Safety and effectiveness of azithromycin in patients with COVID-19: An open-label randomised trial
Ehsan Sekhavati et al.
Int J Antimicrob Agents. 2020 Aug 25;106143. doi: 10.1016/j.ijantimicag.2020.106143. Online ahead of print.
PMID: 32853672
PMCID: PMC7445147
DOI: 10.1016/j.ijantimicag.2020.106143
Keywords: Azithromycin; COVID-19; Hydroxychloroquine; Lopinavir; Ritonavir; SARS-CoV-2.
目的
コロナウイルス疾患2019(COVID-19)では、特定の薬理学的治療法は有効性が確認されていないため、イランの高度医療センター(referral centre)で、これらの患者におけるアジスロマイシン(AZM)の有効性を評価することを目的とした。
方法
実験室でCOVID-19が確認された患者を対象に、非盲検、ランダム化比較試験を実施した。
ヒドロキシクロロキン(HCQ)とロピナビル/リトナビル(LPV/r)を投与された対照群55例と、同レジメンに加えてAZMを投与された症例群56例を比較した。
心疾患の既往歴のある患者は試験から除外した。さらに、症例群の患者は、AZMとHCQの使用に関する米国心臓病学会(ACC)のリスク評価に基づいて、心筋梗塞リスクの評価を受けた。
主要アウトカム指標は、バイタルサイン、SpO2値、入院期間、集中治療室入院の必要性と期間、死亡率、退院後30日間の追跡調査の結果であった。
結果
・当初、一般状態とバイタルサインには両群間に有意差はなかった。
・退院時のSpO2値は症例群の方が有意に高く、呼吸数は低く、入院期間は短かった。
・死亡率は両群間に有意差はなかった。
結論
HCQとLPV/rに加えてAZMを投与された患者の方が全身状態は良好であった。
HCQ+AZMの併用は、ACC基準に基づく心臓不整脈の基礎リスクが非常に低いことが知られている患者にとって有益である可能性がある。
コメント
本試験では、対照群にHCQ+LPV/rを設定していますが、そもそも有効な治療としてエビデンスが得られていませんので、試験設定が不充分であると考えます。COVID-19に対する治療候補薬のエビデンス集積が待たれます。
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