頭頸部の進行性扁平上皮がんの治療において化学療法および放射線療法を交互に行う治療は有効ですか?(RCT; N Engl J Med. 1992)

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Treatment of advanced squamous-cell carcinoma of the head and neck with alternating chemotherapy and radiotherapy.

Merlano M et al.

N Engl J Med. 1992 Oct 15;327(16):1115-21.

DOI: 10.1056/NEJM199210153271602

PMID: 1302472

【背景】

進行性の切除不能な頭頸部扁平上皮癌の患者では、放射線療法が標準治療であるが、結果は不十分である。したがって、化学療法と放射線療法を交互に行うことで、このような患者の生存率が向上するかどうかを判断するために、ランダム化試験を設計した。

【方法】

本試験の患者は、生検で確認された切除不能で、未治療のステージIIIまたはIV、口腔扁平上皮癌、咽頭、または喉頭を有していた。シスプラチンの静脈内投与(連続5日間、20 mg/体表面積m2/日)とフルオロウラシル(連続5日間、200 mg/体表面積m2/日)の4サイクルからなる化学療法および2週間の放射線コース(コースあたり20 Gy; 1日あたり2 Gy、週5日)、または放射線療法単独(最大70 Gy; 1日あたり2 Gy、週5日)の2群にランダム割付された。

【結果】

・放射線療法と化学療法を交互に受ける80人の患者と放射線療法のみを与える77人の患者は、年齢、性別、パフォーマンスステータス、病期、原発腫瘍の部位に関して同等だった。

・完全反応は、併用療法群で42%、放射線療法群で22%だった(P =0.037)。

・生存期間の中央値は、併用療法群で16.5ヶ月、放射線療法群で11.7ヶ月だった(P <0.05)。

・3年生存率はそれぞれ41パーセントと23パーセントだった。

・重度の粘膜炎は、併用療法群19%および放射線療法群18%で発生した。

【結論】

進行性の切除不能な頭頸部扁平上皮がん患者では、放射線療法と化学療法を交互に行うことにより、放射線療法単独と比較して、生存期間の中央値が増加し、3年生存率が2倍になる。ただし、併用療法を受けた患者の半数以上で局所疾患を制御することはできず、3年以内にほぼ3分の2が死亡するため、管理のさらなる改善が必要である。


【コメント】

アブストのみ。

少し古い文献であるため現代の生存期間は、本結果ほど短くはないと思います。かなり生存率が低かったのですね。

さて、頭頸部癌の治療において放射線療法および化学療法はしばしば利用されています。その根拠の1つとなった文献を紹介しました。

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コメント

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