若年性心房細動患者における病態進行とアウトカム(Europace. 2018)と心房細動の分類

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Atrial fibrillation progression and outcome in patients with young-onset atrial fibrillation. De With RR et al. Europace. 2018. PMID: 29518195

本試験の目的

臨床医は若年発症の心房細動(AF)患者に遭遇する機会が増えている。若年発症のAF患者の臨床プロファイル、AF進行およびアウトカムについて検証する。

方法

60歳未満の発作性または持続性 AF患者 468例を対象とした。心房細動の臨床プロファイル、AF進行、永続性 AF発症および心血管イベントについて前向きに収集された。

結果

 試験期間中に発症した AF患者は 46 ± 10歳で、男性は 354人(76%)、発作性 AFは 329人(70%)、危険因子や合併症のない AFは 50人(11%)、家族性 AFは118人(25%)であった。 高血圧は 207例(44%)、心不全例は 44例(9%)であった。 試験期間 7.2(2.7-10.0)年の間に、56例(11%)が AF進行を示した(2.0% / year)。抗不整脈薬または肺静脈隔離術(心房細動の手術の一つ。肺静脈起源の期外収縮時に施行される)を受けている患者の進行率は、上記の治療を受けていない患者と変わらなかった。 AF進行の多変量決定因子には、拡張期血圧[ハザード比(HR) =1.031, 95%信頼区間(95%CI)1.007-1.055; P = 0.010]および左心房サイズ(HR =1.055, 95%CI 1.012-1.099; P = 0.012)があげられた。 心血管イベントは 61例(13%; 2.4% / year)であった。心血管イベントの多変量決定因子は、PR間隔(HR =1.015, 95%CI 1.005-1.024; P = 0.002)および左室肥大(HR =3.429, 95%CI 1.712-6.868; P = 0.001)であった。 年間イベント率は、AFが進行していない患者と比較して、AF進行患者でより高かった(HR =4.9(95%CI 2.3-9.0)%  vs.  1.9(1.4-2.6)%); P = 0.006]。

結論

若年発症 AF患者 10人のうち 9人が危険因子と合併症を有し、25%が家族性 AFを有していた。 永続性 AFへの進行および心臓血管イベントは、それぞれ 2.0%および 2.4% / yearで起こった。心血管イベントは、AF進行が起こった後に増加した。

コメント

アブストのみ。サンプルサイズは分からないが、組み入れ対象が少ないと感じた。もしかしたら、そもそも若年で発症する心房細動患者が少ないのかもしれない。 地域性もあるので一概には言えないが、実際に薬局で薬を渡す際、60歳未満でも心房細動の既往ありの患者が増えている印象。それでも数えるほどですが。 余談ですが、過去の臨床試験で、レートコントロール(心拍数調節)とリズムコントロール(洞調律維持)とを比較した AFFIRM試験があります。この論文から引用すると、心房細動は次の 3つのタイプに分けることができます。 発作性心房細動(paroxysmal af):心房細動発症後 7日以内に洞調律が元の正常な状態に戻る状態。 持続性心房細動(persistent af):心房細動発症後 7日を超えて心房細動が持続する状態。 永続性心房細動(permanent af):電気的あるいは薬理学的に除細動が不可能な状態。      

-Evidence never tells you what to do-




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