中国のCOVID-19の臨床的特徴は?(中国データベース研究; NEJM 2020)

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Clinical Characteristics of Coronavirus Disease 2019 in China.

Guan WJ et al.

N Engl J Med. 2020 Feb 28.

doi: 10.1056/NEJMoa2002032. [Epub ahead of print]

Funded by the National Health Commission of China and others.

背景

コロナウイルス病2019(Covid-19)が武漢市に出現し、中国全土に急速に広まった2019年12月以来、罹患患者の臨床的特徴に関するデータが必要だった。

方法

2020年1月29日まで、中国の30省、自治区、および地方自治体の病院552施設から、実験室で確認されたCovid-19の患者1,099人に関するデータを抽出した(RT-PCRを使用)。

主要な複合エンドポイントは、集中治療室(ICU)への入院、人工呼吸器の使用、または死亡だった。

結果

・患者の年齢の中央値は47歳だった。女性率は41.9%だった。

・主要な複合エンドポイントは67人(6.1%)で発生し、その中にはICUに入院した5.0%、侵襲的人工換気を受けた2.3%、死亡した1.4%が含まれた。

・野生動物と直接接触したことがある患者はわずか1.9%だった。武漢の非居住者のうち、72.3%が武漢の居住者と連絡を取り、そのうち31.3%が市内を訪れたことがあった。

・最も一般的な症状は、発熱(入院時43.8%、入院中88.7%)および咳(67.8%)だった。

・下痢はまれだった(3.8%)。

・潜伏期間の中央値は4日間(四分位範囲 2〜7)だった。

・入院時、胸部コンピューター断層撮影(CT)で最も一般的な放射線学的所見は、すりガラス状の不透明度だった(56.4%)。

・非重症疾患の患者157/877例(17.9%)および重症疾患の患者5/173例(2.9%)でX線またはCTの異常は検出されなかった。

・入院時に患者の83.2%にリンパ球減少症がみられた。

結果

現在のアウトブレイクの最初の2ヵ月間、Covid-19は中国全土に急速に広がり、さまざまな程度の病気を引き起こした。

患者はしばしば発熱せずに現れ、多くは異常な放射線学的所見を有していなかった。

コメント

中国からの研究報告。国が資金提供を行っているのは素晴らしいことですね。

さて、本研究結果によるとCOVID-19の臨床的特徴は、発熱(入院時43.8%、入院中88.7%)および咳(67.8%)とのこと。一方、胸部CTスキャンによる肺野の異常所見(すりガラス状に不透明)は56.4%。リンパ球減少症について、入院時の患者83.2%に認められたのは意外でした。

やはりインフルエンザ感染症の所見と似ていますね。

✅まとめ✅ COVID-19の所見は発熱・咳嗽、加えて重症患者ではリンパ球減少症が認められた

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