日本の外来患者診療における臨床知識支援システム(UpToDate)の活用は診断エラーを減らせますか?(後向き研究; Int J Med Inform. 2018)

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Effectiveness of a Clinical Knowledge Support System for Reducing Diagnostic Errors in Outpatient Care in Japan: A Retrospective Study

Taro Shimizu et al.

Int J Med Inform. 2018 Jan.

PMID: 29195700

DOI: 10.1016/j.ijmedinf.2017.09.010

Keywords: Clinical knowledge support system; Diagnostic error; Dual process theory.

背景

臨床的なエビデンスから、診断エラーの予防と削減のためのコンピュータベースのシステムの有効性が示されている。

目的

本研究では,コンピュータベースの臨床知識支援システムであるUpToDateの診断エラー削減に対する有効性を評価することを目的とした。

方法

2014年7月から2015年6月までに地域密着型病院の外来診療科を受診した患者100名をレトロスペクティブに同定した。

50人の患者(曝露群)をUpToDate対応の医師が診察し、さらに50人の患者(対照群)をUpToDate非対応の医師が診察した。

診断結果に影響を与える可能性のある患者の性別、年齢、主要診断、症例の難易度に関するデータを抽出した。

診断エラー率に関して2つのグループを比較し、診断エラーに影響を与える様々な要因の同時作用を分析するためにロジスティック回帰分析を行った。

結果

・診断エラー率は暴露群では2%であったのに対し、対照群では24%であった。

・多変量ロジスティック回帰分析の結果、エラー率の減少は、オッズ比 =15.21(95%CI 1.86-124.36)でUpToDateへの曝露と有意に関連していることが示された。

結論

診断エラーの予防と減少に対するUpToDateの有効性を実証した。

コメント

米国における2016年の死亡原因の第3位を医療過誤が占めているようです(https://www.npr.org/sections/health-shots/2016/05/03/476636183/death-certificates-undercount-toll-of-medical-errors)。

さて、日本で行われた本研究により、外来患者を対象とした日常診療において、UpToDate使用による診断エラー率の減少が示された(UpToDate使用群では2%であったのに対し、対照群では24%)。

かなりの減少効果ですね。小規模な研究であるため、やや過大な結果ですが、有益な結果であると考えます。

他の施設への外装性を考慮するには、より大規模な研究結果が欲しいところですね。少なくともお値段以上の効果はありそう(に鳥さんとのCOIはありません)。

✅まとめ✅ 日本の外来診療に臨床支援知識システムUpToDateを導入すると診療エラーが減少する

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