Abdelaziz HK et al.
J Am Coll Cardiol. 2019 Jun 18;73(23):2915-2929.
doi: 10.1016/j.jacc.2019.03.501.
PMID: 31196447
【試験背景】
心血管疾患(Cardiovascular disease, CVD)の一次予防に対するアスピリンの有効性と安全性は議論の余地がある。
【試験の目的】
本研究の目的は、45,000人を超える個人を追加した最近の大規模試験の発表後に、CVDの一次予防に対するアスピリンの臨床転帰を検討することだった。
【方法】
追跡期間が1年以上の一次予防の対照とアスピリンの臨床転帰を比較したランダム化比較試験が含まれていた。
有効性アウトカムには、総死亡、心血管(CV)死亡、心筋梗塞(Miocardil Infarction, MI)、脳卒中、一過性虚血発作(Trantient Ischemic Attack, TIA)、および主要な有害心血管イベントが含まれていた。
安全性アウトカムには、大出血、頭蓋内出血、致命的出血、および大消化管(GI)出血が含まれていた。
転帰に対するランダム効果DerSimonian-Lairdリスク比(RR)を計算した。
【結果】
・165,502人の参加者(アスピリンn = 83,529、コントロールn = 81,973)を含む合計15のランダム化比較試験が利用可能だった。
・対照と比較して、アスピリンは同様の総死亡(RR =0.97, 95%信頼区間[CI] 0.93〜1.01)、CV死(RR =0.93, 95%CI 0.86〜1.00)、および非CV死亡(RR =0.98, 95%CI 0.92〜1.05)リスクだった。
・一方、非致命的MI(RR =0.82, 95%CI 0.72〜0.94)、TIA(RR =0.79, 95%CI 0.71〜0.89)、および虚血性脳卒中(RR =0.87, 95%CI 0.79〜0.95)リスク低下と関連していた。
・アスピリン使用は、大出血(RR =1.5, 95%CI 1.33〜1.69)、頭蓋内出血(RR =1.32, 95%CI 1.12〜1.55)、および重大な消化管出血(RR =1.52, 95%CI 1.34〜1.73)リスク増加と関連していた。
・対照対象と比較して同様の致命的出血率(RR =1.09, 95%CI 0.78〜1.55)だった。
・研究のフォローアップ期間内では、両方のグループで総がんおよびがん関連死亡が類似していた。
【結論】
一次予防のためのアスピリン使用は、非致死的虚血性イベントを減少させるが、非致死的な出血イベントを有意に増加させた。
【コメント】
アブストのみ。
過去の報告と矛盾しない。アスピリン使用による心血管イベント1次予防効果は希薄になっている。
ハイリスク患者にはアスピリン使用を考慮しても良いのかもしれませんね。
続報を待ちたい。
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