COVID-19に対する抗ウイルス薬の効果はどのくらいですか?(RCT; WHO Solidarity 中間報告; NEJM 2020)

woman holding sign COVID-19 新型コロナウイルス感染症
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Repurposed Antiviral Drugs for Covid-19 – Interim WHO Solidarity Trial Results

WHO Solidarity Trial Consortium

N Engl J Med. 2020 Dec 2. doi: 10.1056/NEJMoa2023184. Online ahead of print.

PMID: 33264556

DOI: 10.1056/NEJMoa2023184

Funded by the World Health Organization

ISRCTN Registry number, ISRCTN83971151

ClinicalTrials.gov number, NCT04315948.

背景

世界保健機関(WHO)の専門家グループは、コロナウイルス疾患2019(Covid-19)に入院した患者を対象に、4種類の抗ウイルス薬(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、インターフェロンβ-1a)の死亡率をアウトカムとした臨床試験の実施を推奨している。

方法

Covid-19の入院患者を、各地域で入手可能な治験薬レジメンとオープンコントロール(最大5つの選択肢、4つのアクティブと各地域で入手可能な標準治療)のいずれかに等しくランダム割り付けされた。

意図的治療一次解析では、各試験薬と対照(薬は入手可能だが、患者はその薬を使用せずに同じケアに割り付けられた)の4つのペアワイズ比較における院内死亡率を調べた。

死亡率比は、年齢および試験開始時の機械換気に関する状態に応じて層別化して算出した。

結果

・30ヵ国、病院 405施設で 1万1,330例の成人がランダム化を受けた。

2,750例がレムデシビル投与群954例がヒドロキシクロロキン投与群1,411例がロピナビル投与群(インターフェロンなし)2,063例がインターフェロン投与群(651例がインターフェロン+ロピナビル投与群を含む)、4,088例が無試験薬投与群に割り付けられた。

・アドヒアランスは治療途中で94~96%、クロスオーバーは2~6%であった。

・合計で1,253例の死亡が報告された(死亡日 中央値は8日目、四分位間範囲は4~14)。

・Kaplan-Meier 28日死亡率は11.8%(ランダム化時にすでに人工呼吸を受けていた場合は39.0%、そうでない場合は9.5%)であった。

・死亡アウトカムの発生数・対象群との発生率比は以下の通り;

  • レムデシビル投与群 2,743例中301例 vs. 対照群 2,708例中303例:率比 0.95、95%信頼区間[CI] 0.81~1.11;P=0.50
  • ヒドロキシクロロキン投与群 947例中104例 vs. 対照群 906例中84例:率比 1.19、95%CI 0.89~1.59;P=0.59
  • ロピナビル投与群 1,399例中148例 vs. 対照群1,372例中146例:率比 1.00、95%CI 0.79~1.25;P=0.97
  • インターフェロン投与群 2,050例中243例 vs. 対照群 2,050例中216例:率比 1.16、95%CI 0.96~1.39;P=0.11

・どの薬剤も、全体またはどのサブグループにおいても死亡率を確実に減少させ、人工呼吸の開始または入院期間を減少させなかった。

結論

レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、およびインターフェロンレジメン、これらの抗ウイルス薬は、Covid-19で入院した患者に対して、全死亡率、換気開始、および入院期間によって示されるように、ほとんどまたは全く影響を及ぼさなかった。

コメント

新型コロナウイルス SARS-CoV-2

SARS-CoV-2は一本鎖RNAであり、遺伝子変異を繰り返していることが報告されています。感染力も強く(広く伝播しやすい)、中には重症化しやすい患者がいることも報告されています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する基本的な対策(手洗い、アルコール消毒、ソーシャルディスタンス、定期的な換気、マスク着用など)を実施しても感染流行は終息する気配がなく、現在、第2波、第3波が世界中で引き起こされています。これらのことから、治療薬やワクチン開発が望まれています。

抗ウイルス薬の再利用?

抗ウイルス薬の中には、承認された感染症とは別の感染症に対し、有効性が認められることがあります。今回のSolidarity試験において、COVID-19に対するレムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、インターフェロンレジメンの有効性が検討されました。

今回の試験で明らかになったことは?

本試験では、レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、インターフェロンβ-1aレジメンについて検証されました。いずれも対象群(各地域の標準治療)と比較して、COVID-19入院患者の死亡リスクを低下できませんでした。

  • レムデシビル投与群    :率比 0.95、95%信頼区間[CI] 0.81~1.11;P=0.50
  • ヒドロキシクロロキン投与群:率比 1.19、95%CI 0.89~1.59     ;P=0.59
  • ロピナビル投与群     :率比 1.00、95%CI 0.79~1.25     ;P=0.97
  • インターフェロン投与群   :率比 1.16、95%CI 0.96~1.39     ;P=0.11

本試験では、30ヵ国、病院 405施設で成人 11,330例がランダム化を受けました。現状、サンプルサイズの計算は困難であるため、このぐらい大規模に実施した方が良いと考えます。

今回の試験の限界は?

中間解析であり、内的妥当性の検証が待たれます。

試験が完了し、試験の全期間の結果が報告されるのを待った方が良いと考えます。

✅まとめ✅ COVID-19入院患者に対する抗ウイルス薬(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル、インターフェロンβ-1aレジメン)は、全死亡率、換気開始、および入院期間に影響はなさそうだが、中間解析であるため結果の解釈に注意を要する

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