Point-of-Care Diagnostic Tests for Detecting SARS-CoV-2 Antibodies: A Systematic Review and Meta-Analysis of Real-World Data
Matteo Riccò et al.
J Clin Med. 2020 May 18;9(5):E1515. doi: 10.3390/jcm9051515.
PMID: 32443459
DOI: 10.3390/jcm9051515
Keywords: COVID-19; SARS-CoV-2; point-of-care diagnostics; rapid testing; real-world data; systematic review and meta-analysis.
背景
SARS-CoV-2は、COVID-19として知られる高伝染性感染症の原因となっている。SARS-CoV-2は2019年12月下旬に発見され、それ以来、世界的なパンデミックとなっている。
タイムリーで正確なCOVID-19実験室検査は、COVID-19アウトブレイクの管理に不可欠なステップである。今日まで、呼吸器サンプル中の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)に基づくアッセイは、COVID-19診断のためのゴールドスタンダードである。
残念ながら、RT-PCRにはいくつかの実用的な限界がある。その結果、検査室や医療施設の負担を軽減し、大規模スクリーニングを可能にし、タイムリーな治療介入を可能にするための検査能力の拡大のために、代替的な診断法が急務となっている。
これまでのところ、COVID-19の迅速検査の利用の可能性に関する研究はほとんど行われておらず、いくつかの相反する結果が示されている。
方法
本研究では、COVID-19発生時の管理における迅速診断検査の実行可能性を探るために、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。
結果
・研究10件に基づいて、プール感度64.8%(95%CI 54.5〜74.0)、特異度98.0%(95%CI 95.8〜99.0)を計算したが、高い異質性と報告バイアスのリスクがあった。
結論
我々は次のように結論づけることができる。
- COVID-19の迅速診断検査は必要であるが、十分な感度と特異度を持つべきである
- 現在までに実施された研究は少ない
- 含まれた研究は数が少なく、サンプル数が少ないことが特徴である
- これらの結果を考慮すると、利用可能な検査の使用は現在のところ臨床目的では疑問であり、RT-PCRに基づくアッセイのような他のより信頼性の高い分子検査に代わるものではない
コメント
SARS-CoV-2抗体の迅速検査の精度について検証した研究。
組み入れられた研究は10件と書かれていますが、おそらく23件の誤りではないかと考えられます。
さて、統合された結果から、SARS-CoV-2抗体の迅速検査の精度は、感度が64.8%(95%CI 54.5〜74.0、異質性I2 =89%)、特異度が98.0%(95%CI 95.8〜99.0、異質性I2 =72%)でした。
異質性は高度であり、統合しない方が良いと考えられますが、特異度について、数字で示される(異質性I2 =72%)ほどの結果の方向性の違いは、そこまで大きくないように思います。
著者はRT-PCR検査ほどの精度はないと述べていますが、検査精度としては、過去の研究結果から、迅速検査と大きな違いはないと考えます。
続報を待ちたい。
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