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05_内分泌代謝系

スタチン治療が筋肉症状に及ぼす影響は少ない?(RCTのメタ解析; Lancet. 2022)

心筋梗塞や虚血性脳卒中を中心とする動脈硬化性心疾患は、2019年の世界の死亡者数約1,800万人を占め、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは主要な原因危険因子であることが示されています。ランダム化比較試験により、3-ヒドロキシ3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素阻害薬(スタチン系…
02_循環器系

心筋症患者の除細動器植込み前の単形性心室頻拍に対する早期アブレーションは有効ですか?(RCT; PAUSE-SCD試験; Circulation. 2022)

植え込み型除細動器(ICD)は心室頻拍(VT)や心室細動といった命に関わる重症な不整脈を経験した患者、あるいはその可能性が高いと予測される患者が適応となります。これらの不整脈にはICDの他に薬物治療やカテーテルアブレーションなども行われますが、ICDが最も効果的と言われています。特に、心筋梗塞や心…
70_医療経済学

長寿者は非長寿者と比較して人生の最後の年の医療費が低い?(奈良県の後向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2021)

長寿者は他の年齢層に比べて重症化する期間が短い傾向にあることが研究で示されていますが、人生の最後の年に利用される医療資源の規模を示す指標となりうる長寿者の医療費に着目した研究はほとんどありません。そこで今回は、日本人の長寿者と非長寿者の死亡前1年間の月別医療費を年齢と性別で比較した後向きコホート研…
00_その他

心血管スクリーニング検査は死亡リスクを低減しない?(RCT; DANCAVAS試験; N Engl J Med. 2022)

死亡リスクに関して、集団ベースの心血管系疾患スクリーニングの有益性を示唆するデータは限られています。心血管系疾患のスクリーニングが有効であるかどうか検証が求められます。そこで今回は、潜在性心血管疾患に対するスクリーニングが死亡リスクを低下できるか検証したランダム化比較試験の結果をご紹介します。本試…
02_循環器系

心血管系二次予防における多剤併用(ポリピル)戦略は有効ですか?(RCT; SECURE試験; N Engl J Med. 2022)

心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防戦略としてのポリピル戦略は有効なのか?心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防の簡便な方法として、予後改善に関連する主要薬剤(アスピリン、アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、スタチン)を含む...
01_ワクチン vaccine

COVID-19ワクチン接種をためらう妊婦は多い?(SR&MA; BMJ Open. 2022)

急性呼吸器感染症であるCOVID-19は世界中に広がり、世界的な公衆衛生上の一大イベントとして知られるようになりました。2019年12月、中国の武漢で新型コロナウイルスが表面化し、その後も近隣諸国に広がり、パンデミックとなりました。それ以降、世界中で幅広い年齢層の人々の間で大規模な流行を引き起こす…
02_循環器系

体液過剰を伴う急性代償性心不全におけるループ利尿薬へのアセタゾラミド追加は有効ですか?(DB-RCT; ADVOR試験; N Engl J Med. 2022)

急性代償性心不全の治療は、一般的に入院を必要とすることが多く、酸素吸入や強心薬を使用します。また心浮腫(うっ血)が認められることが多く、ループ利尿薬をはじめとする利尿薬を使用しますが、治療抵抗性となる症例も報告されています。近位尿細管ナトリウム再吸収を抑制する炭酸脱水酵素阻害薬であるアセタゾラミド…
11_皮膚・骨格筋系

股関節または膝関節形成術後の症候性静脈血栓塞栓症に対するアスピリン vs. エノキサパリン、どちらが良いですか?(クラスターRCT; CRISTAL試験; JAMA. 2022)

米国では、毎年約150万件の人工股関節置換術および人工膝関節置換術が行われています。症候性静脈血栓塞栓症(VTE)は、VTE予防策を講じていても、これらの手術後の患者の約2%に発生します。安価であること、認識されている安全性、投与の容易さ、および観察研究からのエビデンスにより、血栓予防のためのアス…
02_循環器系

虚血性左心室機能障害に対する経皮的血行再建術(PCI)の効果はどのくらいですか?(Open-RCT; REVIVED-BCIS2試験; N Engl J Med. 2022)

冠動脈疾患は世界的に最も一般的な心不全の原因です。重度の左室収縮機能障害をもつ患者の一部が冠動脈バイパス術(CABG)後に収縮機能を回復したという観察から、心筋の冬眠(冬眠心筋, myocardial hibernation)という概念が生まれました。冠動脈再灌流による冬眠の回復は、何十年もの間…
02_循環器系

リウマチ性心疾患に伴う弁膜症性心房細動に対してリバーロキサバンとビタミンK拮抗薬どちらが良いですか?(PROBE; INVICTUS試験; N Engl J Med. 2022)

リウマチ性心疾患に伴う心房細動心房細動は、左心房のリモデリングを引き起こす様々な病態により発生することがあります。心房細動を有する患者では、左心房内に血栓が形成され、それが塞栓となって脳内循環の枝を閉塞するため、塞栓性脳卒中のリスクが高くな...
05_内分泌代謝系

軽度の駆出率低下または維持された心不全におけるダパグリフロジンの効果はどのくらい?(DB-RCT; DELIVER試験; NEJM 2022)

ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤は、もともと2型糖尿病の治療薬として開発された血糖低下剤であり、2型糖尿病の有無にかかわらず、慢性心不全および左室駆出率低下(40%以下)患者や慢性腎臓病患者の死亡リスクおよびその他の有害事象のリスクを低減します。現在の臨床ガイドラインでは、慢性…
02_循環器系

心房細動を有する80歳以上の高齢フレイル患者における超低用量エドキサバンは有効ですか?(コホート研究; ELDERCARE-AF試験; JAMA Netw Open. 2022)

一般的な不整脈である心房細動(AF)の有病率は加齢とともに増加し、虚弱(フレイル)もまた高齢者集団に影響を及ぼす一般的な状態です。虚弱は、加齢に伴う様々な生理的メカニズムにおける予備能や機能の低下に起因する脆弱性の増大と定義され、体重減少、転倒リスク、腎機能低下など様々な有害事象のリスク上昇と関連…
01_中枢神経系

糖尿病性末梢神経障害性疼痛に対するアミトリプチリン+プレガバリン、プレガバリン+アミトリプチリン、デュロキセチン+プレガバリン、どれが良さそうですか?(DB-RCTクロスオーバー試験; OPTION-DM試験; Lancet. 2022)

糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)に対する薬物治療として優れているのはどれか?糖尿病性末梢神経障害は、糖尿病患者の約50%が生涯に渡って罹患し、その約半数が神経障害性疼痛を有するとされています(PMID:34050323)。糖尿病性末梢...
07_腎・泌尿器系

ベースラインHbレベルが低いことと慢性腎臓病の進行が関係する?(日本の前向きコホート研究; CKD-ROUTE研究の二次解析; BMC Nephrol. 2022)

ベースラインのHbレベルが低いことと慢性腎臓病の進行とは関連するのか?末期腎不全(ESRD)の原因となる慢性腎臓病(CKD)は、世界中で大きな健康問題となっています(PMID: 23877587)。近年、何十億ドルもの費用が国民健康保険制度...
00_その他

メタボ健診は肥満と心血管の予防に対して効果がなさそう?(回帰不連続デザインを用いた後向き研究; BMJ 2022)

メタボリックシンドロームに対する特定健診、特定保健指導は肥満や心血管イベントを低減あるいは予防できるのか?肥満や糖尿病、高血圧などの肥満関連疾患は、多くの国々で疾病負担や医療費増加の主な原因となっています。米国では、肥満、糖尿病、高血圧に関...
09_感染症

75歳未満の成人におけるCOVID-19ワクチン接種後の心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症のリスクはどのくらい?(自己症例対照研究; Ann Intern Med. 2022)

BNT162b2(ファイザー・ビオンテック社製)ワクチンは、75歳以上の高齢者において、重篤な心血管イベント(心筋梗塞、肺塞栓、脳卒中など)のリスクに関して、安全であることが示されています。しかし、他のCOVID-19ワクチンの安全性や若年層における転帰についてはあまり知られていません。そこで今回…
00_その他

薬局薬剤師の疑義照会による医療費削減効果はどのくらいですか?(全国薬局疑義照会調査; YAKUGAKU ZASSHI 2016)

医薬分業の目的は、医師と薬剤師が独立した専門職の立場で患者の薬物療法の内容を相互に確認することにより、医療における安全性の確保と質の向上につなげることです。しかし、これまで医薬分業の意義や薬局薬剤師の職能に対する議論が起こっています。平成27年3月12日の内閣府による公開ディスカッションでは、「医…
02_循環器系

スタチン長期使用と脳内出血リスクとの関連性はどのくらい?(デンマーク症例対照研究; Neurology. 2022)

低コレステロール血症が脳内出血リスクを増加させることが報告されており、これは疑いようのない事実のようです。しかし、スタチン使用によるLDL-C低下療法が脳内出血リスクになる確証はありません。2019年のメタ解析の結果、脳梗塞の既往を有する患者において、スタチンは脳梗塞の発症を有意に増加させず(ただ…
05_内分泌代謝系

糖尿病患者の年間eGFR減少率においてSGLT2阻害薬間で差はないかもしれない(代用のアウトカム; データベース研究; Kidney Int. 2022)

糖尿病患者は世界的に増加していることが国際糖尿病連合(IDF)から報告されています。この報告(糖尿病アトラス)によれば、世界の糖尿病人口は5億3,700万人。成人の10人に1人(10.5%)が糖尿病に罹患しています。糖尿病アトラスでは、世界を7地域に区分し統計値を出しています。この7地域の中で日本…
05_内分泌代謝系

高温や猛暑の日は糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群および低血糖による入院リスクと関連する?(日本のデータベース研究; Environ Int. 2022)

近年、地球温暖化に伴い、異常高温現象の増加が報告されています。高温への曝露は、死亡率を含む健康上の有害な結果と関連しています。糖尿病患者は、体温調節の障害や脱水のリスクといった病的な状態にあるため、特に熱への曝露に脆弱です。糖尿病患者における周囲温度に関連した健康影響の報告も増えており、例えば、高…
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