COVID-19高血圧患者における入院前RAS阻害薬使用は死亡リスクと関連しますか?(単施設 後向き研究; JAHA 2020.)

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Mortality and Pre-Hospitalization use of Renin-Angiotensin System Inhibitors in Hypertensive COVID-19 Patients

Chen Chen et al.

J Am Heart Assoc.2020.

PMID: 32807002

DOI: 10.1161/JAHA.120.017736

背景

レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の入院前使用が高血圧性COVID-19患者の予後に及ぼす影響については、大きな論争があった。

方法

中国武漢市の同済病院に入院した COVID-19 患者 2,297 例を 2020 年 1 月 10 日から 3 月 30 日までの期間にレトロスペクティブに評価し、入院前治療を受けている高血圧患者 1,182 例を同定した。

結果

・RAS阻害薬を服用している高血圧患者(N=355)と非RAS阻害薬を服用している高血圧患者(N=827)との間で、ベースラインの特徴と院内死亡率を比較した。

・高血圧患者1,182例(年齢中央値68歳、男性49.1%)のうち、RAS阻害薬群では12/355例(3.4%)が死亡したのに対し、非RAS阻害薬群では95/827例(11.5%)が死亡した(p<0.0001)。

・死亡率の調整後ハザード比は、非RAS阻害薬群と比較して、RAS阻害薬群では45日目の時点で0.28(95%CI 0.15~0.52、p<0.0001)であった。

・アンジオテンシン受容体拮抗薬(N=289)とアンジオテンシン変換酵素阻害薬(N=66)を別々に服用している患者を非RAS阻害薬群と比較した場合も同様の所見が認められた。

・RAS阻害薬群は非RAS阻害薬群と比較して、入院時のC反応性蛋白(中央値13.5 vs. 24.4 pg/mL、p=0.007)とインターロイキン-6(中央値6.0 vs. 8.5 pg/mL、p=0.026)が低値であった。

・死亡率に対するRAS阻害薬の保護効果は,先行研究に我々のデータを加えたメタ解析で確認された(奇数比0.44,95%CI 0.29-0.65,p<0.0001)。

結論

大規模な単一施設のレトロスペクティブ解析では、高血圧症のCOVID-19患者における入院前のRAS阻害薬の使用が死亡率を保護する効果が観察された;これは炎症反応の低下と関連している可能性がある。

✅まとめ✅ 単施設でのCOVID-19罹患の高血圧患者における入院前のRAS阻害薬の使用は、死亡率の低下と関連しているかもしれない

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