COVID-19入院患者における重症化を予測する臨床リスクスコアの開発と検証(後向きコホート研究; JAMA Intern Med. 2020)

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Development and Validation of a Clinical Risk Score to Predict the Occurrence of Critical Illness in Hospitalized Patients With COVID-19

Wenhua Liang et al.

JAMA Intern Med. 2020 May 12;e202033. doi: 10.1001/jamainternmed.2020.2033. Online ahead of print.

PMID: 32396163

PMCID: PMC7218676

DOI: 10.1001/jamainternmed.2020.2033

試験の重要性

重症化する可能性のある新規コロナウイルス疾患2019(COVID-19)の患者を早期に特定することは非常に重要であり、適切な治療を提供し、資源の最適利用を図るのに役立つ可能性がある。

目的

中国の全国的なコホートに基づいて、どのCOVID-19患者が重症化するかを予測するための入院時の臨床スコアを開発し、検証すること。

試験デザイン、設定、参加者

中国国家衛生委員会と共同で、2020年1月31日時点で31省行政区の病院575施設からCOVID-19患者のレトロスペクティブコホートを構築した。

入院時に確認された疫学的、臨床的、検査的、画像学的変数をLeast Absolute Shrinkage and Selection Operator(LASSO)とロジスティック回帰を用いてスクリーニングし、予測リスクスコア(COVID-GRAM)を構築した。

このスコアは、COVID-19を有する入院患者が重症化するリスクの推定値を提供する。

スコアの精度は、受信機操作特性曲線下面積(AUC)で測定された。COVID-19で入院した中国の4つの追加コホートからのデータをスコアの妥当性を検証するために使用した。データは2020年2月20日から2020年3月17日の間に解析した。

主要アウトカムと測定法

COVID-19で入院した患者のうち、重症度は集中治療室への入院、侵襲的人工呼吸、または死亡の複合尺度と定義した。

結果

・開発コホートには患者1,590例の患者が含まれた。

・コホートに含まれた患者の平均年齢(SD)は48.9歳(15.7歳)であり、男性は904例(57.3%)であった。検証コホートには患者710例が含まれ、平均(SD)年齢は48.2(15.2)歳で、男性は382例(53.8%)および172例(24.2%)であった。

・72の潜在的予測因子から、胸部X線異常OR =3.39、95%CI 2.14~5.38)、年齢OR =1.03、95%CI 1.01~1.05)、喀血OR =4.53、95%CI 1.36~15.15)、呼吸困難OR =1.88、95%CI 1.18~3.01)、意識不明OR =4.71、95%CI 1.39~15.98)、併存疾患数OR =1.60、95%CI 1.27~2.00)、がん既往歴OR =4.07、95%CI 1.23~13.43)、好中球対リンパ球比OR =1.06、95%CI 1.18~3.01)、乳酸脱水素酵素OR =1.002、95%CI、1.001~1.004)、直接ビリルビンOR =1.15、95%CI 1.06~1.24)の10変数が独立した予測因子となり、リスクスコアに含まれた。

・開発コホートでの平均AUCは0.88(95%CI 0.85~0.91)、検証コホートでのAUCは0.88(95%CI 0.84~0.93)であった。

・このスコアはオンラインのリスク計算機に翻訳されており、一般の人が自由に利用できるようになっている(http://118.126.104.170/)。

結論と関連性

本研究では、入院時のCOVID-19患者の特徴に基づいたリスクスコアが開発され、患者の重症化リスクの予測に役立つ可能性がある。

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