COVID-19入院患者における致死的転帰の危険因子(中国人口ベース後向きコホート研究; Chest 2019)

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Risk Factors of Fatal Outcome in Hospitalized Subjects With Coronavirus Disease 2019 From a Nationwide Analysis in China

Ruchong Chen et al.

Chest. 2020.

DOI: 10.1016/j.chest.2020.04.010

PMID: 32304772

Keywords: COVID-19; fatal outcome; nomogram; risk factors.

背景

新型コロナウイルス疾患2019(COVID-19)は、世界的な健康上の緊急事態となっている。新たに確認された症例の累積数と死亡者数は、中国外では依然として増加している。 しかし、致死的転帰に関連する独立した予測因子は不明のままである。

方法

中国全土のCOVID-19患者1,590人を対象としたレトロスペクティブコホートを作成した。

臨床的特徴や検査所見を含む変数の予後効果をKapla-Meier法とCox比例ハザードモデルを用いて解析した。

COVID-19患者の生存率を予測するために予後ノモグラムを作成した。

結果

・本全国規模のコホートにおいて、非生存者は生存者と比較して、入院時に高齢者、慢性疾患の併発者、呼吸困難、臨床検査値異常の発生率が高かった。

・多変量Cox回帰分析では、以下の各因子は、致死的転帰に関連する独立した危険因子であった。

年齢≧75歳:HR =7.86、95%CI 2.44~25.35

65~74歳:HR =3.43、95%CI 1.24~9.50

冠動脈性心疾患:HR =4.28、95%CI 1.14~16.13

脳血管疾患:HR =3.1、95%CI 2.44~2.35

高齢者:HR =4.28、95%CI 1.14~16.13

冠血管疾患:HR =4.28、95%CI 1.14~16.13

脳血管疾患:HR =3.1、95%CI 1.07〜8.94

呼吸困難:HR =3.96、95%CI 1.42〜11.00

プロカルシトニン>0.5ng/mL:HR =8.72、95%CI 3.42〜22.28

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ>40U/L:HR =2.2、95%CI 1.10〜6.73

・多変量解析の結果に基づいてノモグラムを設定した。 内部ブートストラップ再サンプリング法により、ノモグラムはC-indexが0.91(95%CI 0.85〜0.97)と十分な識別力を有していることが示唆された。校正プロットもまた、予測値と観測値の間に良好な整合性があることを示した。

結論

提案したノモグラムは臨床転帰を正確に予測することができた。提案したノモグラムは、個々の特徴に基づいてCOVID-19患者の臨床転帰を正確に予測することができた。

リスクの高い患者では、早期発見、より集中的なサーベイランス、適切な治療が考慮されるべきである。

コメント

やはり基礎疾患の患者では、致死的な転機を迎えやすいようですね。

上記のようなハイリスク入院患者におけるCOVID-19感染疑い症例では、早々に検査、対症療法の実施が必要そう。

後向き研究かつ一部地域のデータである為、リスクを過大にも過少にも評価している可能性がありますが、有益な研究であると考えられます。

✅まとめ✅ COVID-19の入院患者で致死的転機の危険因子が8つ推定された

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