵抗性高血圧患者における降圧薬の第4選択薬は何が良いのか? 高血圧治療ガイドライン2019によれば、積極的適応がない場合の高血圧に対しては、最初に投与すべき降圧薬として、Ca拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテン...
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アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトランを使用中の心房細動患者におけるフルコナゾール全身投与の影響は?(クロスオーバー試験; Am J Med. 2022)

DOACにフルコナゾールを併用すると出血リスクは増加するのか? アゾール系抗真菌剤の全身投与は、非ビタミンK拮抗型経口抗凝固薬(NOAC、DOAC)投与中の患者において出血のリスクを高めるとされており(PMID: 29562325)、併用投...
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心筋症患者の除細動器植込み前の単形性心室頻拍に対する早期アブレーションは有効ですか?(RCT; PAUSE-SCD試験; Circulation. 2022)

植え込み型除細動器(ICD)は心室頻拍(VT)や心室細動といった命に関わる重症な不整脈を経験した患者、あるいはその可能性が高いと予測される患者が適応となります。これらの不整脈にはICDの他に薬物治療やカテーテルアブレーションなども行われますが、ICDが最も効果的と言われています。特に、心筋梗塞や心…
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心血管系二次予防における多剤併用(ポリピル)戦略は有効ですか?(RCT; SECURE試験; N Engl J Med. 2022)

心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防戦略としてのポリピル戦略は有効なのか? 心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防の簡便な方法として、予後改善に関連する主要薬剤(アスピリン、アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、スタチン)を含...
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体液過剰を伴う急性代償性心不全におけるループ利尿薬へのアセタゾラミド追加は有効ですか?(DB-RCT; ADVOR試験; N Engl J Med. 2022)

急性代償性心不全の治療は、一般的に入院を必要とすることが多く、酸素吸入や強心薬を使用します。また心浮腫(うっ血)が認められることが多く、ループ利尿薬をはじめとする利尿薬を使用しますが、治療抵抗性となる症例も報告されています。近位尿細管ナトリウム再吸収を抑制する炭酸脱水酵素阻害薬であるアセタゾラミド…
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虚血性左心室機能障害に対する経皮的血行再建術(PCI)の効果はどのくらいですか?(Open-RCT; REVIVED-BCIS2試験; N Engl J Med. 2022)

冠動脈疾患は世界的に最も一般的な心不全の原因です。重度の左室収縮機能障害をもつ患者の一部が冠動脈バイパス術(CABG)後に収縮機能を回復したという観察から、心筋の冬眠(冬眠心筋, myocardial hibernation)という概念が生まれました。冠動脈再灌流による冬眠の回復は、何十年もの間…
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リウマチ性心疾患に伴う弁膜症性心房細動に対してリバーロキサバンとビタミンK拮抗薬どちらが良いですか?(PROBE; INVICTUS試験; N Engl J Med. 2022)

リウマチ性心疾患に伴う心房細動 心房細動は、左心房のリモデリングを引き起こす様々な病態により発生することがあります。心房細動を有する患者では、左心房内に血栓が形成され、それが塞栓となって脳内循環の枝を閉塞するため、塞栓性脳卒中のリスクが高く...
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心房細動を有する80歳以上の高齢フレイル患者における超低用量エドキサバンは有効ですか?(コホート研究; ELDERCARE-AF試験; JAMA Netw Open. 2022)

一般的な不整脈である心房細動(AF)の有病率は加齢とともに増加し、虚弱(フレイル)もまた高齢者集団に影響を及ぼす一般的な状態です。虚弱は、加齢に伴う様々な生理的メカニズムにおける予備能や機能の低下に起因する脆弱性の増大と定義され、体重減少、転倒リスク、腎機能低下など様々な有害事象のリスク上昇と関連…
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スタチン長期使用と脳内出血リスクとの関連性はどのくらい?(デンマーク症例対照研究; Neurology. 2022)

低コレステロール血症が脳内出血リスクを増加させることが報告されており、これは疑いようのない事実のようです。しかし、スタチン使用によるLDL-C低下療法が脳内出血リスクになる確証はありません。2019年のメタ解析の結果、脳梗塞の既往を有する患者において、スタチンは脳梗塞の発症を有意に増加させず(ただ…
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