2型糖尿病患者におけるPTP1Bアンチセンス薬の効果はどのくらいですか?(代用のアウトカム; RCT; Phase II trial; Diabetes Care 2018)

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Antisense Inhibition of Protein Tyrosine Phosphatase 1B With IONIS-PTP-1BRx Improves Insulin Sensitivity and Reduces Weight in Overweight Patients With Type 2 Diabetes.

Randomized controlled trial

Digenio A, et al.

Diabetes Care. 2018.

PMID: 29439147

【目的】

メトホルミンおよび/あるいはスルホニル尿素療法でもコントロール不充分な肥満2型糖尿病患者の追加療法として、タンパク質チロシンホスファターゼ1Bの第二世代2′-O-メトキシエチルアンチセンス阻害剤であるIONIS-PTP-1BRxの安全性と有効性を評価する。

【研究デザインと方法】

本第II相試験は、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、多施設試験。対象は、過体重および肥満(BMI≥27kg / m2)の2型糖尿病(HbA1c≥7.5%[58 mmol / mol]〜 ≤10.5%[91 mmol / mol])かつ、安定用量のメトホルミン単独またはスルホニル尿素の併用でコントロール不充分な患者。

試験参加者は2:1でIONIS-PTP-1BRx 200 mg(n = 62)またはプラセボ(n = 30)にランダム割付された 。投与は1週間に1回、26週目まで実施した。

【結果】

・ベースラインの平均HbA1cは、プラセボおよび積極的治療でそれぞれ8.6%(70 mmol / mol)および8.7%(72 mmol / mol)だった。

・27週目において、プラセボ群と比較し、IONIS-PTP-1BRx群では平均HbA1cレベルをベースラインから-0.44%(-4.8 mmol / mol; P = 0.074)、レプチン(-4.4 ng / mL; P = 0.007)およびアディポネクチン(0.99μg/ mL; P = 0.026)の増減が認められた。

・36週目、プラセボ群と比較しIONIS-PTP-1BRx群では、平均HbA1c(-0.69%[-7.5 mmol / mol]; P = 0.034)、フルクトサミン(-33.2μmol/ L; P = 0.005)および糖化アルブミン(-1.6%; P = 0.031)が有意に低下した。

・両方の治療群が同様のライフスタイルカウンセリングを受けているにもかかわらず、HbA1cの減少とは無関係に、IONIS-PTP-1BRx群で、平均体重はベースラインから27週まで有意に減少した(-2.6 kg vs. プラセボ群; P = 0.002、R2 = 0.0020)。

・本研究では安全性の懸念は確認されなかった。

【結論】

プラセボと比較して、26週間のIONIS-PTP-1BRx治療は、HbA1cの長期にわたる減少、中期血糖パラメーターの改善、レプチンの減少、アディポネクチンレベルの増加をもたらし、明確な体重減少効果をもたらした。

【コメント】

アブストのみ。

個人的に期待しているアンチセンス薬です。

PTP1Bは体内の恒常性に広く関っています。もちろん遺伝子をknockoutしたら生命維持できないかもしれませんが、個人的には、いわゆる良い作用を聞いたことがないタンパク質です。

Phase III試験が走っているようなので楽しみです。続報に期待。

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