COVID-19に対するクロロキンおよびヒドロキシクロロキンの予防的効果はどのくらいですか?(SR&MA; Int J Rheum Dis. 2020)

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A Systematic Review of the Prophylactic Role of Chloroquine and Hydroxychloroquine in Coronavirus disease-19 (COVID-19)

Sanket Shah et al.

Int J Rheum Dis. 2020 Apr 13.

doi: 10.1111/1756-185X.13842.

PMID: 32281213

DOI: 10.1111/1756-185X.13842

Keywords: COVID-19; SARS-CoV-2; chloroquine; high-risk; hydroxychloroquine; prevention.

目的

パンデミックコロナウイルス19(COVID-19)は、世界の医療システムを危機に陥れ、莫大な経済的負担をもたらした。

COVID-19に対する予防薬として、クロロキン(CQ)やヒドロキシクロロキン(HCQ)など様々な薬剤が試みられてきた。

本研究は、COVID-19の蔓延防止におけるCQとHCQの役割を系統的に検討するために実施された。

方法

PubMed、EMBASE、ClinicalTrials.gov、International Clinical Trials Registry Platform、およびCochrane Libraryのデータベースを用いて、2020年3月30日までのSARS-CoV-2(前臨床試験)またはCOVID-19(臨床試験)に対するCQまたはHCQの予防的役割を評価した研究を検索した。利用可能な文献を批判的に評価した。

結果

・合計45件の論文がスクリーニングされ、5件(in vitroでの前臨床試験3件、臨床試験2件)が含まれた。

・前臨床試験では、SARS-CoV-2に対するCQおよびHCQの予防効果が示された。一方、臨床的意見では、COVID-19に対するCQおよびHCQの予防的使用が提唱されていた。

・しかし、COVID-19に対するCQおよびHCQの予防的役割に関する独自の臨床研究はなかった。

結論

前臨床試験の結果は有望であるが、COVID-19の予防におけるCQまたはHCQの有効性を支持する証拠は今日までほとんどない。

潜在的な安全性の問題および誤った安心感を与える可能性を考慮すると、COVID-19に対するCQまたはHCQの予防は、観察研究または質の高いランダム化対照研究で徹底的に評価される必要がある。

コメント

COVID-19に対するクロロキンあるいはヒドロキシクロロキンの効果については議論が分かれています。また2020年4月以降に報告された臨床試験の結果では、標準治療へのクロロキン追加の効果はなく、高用量ではQT延長による不整脈や心突然死リスクについて報告されています。

さて、今回の研究により、全臨床試験ではSARS-CoV-2に対するクロロキンあるいはヒドロキシクロロキンの有用性が示唆されています。しかし、臨床試験では、前述の通りCOVID-19に対する有益性は示されていません。

COVID-19に対する他の治療候補薬と比較して、クロロキンあるいはヒドロキシクロロキンの有益性は少なそう。続報を待ちます。

✅まとめ✅ 2020年3月30日までの前臨床試験またはCOVID-19に対するクロロキンまたはヒドロキシクロロキンの予防的効果は前臨床試験では有望だが、臨床試験においては有効性を支持するエビデンスはない

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