COVID-19に対するUmifenovirの効果はどのくらいですか?(SR&MA; J Med Virol. 2020)

この記事は約3分で読めます。
ランキングに参加しています!応援してもよいよという方はポチってください!

Efficacy and Safety of Umifenovir for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): A Systematic Review and Meta-Analysis

Dong Huan et al.

J Med Virol. 2020 Jul 3. doi: 10.1002/jmv.26256. Online ahead of print.

PMID: 32617989

DOI: 10.1002/jmv.26256

Keywords: COVID-19; efficacy; meta-analysis; safety; umifenovir.

背景

COVID-19におけるumifenovirの有効性と安全性を評価することを目的として、本システミックレビューおよびメタ解析を実施した。

方法

PubMed、Web of Science、Embase、Cochrane Library、CNKI、medRxiv データベースを検索した。レトロスペクティブ研究とプロスペクティブ研究の両方を含めた。COVID-19に対するumifenovirの有効性を評価するために、平均差(MD)およびリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を適用した。

結果

・合計12試験、患者1,052例を対象とした研究が含まれた。

・Umifenovirは対照群と比較して、14日目のPCR陰性率が高かった(RR =1.27、95%CI 1.04~1.55)。しかし、umifenovirは核酸陰性転換時間(MD =0.09、95%CI -1.48~1.65)、7日目の陰性率(RR =1.09、95%CI 0.91~1.31)、複合エンドポイント発生率(RR =1.20、95%CI 0.61~2.37)、7日目の発熱軽減率(RR =1.00、95%CI 0.91~1.10)、7日目の咳嗽軽減率(RR =1.00、95%CI 0.85~1.18)、または入院期間(LOS)(MD =1.34、95%CI -2.08~4.76)とは関連していなかった。

・さらに、COVID-19患者において、umifenovirは安全であった(有害事象発生率のRR =1.29、95%CI 0.57~2.92)。

・感度解析およびサブグループ解析の結果は、プールされた結果と同様であった。

結論

COVID-19患者の患者重要転帰を改善するためのUmifenovir使用を支持するエビデンスはない。

コメント

COVID-19に対する治療候補薬として、他の疾患に使用されている抗ウイルス薬に注目が集まっています。中国やロシアで承認されている抗インフルエンザ薬であるumifenovir(商品名:Arbidol、本邦未承認)について、COVID-19の臨床試験で用いられています。

さて、本試験結果によれば、14日目のPCR陰性率は高かったものの、他のアウトカムに関連していませんでした。

今のところはCOVID-19に対してumifenovirを使用する意義はなさそうですね。

✅まとめ✅ COVID-19に対するumifenovir使用を指示するエビデンスはなかった

コメント

タイトルとURLをコピーしました