Trends in Alcohol-Induced Deaths in the United States, 2000-2016.
Spillane S et al.
JAMA Netw Open. 2020 Feb 5;3(2):e1921451.
PMID: 32083687
PMCID: PMC7043198
DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2019.21451
試験の重要性
米国では過去20年間にアルコール誘発性を原因とする死亡率の顕著な増加が報告されている。しかし、性別、年齢、人種/民族、社会的および地理的要因別のアルコール誘発性死亡率の傾向の包括的な評価は不足している。
目的
2000年から2016年までのアルコール誘発性死亡率の傾向を調査し、性別、人種/民族、年齢、郡レベルの社会経済状況、および地理的位置を含む人口統計学的特徴別に比較すること。
試験デザイン、設定、参加者
この連続横断的研究では、15歳以上の米国居住者全員を対象に、2000年から2016年までの米国の国家生命統計データを使用した。データ分析は 2019 年 1 月から 9 月まで実施した。
暴露
性別、人種/民族、年齢、郡レベルの社会経済状況(すなわち、所得の中央値、失業者の割合、学士号を持つ住民の割合)、地方レベル、および米国の州ごとのアルコール誘発性死亡率の傾向。
主要アウトカムと測定法
主なアウトカムはアルコール誘発性死亡率、つまり、アルコールが人口に寄与する割合が 1 の死亡数。
死亡数は、住民 10 万人当たりの絶対率および年齢で標準化された比率で表された。
死亡率の傾向は、全期間(すなわち2000年~2016年)の平均年率変化率(AAPC)と、調査期間内の個々の変化期間の年率変化率(APC)として測定した。
結果
・2000年から2016年までの間に、合計425,045人のアルコール誘発性死亡が確認された(2000年:死亡数19,627人、男性14,979人[76.3%]; 2016年:死亡数34,857人、男性25,213人[73.3%])。
・アルコールによる死亡率は、男性(AAPC = 1.4%;95%CI 1.0%~1.8%)と女性(AAPC = 3.1%;95%CI 2.6%~3.6%)で大幅に増加し、また近年になり加速した(男性:2012年~2016年、APC = 4.2%、95%CI 3.1%~5.3%;女性:2013年~2016年、APC = 7.1%、95%CI 5.1%~9.1%)。
・人種/民族別では、アメリカインディアンおよびアラスカ先住民の男性(AAPC = 3.3%、95%CI 2.6%~4.0%)、アメリカインディアンおよびアラスカ先住民の女性(AAPC = 4.2%、95%CI 3.8%~4.6%)、白人女性(AAPC = 4.1%、95%CI 3.6%~4.7%)で最大の増加が観察された。
・黒人女性、黒人男性、およびラテン系男性では当初、減少していたにもかかわらず、調査の後半で増加した。
例)ラテン系男性
2000-2003年:APC = -5.1%、95%CI -9.8%~ -0.1%
2003-2013年:APC = -0.6%、95%CI -1.4%~0.2%
2013-2016年:APC = 4.1%、95%CI 0.3%~8.1%
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・増加率は年齢群によって、また人種/民族群によっても異なっていた。白人では、中年期に大きな絶対数の増加が見られた。
例)55~59歳男性
2000~2003年:住民10万人当たり25.5人が死亡
2013~2016年:住民10万人当たり43.3人が死亡
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例)50-54歳女性
2000-2003年:人口10万人当たり7.4人が死亡
2013-2016年:人口10万人当たり16.5人が死亡
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・25~34歳ではAPCも多く、男性では年4.6%~6.9%、女性では年7.3%~12.0%であった。
・アメリカンインディアンとアラスカ先住民の間では、年齢層全体での増加が観察され、男性の45歳〜49歳での絶対的な増加が最も大きかった。
2000年~2013年:人口10万人当たり113.6人が死亡
2013-2016年:人口10万人当たり193.1人が死亡
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・一方。女性では50~54歳における死亡の増加が最も大きかった。
2000~2013年:居住者10万人当たり56.1人が死亡
2013~2016年:10万人当たり105.1人が死亡
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結論と関連性
本研究では、米国人口の年齢および人種/民族のサブグループにわたってアルコール誘発性死亡率が大幅に増加しており、それが近年加速していることが明らかになった。
若年層におけるアルコール誘発性死亡の大幅な増加は、今後のアルコール関連疾患の増加と関連している可能性がある。
コメント
米国では、アルコール関連による死亡数が増加しており、これは2013年〜2016年において更に増加していた。また死亡数の内訳として男性が7割以上を占めていた。
アルコール依存症やアルコール消費障害は欧州で罹患率が多いイメージを持っていましたが、米国でも増加しており、社会的な問題の一つになっているようですね。
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