ケアホームの高齢者に対する薬剤師独立処方者による脱処方の障壁と実現要因には何がありますか?(クラスターRCT; CHIPPS試験; Res Social Adm Pharm. 2023)

prescriptions sign on a drug store front 00_その他
Photo by Alexandros Chatzidimos on Pexels.com
この記事は約3分で読めます。
ランキングに参加しています!応援してもよいよという方はポチってください!

根拠となった試験の抄録

背景:ケアホーム入居者の70%以上が、罹患率や死亡率に関連する不適切な薬剤(potentially inappropriate medications, PIMs)を処方されている。脱処方はケアホームで薬剤レビューを行う薬剤師による一般的な推奨事項であるが、処方者の承認が必要であることが障壁となっている。Care home Independent Pharmacist Prescribing Study(CHIPPS)は、クラスターランダム化対照試験であり、薬剤師の独立処方者(PIP)をケアホームに統合し、服薬管理を改善するものである。

目的:PIPがケアホームで薬を処方する際の障壁と阻害要因を明らかにすること。

方法:CHIPPS試験におけるPIPとのインタビューについて二次的質的枠組み分析を行った。プロセス評価に含まれる14人のPIPから、PIPの文脈的要因(例えば、ケアホームでの以前の経験など)の多様性を達成するために、最大変動サンプリング法を用いて選択した。記録は、脱処方の障壁と実現要因について帰納(誘導)的にコード化され、理論的領域フレームワーク(TDF)にマッピングされた。

結果:11人のPIPのインタビューが抽出された。PIPと一般開業医(General Practitioner, GP)、ケアホームスタッフ、入居者/家族との関係、PIPの役割に対する認識、PIPの脱処方活動に対する家族の信頼(社会的影響)、PIPの独立した処方に対する自信、これまでの経験、入居者の薬に対処する能力(能力に関する信念); PIPの役割の理解と独立した処方者としての役割に対するPIPの自信(社会的/専門的役割とアイデンティティ);入居者の記録へのアクセス、脱処方の意思決定支援、ケアホームスタッフからの定期的なフォローアップ、入居者の薬に対する困難さ、チームワーク、時間的制約(環境的背景と資源)。1つの要因が障壁として作用した:特定の薬に関して、脱処方のマイナス面がメリットを上回ると考えていること(結果に関する信念)。

結論:ケアホーム内での薬剤師独立処方者による減処方への関与は、複数の障壁と成功要因に影響されている。理論的領域フレームワークドメインにマッピングされたデータは、今後の介入における薬剤師独立処方権の有効性を高めるために、対処が必要な障壁と強調すべき成功要因を示している。

キーワード:脱処方、薬剤師独立処方権(PIP)、ポリファーマシー

引用文献

Barriers and enablers to deprescribing for older people in care homes: The theory-based perspectives of pharmacist independent prescribers
Mohammed Alharthi et al. PMID: 36732210 DOI: 10.1016/j.sapharm.2023.01.013
Res Social Adm Pharm. 2023 May;19(5):746-752. doi: 10.1016/j.sapharm.2023.01.013. Epub 2023 Jan 31.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36732210/

コメント

タイトルとURLをコピーしました