Comparison of Efficacy and Safety of Liraglutide 3.0 Mg in Individuals With BMI Above and Below 35 Kg/M²: A Post-hoc Analysis
Carel le Roux et al.
Obes Facts. 2017
PMID: 29145215
PMCID: PMC5836203
DOI: 10.1159/000478099
Keywords: Efficacy; Liraglutide; Obesity; Safety.
目的
2型糖尿病(T2D)の有無にかかわらず、リラグルチド3.0 mgの有効性と安全性が2つのサブグループ、BMI 27〜<35およびBMI≥35 kg /m²で異なるかどうかを調査する。
方法
56週間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験2件の事後分析(SCALE Obesity and Prediabetes; SCALE Diabetes)。
リラグルチド3.0 mgの治療効果のサブグループによる違いは、治療グループとベースラインBMIサブグループ間の相互作用をテストすることにより評価された。
結果
・治療中のすべての患者グループで、リラグルチド3.0 mgとプラセボで大幅に大きな体重減少(0〜56週間)が観察された。
・リラグルチド3.0 mgの体重低下効果がBMIサブグループ間で異なるというエビデンスはなかった(相互作用p> 0.05)。同様に、ほとんどの副次的エンドポイントでは、リラグルチド3.0 mgがプラセボと比較して大幅に大きな改善が観察され、サブグループ間で適応症の治療効果は異ならなかった。
・リラグルチド3.0 mgの安全性プロファイルは、BMIサブグループ全体でほぼ同様でした。
結論
本事後分析では、BMI 27〜<35または≥35kg /m²の個人に対するリラグルチド3.0 mgの治療効果または安全性プロファイルに違いは示されなかった。 したがって、リラグルチド3.0 mgは、BMIが35以上の個人、およびBMIが27〜35 kg /m²の個人に考慮できる。
コメント
リラグルチドは糖尿病の有無に関わらず体重を減少する効果があります。海外ではリラグルチド 3 mg(Saxenda®️)という高用量の製剤が過度の肥満患者に対して処方されています。
しかし先日、NICEは体重減少薬としてSaxenda®️を推奨しない方向に傾いているというニュースを知りました。
どうやら肥満に併存する疾患を個々のリスクとして調整できない(調整が難しい)ことと、体重減少が心血管イベントの抑制に繋がらない可能性があること、以上の2点が大きな理由のようです。
Saxenda®️のメーカーであるノボは、SCALEの事後解析データを提出する予定とのことですが、どうやらデータの信頼性が低いことと、心血管イベントについてプラセボと差がない可能性が高いことが根拠となっているとのこと。
さて、本試験の検討結果では、BMI 27以上の患者では一貫して体重減少効果がありそう。しかし、BMIが高ければ高いほど効果があるわけではないようです。
まぁ日本では必要なさそうな薬ですね。
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