心房細動患者におけるワーファリン®️開始:虚血性脳卒中における初期効果(イギリス人口ベース コホート内症例対照研究:Eur Heart J. 2014)

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Initiation of warfarin in patients with atrial fibrillation:  early effects on ischaemic strokes.

Azoulay L et al.

Eur Heart J. 2014 Jul 21;35(28):1881-7.

doi: 10.1093/eurheartj/eht499. Epub 2013 Dec 18.

PMID: 24353282

【目的】

脳卒中のリスク増加は、研究の終わりに患者がオープンラベルワルファリンに移行したときに、経口第Xa因子阻害剤2つの心房細動(AF)試験で観察された。

本研究の目的は、ワルファリンの開始が心房細動患者の脳卒中リスク増加と関連しているかどうかを判断することである。

【方法】

UK Clinical Practice Research Datalinkを使用して、1993年から2008年の間にAFを有する70,766人のコホート内症例対照分析を実施した。

脳卒中の症例は、年齢、性別、AF診断の日付、およびAF診断からの時間に関する最大10人の対照とランダムに一致した。

条件付きロジスティック回帰を使用して、現在のワルファリン使用に関連する脳卒中の95%信頼区間(CI)で調整されたレート比(RR)を推定し、非使用と比較し治療開始からの時間(<30日、31-90日、および> 90日)で層別化した。

【結果】

・合計5,519人(7.8%)の患者が追跡中に​​脳卒中を経験した。ワルファリン使用は、使用開始後の最初の30日間で脳卒中リスクが71%増加した。

★RR = 1.71、95%CI 1.39〜2.12

・一方、イベントの30日以上前に開始するとリスクが減少した。

★31〜90日:RR = 0.50、95%CI 0.34〜0.75

★90日超:RR = 0.55、95%CI 0.50〜0.61

Figure 2. 虚血性脳卒中のレート比(本文より引用)

【結論】

ワルファリンを開始する患者は、治療開始後の最初の30日間に脳卒中リスクが高くなり、治療開始時の一時的な凝固亢進状態の生物学的妥当性を裏付ける可能性がある。しかし、これらの所見を確認するには追加の研究が必要。


【コメント】

アブストのみ。

Rocket AFやARISTOTLE試験、および事後解析において、ワーファリン®️使用群での虚血性脳卒中リスク増加が示唆された。これはワーファリン®️使用開始時にプロテインC活性の急激な低下が引き起こされ、反動で一過性の凝固行進に起因するためであると考えられる。

このため微小血栓を生じ、皮膚や脂肪組織が壊死に陥る症例も報告されている(ワーファリン®️インタビューフォーム参照)。この副作用は女性に生じることが多く、その発生部位は(脂肪組織に多く)乳房>大腿部>臀部>脚の頻度とのこと。また男性では胸や性器等で発生した報告がある。

過去の小規模研究において、ワーファリン®️ローディングドーズは、10mgよりも5mgの方が虚血性脳卒中リスクが低い可能性が示唆されている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9892329)。つまり低用量で治療開始すればリスク増加は少ない可能性がある。

さて、本研究結果においても、やはりワルファリン®️使用開始後30日以内で虚血性脳卒中リスク増加の可能性が示唆された。

副作用回避のために、以下の3点が推奨されている。

①ワルファリンの投与開始前にプロテインC、プロテインSおよびアンチトロンビンが正常か確認する。
②ワルファリンは少量から投与を開始する。
③ワルファリンの投与開始1週間は、微小血栓発生に留意すること。また、ワルファリンを何らかの理由で、一時中止し、再開した時も同様。

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