文献1:Reduction in central blood pressure after bathing in hot water.
Blood Press Monit. 2016 Apr;21(2):80-6.
doi: 10.1097/MBP.0000000000000167.
PMID: 26657048
試験の背景
入浴後の中枢血圧の低下を評価した。
方法
治療を受けている28人の日本人高血圧患者に24時間の外来中枢血圧モニタリングを行った。日本人はしばしばお湯に浸り、入浴日と非入浴日の両方で血圧測定値が得られた。患者は入浴前に自分で血圧モニターを取り外し、入浴後に再装着した。
結果
参加者の平均年齢は65.5±9.7歳(男性:46.4%)であり、オフィス平均血圧は131.2±12.6 /73.0±7.5 mmHgだった。入浴水の平均温度は40.6±1.5℃だった。
中枢性収縮期血圧の入浴後減少(N =20; 140.7±26.7から127.7±18.4 mmHg、減少:13.0±22.6 mmHg; P =0.019)は上腕を用いた収縮期および拡張期血圧の同等減少(N = 28; 収縮期/拡張期血圧 139.1±21.0/80.3±14.4から131.1±16.2/72.0±10.7 mmHg、減少:8.0±17.5/8.3±9.6 mmHg; P=0.023/P<0.001)より大きかった。
患者の平均上腕血圧は入浴後に有意に減少した(8.5±12.1 mmHg; P =0.001)が、上腕脈圧は減少しなかった(-1.0±9.7 mmHg; P =0.60)。
多変量解析では、平均上腕血圧の低下を調整した後でも、中枢血圧の入浴後の低下は増強指数の低下の影響を受けることが示された。しかしながら、夜間の上腕血圧と中枢血圧のレベルは、入浴日と非入浴日の間で有意差はなかった。
結論
入浴後の中枢血圧減少は、上腕血圧より5 mmHg大きかった。さらに圧脈波反射の減少により影響を受けた。しかし、夜間の上腕血圧と中枢血圧は入浴日と非入浴日の間で差はなかった。
論文2:Effect of water bath temperature on physiological parameters and subjective sensation in older people.
Geriatr Gerontol Int. 2017 Nov;17(11):2164-2170.
doi: 10.1111/ggi.13053. Epub 2017 Apr 19.
PMID: 28421715
目的
日本では、冬には高齢者の水浴関連心肺事故の発生率が高い。本研究の目的は、涼しい環境で入浴するときの高齢者の生理的特徴と主観的な温冷感の変化を調査するこ。
方法
室温20℃、湿度50%の環境において、42℃と39℃で入浴したときの皮膚温度、直腸温、血圧、脈拍数、体液喪失(汗と尿)、および主観的熱反応を評価した。 参加者には、健康な高齢男性11人と健康な若年男性10人が組み入れられた。
結果
42℃での入浴は、入浴中および入浴後の直腸温は若年男性よりも高齢男性の方が有意に低く、入浴後の皮膚温は高齢男性では徐々に低下した。
高齢男性における収縮期血圧および脈拍数は、42℃で入浴した直後に増加し、入浴後に減少した。着衣動作により収縮期血圧が上昇し、入浴後に低下した。したがって、入浴中のdouble product(脈拍数×収縮期血圧)が増加した。
42℃での入浴は、高齢男性と若年男性の間で体液喪失に有意差は見られなかったが、高齢男性の発汗は有意に少なかった。また高齢男性では、42℃での入浴後の体感温度の減少が少なく、39℃での入浴後の寒さの減少が少ないと報告した。
結論
これらの結果は、寒い季節にお湯を浴びることが高齢者においてより深刻な生理的変化を引き起こす可能性があることを示唆している。
コメント
アブストのみ。
入浴後は血圧が下がりそう。今回の論文では8〜13 mmHgぐらいだった。予想通りですが、高齢者では、若年者に比べて入浴前後の体温変化が大きかった。着衣や室温に影響を受けるので、部屋と浴室の温度差はなるべく少ない方が良さそうですね。
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コメント
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