CPAPと鼻づまり症状との関連性はどのくらいですか?(前向きコホート研究; JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2020)

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Association of Allergic Rhinitis With Change in Nasal Congestion in New Continuous Positive Airway Pressure Users

Jonathan R Skirko et al.

JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2020 Apr 9;e200261.

doi: 10.1001/jamaoto.2020.0261.

PMID: 32271366

PMCID: PMC7146531 (available on 2021-04-09)

試験の重要性

継続的気道陽圧(continuous positive airway pressure, CPAP)治療開始後に発生する鼻づまりは、CPAPのアドヒアランスを損なう。

アレルギー性鼻炎は、非アレルギー性の誘因にさらされている患者の鼻づまりの悪化と関連している。CPAPの使用は、潜在的な非アレルギー性誘因(例:湿度、温度、圧力、気流)を示す。

目的

アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、鼻炎なしのCPAP使用者の鼻づまりを比較する。

ベースラインにおいてアレルギー性鼻炎があるCPAP患者は、ベースラインにアレルギー性鼻炎がない患者と比較して鼻づまりの悪化を経験する可能性が高い(または鼻づまりの改善が少ない)という仮説を立てた。

試験デザイン、設定、参加者

この前向きコホート研究は、第三次睡眠センターで新たに閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断され、診断後3ヵ月後にCPAP療法を使用していた連続した患者を対象とした。

ベースラインの鼻炎の状態は、質問紙の回答と過去のアレルギー検査に基づいて、アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、鼻炎なしのいずれかに割り付けた。

データは2004年~2008年に収集し、2019年7月~2020年2月に解析した。

主なアウトカムと測定方法

CPAP曝露前のベースラインおよび3カ月後に再度、Nasal Obstruction Symptom Evaluation(NOSE)スケールおよびVisual analog scale(VAS)を用いて、主観的な鼻づまりを測定し、それぞれ0~100(100=最悪の鼻づまり)のスコアで評価した。

鼻づまりの変化は、コホート全体、各鼻炎サブグループ内、および鼻炎サブグループ間(多変量線形回帰)で3ヵ月間にわたって検証された。

結果

・研究コホートは参加者102人で、そのうち61人(60%)が男性で、平均(SD)年齢は50歳(13歳)であった。

・アレルギー性鼻炎23人(22.5%)、非アレルギー性鼻炎67人(65.7%)、鼻炎なし12人(11.8%)であった。

・鼻づまりは、コホート全体(平均[SD]NOSEスコア 38[26]~27[23]、平均[SD]変化 -10[23]、95%CI -15~-6;平均[SD]VASスコア 41[27]~32[28]、平均[SD]変化 -10[26]、95%CI [-15~-4])および各鼻炎群でベースラインから3ヵ月間に改善した。

・3ヵ月後の鼻づまりの調整された改善は、アレルギー性鼻炎群では、鼻炎なし群と比較して、ベースラインと比較して有意に少なかった(正の差は改善が少ないことを意味する)。NOSEスコア 14(95%CI 1~28)、VASスコア 15(95%CI 0~30)。

結論と関連性

CPAPの開始は、主観的鼻づまりの改善と関連していたが、ベースラインのアレルギー性鼻炎患者においては改善が少なかった。ベースラインのアレルギー性鼻炎は、CPAPの潜在的なうっ血効果に対してどの患者がより脆弱であるかを予測する可能性がある。

コメント

以前からCPAPと鼻詰まりとの関連性については議論が分かれていました。患者によってはステロイド点鼻を併用する場合もありますね。

さて、本試験結果によるとCPAP使用により鼻詰まり症状の改善が認められた。しかし、アレルギー性鼻炎の現病歴を有す患者では鼻詰まりの改善が少ないとのこと。

ここからは仮説生成ですが、基礎疾患としてアレルギー性鼻炎を有す患者ではステロイド点鼻を併用した方が良いかもしれないですね。

✅まとめ✅ CPAPにより主観的鼻づまりの改善と関連していたが、アレルギー性鼻炎患者においては改善が少なかった

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